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ゆるキャラ「カパル」の憂うつ

ご当地キャラクターの 日本一を決める 「ゆるキャラグランプリ」で、 去年1位になった キャラクターを 覚えていますか? 埼玉県志木市の かっぱのキャラクター「カパル」です。 この「カパル」 いま、 ご当地キャラクターを狙った “ある被害”が 相次いでいることに、 戦々恐々としているんです。

さいたま放送局・古市駿

 

ゆるキャラブームをけん引するカパル

カパル」は、地元の民話に登場するカッパをモチーフにした埼玉県志木市のご当地キャラクター。自治体による組織的な投票が問題になった去年11月の「ゆるキャラグランプリ」で、人口7万余りの街で地道な活動を続けてきた「カパル」が1位になって話題になりましたよね。

あれから半年余りがたち、久しぶりに会った「カパル」は、今も絶大な人気を集めていました。6月29日深谷市で開かれた、全国のゆるキャラが参加したイベントでも、ひときわ大きな声援を受けていました。中には「カパルは人生のすべてです」と言う人までいました。

 

8月1日には「カパル」がデザインされたご当地ナンバーも登場。初日だけで45枚が交付され、人気ぶりが改めて示されました。

ところが、これが悩みの種なんです。

 

人気者はつらいよ…

実は、いま埼玉県内ではご当地キャラクターが描かれたナンバープレートの盗難が相次いでいるんです。その数はことし1月から5月までに172件。小型バイクのナンバーが盗まれる被害の77%を占めています。

 

被害にあった和光市の47歳の男性会社員に話を聞くことができました。男性が盗まれたのは、和光市のご当地キャラクター「わこうっち」が描かれたものでした。

職場に出勤するため小型バイクに乗ろうとしたところ、市が1200枚限定で交付したご当地ナンバーがなくなっていることに気付いたといいます。 周囲を見ると、ほかの小型バイクのご当地ナンバーも盗まれていました。男性は「なんでご当地ナンバーを盗んだのか不思議でした。妻も盗まれてショックを受けていました」と話していました。

 

ご当地ナンバーを狙った窃盗事件は、お隣の千葉県でも相次いでいます。

千葉県勝浦市で地元特産のカツオをモデルにしたイメージキャラクター、「勝浦カッピー」のナンバープレート。7月17日から30日にかけてあわせて100枚以上が盗まれました。ナンバープレートはバイクの後部に、ネジで留められていましたが、ドライバーで1つ1つ外して持ち去られたとみられています。

 

カパルも戦々恐々

8月から交付が始まった「カパル」のご当地ナンバープレート。グランプリを取っただけに、次に狙われるのは「カパル」かもしれません。いまの気持ちを聞こうと再び志木市を訪れました。「カパル」は話せないので、代わりに市役所の担当者に話を聞きました。

ご当地ナンバーを担当している志木市課税課の外立健一課長は、「カパルは盗難被害が相次いでいることに心を痛めています。被害が起きないよう願っています」と話していました。

 

目的は?対策は?

どうしてご当地ナンバーばかりが盗まれるのか。捜査を担当している警察に聞いてみました。車のナンバープレートの場合は、ほかの車に付け替えてほかの犯罪に悪用するために盗まれることが多いということです。

しかし、ゆるキャラがデザインされたナンバーは目立つので、別の目的、例えば、転売やコレクション目的の可能性があるとみています。ただ担当者も、「正直なところ、捕まえてみないとわからない」と話していました。

では、被害を防ぐにはどうすればいいのでしょうか。警察は、盗難防止用のネジの使用を呼びかけています。

ネジの穴に金属を埋め込んでドライバーで取り外せないようにすることで、盗難を防げるといいます。このネジは、専門店やインターネットなどで購入できるほか、ナンバーを渡す際に配布する自治体もあるということです。

ゆるキャラを悩ます謎の連続盗難事件。「カパル」の躍進をきっかけに始まった地域の盛り上がりに水を差しかねないため、一刻も早く解決してほしいと思います。

無事に解決したら、「カパル」はこうお礼を言うかもしれません。「ちょーありカパールっ!」。

 

 

さいたま放送局
古市 駿

埼玉県警担当