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閉校前に 親子で挑む甲子園 ~群馬・桐生南高校~

  • 2020年8月6日

新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止が決まった「夏の全国高校野球」。各地で地方大会に代わる独自の大会が行われています。最後の大会にかける球児の中には、父親と同じ野球部を選び、甲子園を目指した選手がいました。

高校にとっても最後の夏

今年度で閉校が決まっている群馬県立桐生南高校です。
感染防止対策でスタンドに保護者と控えの選手しか入れない中、これまでの伝統を胸に最後の大会に臨んでいます。

創部44年の桐生南高校。
28人の部員たちが臨む最後の大会。2回戦ではシード校を破り、快進撃を見せています。
桐生南のOBにはプロ野球選手もいます。甲子園の出場経験はありませんが、この5年間で、県大会のベストエイトに3回進出、躍進しています。

しかし桐生南は、少子化などの影響で来年度から市内の県立高校と統合することが決まっています。閉校することになり、校舎やグラウンドは使われなくなります。

桐生南のOBでもある石井洋之監督は、母校で10年間、指揮を執ってきました。

石井洋之監督
「自分の足で選手を見に行って(育ててきました。)私もOBの1人として、(母校の)最後に名を残す選手なので、名を残すのにふさわしい選手に育てたい」

親子で目指した甲子園

今年のチームは、4人の投手リレーが持ち味です。
そのうちの1人、3年生の増田拓海投手は、閉校が決まっている中、甲子園を目指そうと桐生南に入学しました。

増田拓海投手
「自分のお父さんがこの桐生南高校で野球をやっていて、それを話を聞いたりして。あとは桐生南高校の野球が強いっていうのを聞いていたんで、それで入りたいと思いました」

父親の祐輔さんは、およそ30年前、桐生南のエースとして活躍。キャプテンも務めました。
初戦まであと3日。祐輔さんは息子に、大切にしまっておいたあるものを見せました。当時のユニフォームです。44年の伝統を背負ってプレーしてほしいという願いからでした。

父のユニフォームに袖を通した増田投手
 

増田拓海投手
「ちょっとちっちゃいです」

父・祐輔さん
「今年が最後ということなんで 私たちもOBになりますが、精いっぱい頑張ってプレーしてもらいたいと思います」

増田拓海投手
「ユニフォームは違うんですけど、同じ高校のユニフォームを着て投げられるのはうれしいと思います」

応援を受けて いざマウンドへ

初戦の前日。試合当日はスタンドに入ることができない吹奏楽部が、閉校前、最後の野球部の応援に、練習グラウンドへ駆けつけました。

吹奏楽部キャプテン
「球場で直接応援することができず残念ですが、今までの努力を発揮してこれることを願っています。大会頑張ってください」

野球部
「きょうはありがとうございました!」

 

4日の3回戦。増田投手が先発のマウンドを託されました。

増田拓海投手
「自分が投げる回をしっかりと0点で抑えて、次のピッチャーを信頼しているので次に回そうと思っていた」

しかし、苦しいピッチング。毎回、ランナーを背負いながらも踏ん張ります。
4回を投げ、無失点、チームに勢いをつけました。渋川青翠に7-5で勝ち、桐生南は3年ぶりのベストエイト。最後の球児たちの活躍が歴史に刻まれています。

増田拓海投手
「うれしいです。“ファイナリスト” になるという目標で自分たちはこの1年間やってきたのでしっかり勝って決勝まで行きたい」

石井洋之監督
「負けたら桐生南の最後の夏が終わる。本当に3年生が1試合1試合 成長しているのでその3年生と最後をしっかり締めくくりたい」

桐生南の次の相手は、今大会第1シードの桐生第一。増田投手の父・祐輔さんが高校最後の夏に負けた相手でもあります。準々決勝の壁を越え、野球部44年の歴史を延ばすことができるでしょうか。

 

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