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絵本作家・かこさとしさん“最期のメッセージ”

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まちの未来
まちと人
首都圏ネットワーク
2018年11月9日

2018年5月、92歳で亡くなった絵本作家のかこさとしさん。だるまちゃんシリーズなどかわいらしいキャラクターが登場する作品や、科学をテーマにした絵本などを描いてきた第一人者です。このほど、かこさんが亡くなる直前まで手がけていた絵本が完成し、出版されました。絵本に込められた子どもたちへの最期のメッセージを見つめました。

■亡くなる直前まで絵本を手がける

11月に開かれた絵本のおはなし会。出版されたばかりの絵本『みずとはなんじゃ?』が紹介されました。

『みずは まるで にんじゃのように すがたを けして みえなくなったり』。

身近にある水の性質をわかりやすく説明する『みずとはなんじゃ?』。さまざまな生き物が暮らす海や川の大切さを訴えています。

おはなし会に来ていた女の子に「何のお話だったかな?」と尋ねると、女の子は「水!、なんかすごかった」と話していました。また、親子で絵本をながめていた母親が「きょう出たばかりの本だって。読みたくてしょうがないね」と話しかけると、女の子は「楽しかった」と応じていました。

■600冊の絵本 "自分で考える力を"

作者は、絵本作家のかこさとしさん。600冊余りの絵本を描いてきました。

時には、東日本大震災の被災地や、戦争の記憶が色濃く残る沖縄も舞台にしました。その創作活動の原点は戦争体験にあったといいます。

戦時中、軍人を志していたかこさん。19歳で終戦を迎え、戦争を肯定していた大人たちが態度を一変させた姿に幻滅します。軍人に憧れた自分自身にも強い責任を感じました。

自らの苦い経験から、未来を担う子どもたちには自分で考える力を養ってほしいと、絵本を描き続けてきました。

2017年11月のインタビューで、かこさんは「僕自身も軍人になろうとしたんだから、その償いをね。そういうものに染まっていない子どもさんに、なんとか自分の考えできちっと賢い、世の中を判断できる、そういう力を持ってもらいたい」と思いを語っていました。

3年前から構想していたのが『みずとはなんじゃ?』です。なくてはならない「水」に興味を持ってもらい、自然の力や命の大切さを伝えたいと考えていました。しかし、視力が低下し体調も悪化する中、絵を描く力はもう残されていませんでした。

■「みず」にこめた思いを受け継ぎ 絵本を完成

絵本作家の鈴木まもるさんです。かこさんは、その作風から信頼を寄せていた鈴木さんに、自身が描いた下絵と原稿を託すことにしたのです。

「こんなお願いで申し訳ないんですけれど、ひとつよろしくお願いします」

それからおよそ1か月後、かこさんは亡くなりました。

かこさんの思いと向き合い続けた鈴木さん。細かく緻密な描写を受け継いで絵本を描き上げました。

鈴木さんがかこさんの自宅を訪れました。

「先生、できましたよ」

寝たきりの状態になっても、最期まで絵本のチェックをしていたかこさん。その遺影に本を手向けながら、完成を報告しました。

鈴木さんは「かこ先生に一番見せに来たかったし、見ていただきたかったし、喜んでいただければという一心で描いていたので、こういう形でできたことで、先生の気持ちがいろいろな所のお子さんたちに伝われば」と話していました。

最後のページ。鈴木さんは、かこさんから託された思いを込めました。

海辺に集まる魚や動物など、ありとあらゆる生き物たち。その真ん中には、下絵にはなかったかこさんの姿がありました。

『ちきゅうの いきものの ひとりとして、うみや かわを よごさないようにしましょう』
『せっかくの みずの ちからを まもり、いきもの みんなが いきてゆけるよう つとめましょう』

身近な水の物語から、かこさんが子どもたちに伝えたかった最期のメッセージ。それは、すべての生き物が共に生きる、平和な世界への願いだったのかもしれません。

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