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“鉄道大混雑”を緩和せよ 2020東京大会への対策は

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五輪・パラ
会場・設備
首都圏ネットワーク
東京
2018年4月12日

2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは、ふだんから多くの人が利用する首都圏の鉄道に多くの観客が加わることで、きわめて激しい混雑が予想されるため、鉄道会社などが緩和策の検討を始めています。

■大会期間中の深刻な影響を専門家が指摘

通勤・通学などで1日800万人が利用する首都圏の鉄道。オリンピック期間中は、さらに1日当たり70万人の観客が加わるとされ、混雑に拍車がかかるとみられています。率にして10%程度の増加ですが、それでも深刻な影響をもたらすと指摘する研究者がいます。

交通ネットワークが専門の中央大学の田口東教授は、期間中の混雑を独自にシミュレーションしました。

画面の中に示される線が、電車一本一本の動きを表しています。赤で示したのが、混雑率200%を超える電車です。朝の通勤・通学と観客の移動が重なった場合、混雑率200%を超える電車は、ふだんの1.5倍に増えます。

こちらの画像は駅の混雑のシミュレーションです。10以上の路線が乗り入れるターミナル駅の新宿駅では、利用者が最大で20%程度増える結果となりました。

ふだんから混雑している駅でのさらなる利用者の増加。そこで、日本語や乗り換えに不慣れで、大きな荷物を抱えた人たちが立ち止まってしまうと、最悪の場合、電車がストップするほどの混乱が生じかねないといいます。

田口教授は「現状は混雑に慣れた人たちが整然と駅を使っていて、ぎりぎりのところで、渋滞が起きない寸前で動いている。そこに少し不慣れな方が来ると、それがトリガー(引き金)になって流れが止まってしまう。ホームに人があふれる、駅に入れない、電車に乗れない、そうなると電車が動かないということまで考えられます」と指摘します。

■鉄道会社は荷物をホテルに届けるサービスを開始

対策として鉄道会社がまず着目したのは、空港に到着した人の大きな荷物です。羽田空港と東京都心を結ぶ京急電鉄では、外国人旅行者の荷物を預かりホテルに届けることで、車内の混雑を緩和しようという新たなサービスを始めました。

駅で手荷物を預かりその日のうちに車でホテルに送り届けます。去年8月から始めたこのサービスは、旅行者の利便性だけでなく、鉄道会社にとっても車内の混雑緩和につながるメリットがあります。

香港からの旅行者は「いろいろ買い物したいので便利ですね」と話していました。

さらに、日本語がわからず迷って立ち止まる人たちを減らすための対策も考えられています。外国人旅行者のことばを、タブレット端末の自動音声が「新宿に行きたい」と翻訳し、駅の係員が「品川方面の電車に乗ってください」と日本語で話しかけると、中国語に翻訳されて音声化されます。独自に開発した英語、中国語、韓国語に対応する自動翻訳アプリです。4月に試験的に導入しました。7月にはおよそ70のすべての駅に導入し、スムーズな誘導で混雑緩和を図ります。

京急電鉄グループ戦略室の金子早苗さんは「手ぶら観光サービスの普及や、翻訳アプリの活用などを通して、駅構内や列車内の混雑緩和につなげ、お客様の利便性と安全性向上を図ります」と話しています。

■乗換アプリでは「混雑予報」の提供も

一方、乗換アプリを提供する会社もサービスを強化しています。その一つが「天気予報」ならぬ「混雑予報」。ふだん使っている駅が、いつ、どのくらい混雑するのかを教えてくれます。

アプリを提供する会社の森雄大部長は「アイドルのコンサートが行われるんですが、15時のところと21時のところが赤くなっています。この赤いのは、通常の3倍の混雑が予測されます」と表示の内容を説明します。

大きなイベントが近づくと、特定の駅の検索数が急激に増えます。こうしたデータをリアルタイムで集計すると、駅の混雑度合いがわかるという仕組みです。このほか、全員に同じ経路を案内するのではなく、一定の割合で異なる経路を案内して混雑の緩和につなげることも検討しています。

森部長は「われわれのせいで混雑が起こらないように分散してあげるという形で、経路探索を軸に、お客様の快適な移動ができればと考えています」と話しています。

田口教授は、こうした取り組みは混雑緩和に一定の効果があるとしたうえで、抜本的な解決のためには企業が通勤時間をずらすなどの取り組みが欠かせないと指摘しています。

「路線を増やすとか、駅を増やすとか、非常に大きなお金をかければ混雑解消ができるかもしれないが、オリンピックのためだけというのでは、あまり効率的と思いません。通勤時間帯をずらす、もしくは通勤日をずらして、通常のピークを外すというのが、いちばんよい方策ではないかと思います」

鉄道や道路の混雑緩和策は、大会の組織委員会や東京都も検討していて、今後、鉄道会社などとも連携してさらに具体的な対策を進めていくことにしています。

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