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年を重ねても 充実した生活を ~成人期のダウン症~

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まちの未来
ともに生きる
首都圏ネットワーク
群馬
2018年3月29日

3月21日は国連が定めた「世界ダウン症の日」です。ダウン症のある人と家族などでつくる日本ダウン症協会は毎年ポスターを作っていますが、2018年は、モデル全員が「40歳以上」です。かつてダウン症のある人は成人する前に亡くなってしまうことが多いといわれていました。医療技術の進歩で現在では長い人生を送れるようになった一方で、本人や家族は新たな課題に直面しています。《迫口桜子ディレクター》

■課題のひとつは社会生活でのストレス耐性

群馬県桐生市に住む赤石珠実さん32歳です。ダウン症のため筋肉の力が弱く、知的障害があります。障害のある人たちが働くパン工房で週に5日、パンの袋詰めとレジ打ちの仕事をしています。

珠実さんは両親と成人した弟の4人で暮らしています。母親の嘉苗さんです。
生後2か月でダウン症と判明。そのあと心臓に穴があいているのが見つかり、手術を受けました。しかし幼児期以降は大きな病気もなく、特別支援学校を卒業して働き始めました。ダウン症のある人は、珠実さんのように心臓などに病気のあることが多く、かつては短命の人が少なくありませんでした。合併症の早期発見と治療が可能になってきたため、多くの人が成人し健康に暮らせるようになっています。しかし、課題もあります。ダウン症のある人は状況に対応して行動することが苦手な人が少なくありません。社会に出て人間関係が複雑になる中、ストレスを感じてしまうのです。

専門家は、こうした環境の変化に対応できるようサポートしていくことが重要だと指摘しています。

「環境の変化になんとなく変化が起きているんじゃなくて、これはこうだっていうふうに理解して処理できますよね。ストレス耐性を高めるということに役立つと思いますね」

■ ポイントは“考える”習慣づけ

母親の嘉苗さんは、社会の中で充実した人生を送れるよう、珠実さんが子どもの頃からさまざまな工夫を重ねてきました。

家族の帰りが遅い時は、ひとりで夕食を食べられるようにしたり、掃除や洗濯などの家事もなるべく分担したりするなど、身の回りのことは自分でできるように習慣づけてきました。

職場に通い始めて13年になる珠実さん。今も、いつもと少し違うことが起こると混乱してしまいます。
「金額、お金を言う前からお客さんから言ってくるとか。焦らせること言われるとこっちも慌ただしくなっちゃって、おかしな動きが出ちゃうんです」

嘉苗さんは、珠実さんとの会話の中でこうしたエピソードを引き出し、どう対処すればよかったのか自分で考えさせることにしています。この日はレジでのやりとりについて話し合いました。

嘉苗さん「何か大変なことなかった?」
珠実さん「手渡しの人とかいろんな人がいたからちょっと嫌だった」
嘉苗さん「手渡し?何手渡ししたの?」
珠実さん「お金」
嘉苗さん「本当はどういうのが良かったの?」
珠実さん「受け皿の上」

ふだん、代金は受け皿に出してもらっていましたが、この日は直接手渡され、戸惑ってしまったことがわかりました。

嘉苗さん「お客さんは直接渡したかったんだと思うよ」

人によってお金の渡し方が違うことや、わからない時は工房の職員に相談することを丁寧に教えていきます。

珠実さん「難しいですね」
嘉苗さん「頑張る甲斐がありますね」

56歳になる嘉苗さんは、将来、そばにいられなくなっても、珠実さんに自分らしく生きてほしいと願っています。

嘉苗さん「感覚や受け取り方も全然違う。自分で消化しきれない時に誰に相談すれば良いのかを身につけていくと、うまく今後も生活できるのではないか」

■自立して充実した人生を送れるように

地元でダウン症の子どもがいる親のために相談員として活動している嘉苗さんは、珠実さんと同じように、考える習慣を身につけさせたいと、自分たちの経験を伝えています。子育て教室に参加したダウン症児の母親は「ただ生活するんじゃなくて、内面的に充実した生活を送ってほしい」と話していました。

嘉苗さん「どんなことが分かって、本当はこんなことはわからなくて動けないでいるとか。その方の力をうまく使って、その方が分かる生活につなげてあげる。障害があっても可能性がある方たちだと思っています」

社会の中で、できるだけ自立して生活できるようにしたい。
親子ともに年を重ねるダウン症の家族の願いです。

ダウン症のある人と家族などでつくる日本ダウン症協会は、珠実さんのように成人したあとの社会生活の充実をめざして2017年11月「成人期ダウン症研究会」を発足させ、課題を研究しているということです。

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