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“街のシンボル”が復活 東京・国立

  • 2020年4月6日

東京・国立市で地元の人たちに愛されてきた“街のシンボル”が復活しました。
赤い三角屋根のデザインで長年、親しまれていたJR中央線・国立駅の旧駅舎。街の魅力を発信する拠点として再建され、6日、オープンしました。

国立駅の南口に新たに建てられた赤い三角屋根が特徴の建物。JR中央線・国立駅の旧駅舎を再建したものです。広さはおよそ200平方メートルあります。

旧駅舎は、大正15年(1926年)に完成。長年、地元の人々を見送り、そして出迎えてきました。
しかし、線路を高架にする工事に伴い 今から14年前の2006年に解体されました。解体の前には別れを惜しむ人たちが大勢、現場に集まりました。現場を訪れた女性は当時、「本当に思い出があったので、なくなってしまうのはさみしい」と話していました。

この駅舎解体をめぐっては、当時、市民の会が発足し、保存を求める署名活動が行われました。こうした動きのほか、全国からも解体を惜しむ多くの声が寄せられ、解体後もその声は続いていました。これを受けて、国立市は、開業当時の駅舎を再現し、街の魅力を発信する拠点として整備することにしました。
整備にあたっては以前の駅舎の材料を再利用。かかった費用は、3億7000万円余り。そのうちのおよそ1億8000万円はふるさと納税などで全国から集まった寄付金です。

半円形の窓で大正期の雰囲気を演出した広間には、当時の木製の改札や切符売り場の窓口が再現されています。このスペースは、イベントを開いたり、休憩や待ち合わせの場所として利用したりできます。旧駅舎の歴史を紹介する展示室や、観光案内所も設けられ、国立市は、街歩きの拠点としても活用してほしいとしています。

長年、親しまれた「赤い三角屋根」の再建に地元の店からは「地域のシンボルが戻ってきた」と歓迎する声が上がっています。

駅前の「大学通り」にある創業65年の老舗の洋菓子店もその一つです。この店では創業以来、包装紙に駅舎をデザインしたマドレーヌを販売しています。今回、店を見守ってくれた駅舎の再建にあわせて、駅舎をかたどったチョコレートやケーキなどを新たに売り出しました。

老舗洋菓子店「白十字」の会長、山井佳代子さんは「私自身、学生のころからあった駅がなくなったので悲しいと思っていました。駅舎が解体される時は大勢の人が悲しそうに写真を撮っていたことを覚えています。『国立といえば三角屋根の駅舎』というぐらいその存在は大きかったので、私が元気なうちにまた駅ができてうれしいです」と話していました。

開業に合わせて予定されていたイベントは新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため中止になりました。しかし、イベントなどを企画する国立市の菱沼秀行・旧国立駅舎チーフコーディネーターは「さまざまな世代の人が街の魅力や昔の思い出の話に花を咲かせ、交流できる空間にしていきたい」と話していました。

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