台風12号が接近するおそれがある中、去年の台風15号で大きな被害を受けた千葉県鋸南町や東京・伊豆大島では、依然として修理が終わっていない住宅が数多く残っていて、住民たちは雨や風を防ぐ応急対策に追われていました。
千葉県内では去年9月の台風15号で、8万1000棟を超える住宅に被害が出ましたが、修理を行う業者が不足していることなどから、鋸南町では今も修理が終わっていない住宅が数多く残っています。台風12号が接近するおそれがある中、23日は、自宅の修理が終わっていない住民が強い雨や風を防ぐ応急対策に追われていました。
このうち、自営業の網代彌壽雄さんは、去年の台風15号で、自宅の屋根瓦がほとんど飛んでしまうなど大きな被害を受けました。8月になってようやく修理業者が見つかり、台風12号が接近するおそれもあることから、雨漏りを防ぐ応急対策として自宅の屋根にベニヤ板などを23日までにはってもらいました。
鋸南町によりますと8月末現在、町内で自宅の修理を希望している人のうち、工事が完了したのは4割未満にとどまっているということです。
網代さんは、「修理業者は応急の対策で大丈夫だと言っていますが、まだ工事がすべて終わったわけではないので心配です」と話していました。
一方、去年9月の台風15号で1500棟以上の建物が被害を受けた伊豆大島では、住民が家の周囲を片づけるなどして台風に備えているということです。大工の高橋満さんは、台風15号で被害を受けた建物を10棟近く修理してきましたが、屋根の修理は済んだものの外壁の修理が住んでいない建物もあるということです。
撮影9月1日
高橋さんは「外壁に防水シートをはったばかりの建物もあり、風で何かが飛んでくれば破れてしまう。けさは、午前中いっぱいかけて、周囲の廃材などを片づけましたが、島ではまだ修理中の家もあり、台風の被害が心配です」と話していました。