新型コロナ 警戒レベル引き上げの背景は

  • 2020年7月16日

東京都は15日、新型コロナウイルスの現在の感染状況について4段階で評価している警戒レベルを、これまでの「感染が拡大しつつあると思われる」から、最も深刻な表現の「感染が拡大していると思われる」に引き上げました。 引き上げの判断の背景には何があるのでしょうか。そして引き上げによって何が変わるのでしょうか?

警戒レベル 引き上げを決める

東京都は15日午後、感染状況などを専門家の分析をもとに評価するモニタリング会議を開きました。 この中で、国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は「いわゆる第2波といえるのか、これは後方視的にもう少し時間が経たないと正直わからないというところだと思いますが、かなり近いのは間違いないだろう」と指摘しました。

会議では、新型コロナウイルスの警戒レベルを、4段階のうち最も深刻な表現、「感染が拡大していると思われる」に引き上げました。

その判断の背景には、13日までの1週間の平均で、新たな感染の確認が168.4人で、前の週のおよそ1.5倍に増えたこと。そして、感染経路がわからない患者が、前の週の2倍近くの77.3人に増えたことがあります。
専門家は、これまで多かった「接待を伴う飲食店だけでなく、介護施設や幼稚園などの施設や、同居する家庭や職場など感染が多岐にわたっている」と指摘。経路不明の患者が週に2倍となるペースが4週間続くと、その数は1日当たり1200人とおよそ16倍になるとしています。

小池知事は会議のなかで、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づいて、都民と事業者に対し、感染防止に向けた協力を要請しました。

15日午後4時すぎ、東京都は対策本部会議を開き、今後の対応を協議しました。

このなかで小池知事は、「積極的な検査の拡大による感染拡大の抑制と、都内共通の対策に加えて地域の実情を踏まえた重点的・ピンポイントの対策を行うこと。年齢層や業態に応じたきめの細かい対応の3つの方向で取り組みを展開していく」と述べました。
このあと開いた臨時の記者会見で、小池知事は「感染拡大警報」を発すべき状況だとしたうえで都民や事業者に対し、次のように呼びかけました。

小池知事
「ガイドラインに示されました、十分な感染防止対策が講じられていない店の利用は避けていただきたい。事業者の皆様にはガイドラインを遵守していただきたい。『感染防止徹底宣言ステッカー』、これを掲示していただきたい。自らを守り、感染しない、感染させない行動をおとりになるよう、よりいっそうの徹底をお願いを申し上げます」

市民の受け止めは

今回の東京都の対応について、街頭で市民に尋ねると、さまざまな反応が返ってきました。

「収まってほしいなと思っていますけど、ただ願っていただけじゃ何にもならない」

「経済的には厳しいかもしれませんが、これ以上広がるようだったら自粛もあったほうがいいのかなと思います」

「もう1回緊急事態宣言に踏み切るのは現実的に難しいんじゃないと思います」

「前の自粛期間の時と比べると、ダブルスタンダードで基準が変わってしまっているように感じます」

「何でもかんでも休業すればいいというわけではないということが、前回である程度にわかっていると思います。対策を打ちながら進めていくというのがいいと思います」

受け止めはさまざまですが、共通しているのは、100人を超える感染者が続く現状は心配だという声です。

医療現場からも懸念の声

東京都のホームページで公表されている入院患者の数をみると、緊急事態宣言が解除されてから減少傾向が続いていましたが、先月末からは増加に転じています。さらに今月10日からは緊急事態宣言の解除の時点を上回っています。

こうした現状をどう受け止めているのか、東京都医師会の尾崎治夫会長は次のように話しています。

東京都医師会 尾崎治夫会長
「このまま有効な対策をとれずにどんどん増えていきますと、第2波につながることになるんじゃないかと思います。今後、今のペースで増えていきますと、1000床では足りなくなる可能性があります。40代、50代に増えているということは、もっと高い年代の方に今後増えていく可能性がないといえませんから、施設を確保してどんどん増やしていく必要が絶対にあると思います」

私たちに何ができるのか

尾崎会長は、自身のフェイスブックに「第2波かもしれない現状に対して、東京都医師会長からのお願い」と題して投稿しています。この中に、ハッとさせられた呼びかけがありました。

尾崎会長のフェイスブックより
自分たちの行動が、周囲に拡がったら…。皆さんの想像力が試されています。

仕事の帰りに一杯。そこに、無症状で感染している人や、ちょっと具合は悪いけど我慢して、飲めば治っちゃうなんていう人がいたら、4日後には、あなたがうつす側に回るかもしれません。

[Not go toキャンペーン]
7月中の飲み会・会食は控えましょう。都内は勿論、都外でも。行くのであれば、ガイドラインを遵守したお店。しかも少人数で。

尾崎会長は「かなり混んでいるような飲食店に入り、そこでマスクを外す。お酒が入って気が大きくなって、どんどん唾液が飛び交うようなことをする。これがコロナ感染では一番問題だと思っていますので、そういうことだけは気を付けていただきたい」と話しています。

尾崎会長が強調しているのは、春に呼びかけた全面的な自粛ではなくて、今は飲み会や会食などでの飛沫感染防止に力を入れることです。 感染状況のレベルが引き上げられた今、経済を動かしながらも、自分が、うつす側に 回らないために何ができるのか。ひとりひとりの想像力。そして、対策があらためて大切になっています。

ページトップに戻る