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校則は誰のため? 生徒が見直しに参加

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まちの未来
ともに生きる
首都圏ネットワーク
2018年2月1日

憲法は暮らしのさまざまなルールの大元であり、私たちの権利も支えています。その憲法について、身近な問題から考えます。今回は学校の校則です。

校則は学校の中で生徒たちが守るべきルールです。しかし、東京のNPOが調べたところ「男子全員丸刈り」、「下着は白。確認もされる」など、生徒の基本的人権を侵すおそれがある“ブラック校則”の存在も明らかになりました。

校則は“誰のための”ものか。取材から見えたのはその決め方の大切さでした。《斉藤隆行記者》

■校則の見直しなどに生徒が参加する取り組み

高知県東部の奈半利中学校です。

「靴の色は黒もいかんが? 紺もいかんが?」
「汚れるからって、どのみち靴は汚れるやん」

生徒たちが話し合っているのは靴の色。

この学校は、校則の見直しなどに生徒が参加するユニークな取り組みを20年前から続けています。これまでに生徒からの要求で多くの校則が見直されました。

靴は原則、何色でもOK。コートやパーカーなどの着用も自由です。

一方、教師からの要求をきっかけに作られたルールもあります。

中学1年の女子生徒。午後8時になると、スマートフォンを専用のケースにしまいました。その名も“スマホ布団”。そして、親に手渡します。ルールで「スマートフォンの使用は午後9時まで」になったからです。

■校則の在り方を問いただした裁判

多くの学校で、校則は今も“与えられる”ものです。その在り方を問いただした裁判がかつて熊本県でありました。

「男子生徒は丸刈り」と定めた中学校の校則は基本的人権を保障する憲法に違反すると、生徒と保護者が訴えたのです。判決では「校則は憲法違反ではない」とされた一方、「丸刈りに教育上の効果があるか、疑問の余地がある」と指摘されました。

原告の代理人だった津留雅昭弁護士が訴えたのは、校則が学校からの押しつけであってはならないということでした。津留弁護士は「校則自体を基本的に否定することはまずできない。どういう校則を、どういう目的で、誰がどう作るのか。学校が締め付ける、抑えつけるためのルールでしかなかったから反発が出てくるわけです」と指摘します。

■生徒・教職員・保護者の三者で話し合い

生徒たちがルール作りに参加する奈半利中学校。その中心が毎年2月に開かれる「三者会」と呼ばれる集会です。生徒と教職員、そして保護者の三者で、校則や学校の運営についてタブーなしで話し合います。ここで決めたことは三者とも守らなければなりません。

この日、生徒たちがことしの三者会に向けて話し合いを始めていました。実は、教師たちから「靴の色を白を基調にしてはどうか」という要求があったからです。

「白のほうが見栄えがいい」と発言する生徒。
「3班は賛成で、登校時だけ白を基準にして…」と発表します。

先輩たちが三者会を通じて勝ち取った自由な靴の色。しかし、生徒たちからは教師たちの要求に「賛成」する意見が相次ぎました。

安易に結論を出そうとした生徒たちに、思わず担任の先生が「実際、賛成意見が多かったけど、今履いてきている靴はそれに沿ってないよね。これが通ったら、みんな買い替えるか? お金が要るで? そのことも考えないといかん」とアドバイスします。

改めて議論し直した生徒たち。

「すぐに替えるのはお金が要ることなので、次買い替える時に白を基調にして靴を買ったほうがいいと思います」

「白を基調」とすることには賛成したものの、「買い替えの時期を考慮する」という意見でまとまりました。

担任の谷井慎二教諭は「これを機会に、自分で場に応じた色合いというか“学校行事の時は”とか“入試の時は”とか。校則を今狭めるというよりも、再度考え直すという作業に、本当はしていきたいという思いはあります」と話しています。

■裁判を争った弁護士、ルール作りに参加する意義を強調

かつて校則の裁判を争った津留弁護士。ルール作りに参加する意義を強調します。

「地域とか学校とかで暮らす中で出来てくるルールについて、その当事者たちが参加できていない、参加しない、関心を持たない。これが一番基本的な問題なんでしょうね。ルールは本来的に自分たちで作らないといかん。上からのものじゃないはずなんですよ」

■戦後当時の文部省も生徒が合意形成に加わる重要性を指摘

取材にあたった社会部の斉藤隆行記者は次のように話しています。

(斉藤隆行記者)
校則の見直しに生徒たち自身が加わることについて、進んだ取り組みだと感じる人も多いと思います。ただ戦後、当時の文部省が『学校の管理は校長や教師、生徒などの協力によってなされるべき』という指針を示していました。生徒たちが合意形成に加わる重要性を指摘していたのです。

このことは、国会で始まった憲法をめぐる議論でも同じことがいえると思います。憲法が誰のものかを考えた時に、私たち国民のものである憲法について、私たちが考えて、しっかりと議論する。その重要性を今回の取材を通して改めて感じました。

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