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小倉美咲さんどこに…道志村キャンプ場で行方不明から1年 母の思い

  • 2020年9月23日
山梨県道志村のキャンプ場で当時小学1年生だった小倉美咲さんの行方が分からなくなってから、21日で1年が経ちました。これまでに警察などは捜索や捜査を行ってきましたが、美咲さんに繋がる手がかりは見つかっていません。「美咲が見つかると信じています」と、母親のとも子さんがいまの心の内を語りました。

なぜついていかなかったのか、いまも後悔

千葉県成田市の当時小学1年生だった美咲さんは、休みの日に家族や友人たちと訪れた「椿荘オートキャンプ場」で、一緒に遊んでいた友達を追いかけていき、行方が分からなくなりました。美咲さんから目を離した時間はわずか10分ほどでした。とも子さんは、なぜ一緒についていかなかったのかと、いまも後悔し続けています。

「普段は何も言わずにどこかにいってしまうこともよくあったんですが、あの時美咲がわざわざ私に『私もみんなのところ行ってもいい?』って声をかけて友達のところに向かっていったんです。私は『いいよ』って答えながら『ずいぶん成長したな』って心の中で思ったのをすごく覚えていて、そのときのニコッと笑って嬉しそうに小走りしていく姿が目に焼き付いて離れません。なんであのときついて行かなかったんだろう、ついて行っていればこんなことにならなかったのにと、後悔はずっと残っています」

ネットでは誹謗中傷

警察などは16日間にわたり、のべ1700人を動員して捜索しましたが発見には至りませんでした。とも子さんは美咲さんの特徴や当時の状況などについて書かれたチラシを作製したり、SNSで情報提供を呼び掛けたりしてきましたが、有力な手掛かりは得られていません。

SNSには、とも子さんを犯人扱いし、「自首しろ」というような書き込みもあり、8月には、とも子さんのSNSのアカウントに、「殺すぞ」などと脅迫するメッセージを送った疑いで男が逮捕されました。

「『自宅に行ってみよう』というようなツイートをされると恐怖ですし、なかなか中傷はゼロにはなりません。ただ、大半は『無事を祈っています』『絶対に戻ってくるから大丈夫です』と声をかけてくださる方がほとんどで、本当に励まされています」

長女は一時不登校に

美咲さんが行方不明になり、家族の生活は一変しました。夫はなんとか仕事はしているものの、口数が減ってしまいました。

長女は、学校に行くと美咲さんのことを聞かれることがつらく、不登校になって外出すらできない日々が続きました。

「学校行くと『美咲ちゃんどこにいるんだろうね、大丈夫?』って毎日、声をかけられていたみたいで、気をつかって『大丈夫だよ』と言って帰ってきていたのですが、帰ってくると『聞かれて答えるのが辛い、みんなして美咲ちゃんのお姉ちゃんって呼ぶ、もう自分が自分じゃなくなっちゃった』っていって泣いていたんです。」

2年生の教科書に名前を書いて

活発で学校が大好きだった美咲さん。部屋には、机やランドセルなど、行方がわからなくなった日からそのままの状態になっているものがある一方、この一年で増えたものもありました。

1年生の通知表には、「悪いことは許せない正義の味方で、ルールを守らない友達には注意をすることができました」「運動会ではリレーの選手に選ばれ、毎日の練習に張り切って参加しました」と書かれていました。

2年生への進級のタイミングで貰った教科書には、美咲さんが帰ってきたらすぐに学校に行けるように、とも子さんが名前を書きました。

「私たちが見つけるのを待っている」情報提供呼びかけ

とも子さんは、少しでも美咲さんにつながる情報を集めたいと、7月にはホームページを開設し、これまで使っていたSNSとあわせて、情報提供を呼びかけつづけています。

「美咲につながる情報が全くないのですが、言葉を返せば悪い情報も全くないので、どこかで頑張って生きて、私たちが見つけるのを待っているとしか思えませんし、そう信じています。美咲につながる情報が出てくれば必ず戻ってくると思っているので、1人でも多くの方が、似ている子がいないかとか、そういうことを気にかけてくださって、情報をお寄せいただけたらありがたいと思っています。家族にとって美咲は本当に大切な存在で、絶対に戻ってくると言う強い気持ちでこれからも美咲を探し続けようと思っています」

警察は引き続き情報提供を呼びかけています。
連絡先は山梨県警の大月警察署「0554-22-0110」です。

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