MIRAIMAGINE

Menuメニュー
Clip

メニューを開きます

MIRAIMAGINE

Menuメニュー
Clip

メニューを開きます

リニアまで10年 建設工事と向き合う町

クリップ
ページを保存しました。画面右上から保存したページを一覧でみれます。
まちの未来
地域の選択
Newsかいドキ
山梨
2017年12月13日

東京・名古屋間を結ぶリニア中央新幹線の開業まで10年、現状や課題をお伝えします。今回は、山梨県早川町で進むトンネル工事をめぐる課題について考えます。

早川町では山梨・静岡・長野の3県にまたがる全長25キロメートルの南アルプストンネルのほか、巨摩山地を貫く第四南巨摩トンネルの工事が進められています。工事車両が頻繁に行き交う町で、町民たちは建設工事とどう向き合おうとしているのか取材しました。《岡崎佐和子記者》

■1日200台のダンプカーが行き交う

大きな音をたてて行き交うダンプカー。町で唯一の幹線道路を1日およそ200台が走ります。

町民「ほんとに車多くなった。音もひどいですね。以前よりぜんぜん違う」

町民「気を付けていないと、車に飛ばされちゃう。しょっちゅうあっち見たりこっち見たりしなきゃ、向こうに渡るのに」

■老舗の温泉旅館、観光への影響を懸念

1000人あまりが暮らす早川町。日本一、人口が少ない町として知られています。

自然に囲まれた静かな山あいの町はリニア中央新幹線の巨大プロジェクトによって様変わりしました。

2016年の秋に本格的に始まった南アルプスを貫くトンネル工事。全長25キロのトンネルの完成は8年後で、その間、大量の土砂を積んだダンプカーがひっきりなしに町なかを走ることになるのです。このままでは町の観光に影響が出るのではないか。懸念の声が出始めています。

老舗の温泉旅館を営む天野清次さんです。最近、客の反応が変わってきたといいます。

旅館に到着した客がダンプカーの数に驚きの声をあげるというのです。

天野さん
「お客さんがいらっしゃって、『ダンプがすごかった』と自然に口づたいに広がっていくと、もうあそこは怖いよという風評が出てきてしまって、安全で通れるようになってからという人もいるかと思います」

■自治体は “千載一遇のチャンス”と期待

一方、寂れた町をリニアが変えてくれるという期待の声もあります。

10期連続で当選し、40年近く町のかじ取りを担ってきた辻一幸町長です。町の発展に向けてこんなチャンスはこれまでなかったと話します。

辻一幸町長
「静かだけじゃやっていけない、町は寂れるばかり。この工事は町を活性化していくための千載一遇のチャンスです。世界が注目しているリニア、それが通過する町なんだから、大きな資源。それをまちづくりの題材にしていくのは、当然のことだと」

■土砂受け入れの処理費用を活用し公共事業に

リニアの工事では、JR東海から土砂を受け入れる地元の自治体に多額の処理費用が支払われます。

早川町のトンネル工事で出る土砂の量はおよそ326万立方メートル。東京ドーム、2.6個分になります。その土砂と処理費用を活用して、町内では公共事業が進められています。

そのひとつが農産物直売所の建設です。土地の盛り土に10万立方メートルの土砂が使われ、整備費にはJRから支払われる3億8000万円があてられます。

早川町奈良田地区です。この道の先には、町の悲願だった南アルプス市にぬける連絡道路がつくられる予定です。

県の中心部に通じる全長4キロの県道。大雪や大雨で孤立することがあった町が、県に要望し続けてきた道路です。工事には、120万立方メートルの土砂が使われ、JRからは処理費用としておよそ67億円が支払われる見通しです。

■町民の意見をまとめ、JRに要望を提出へ

こうした恩恵と観光面の懸念をどうとらえるか。町は12月に、町内の事業所を対象にアンケート調査に乗り出しました。

客が減るなどの影響が出ていないか。工事車両の通行に関して客から不満の声が寄せられていないか。将来に禍根を残さないために町民の意見をまとめJRに要望として伝えようというのです。

宮本高広さん(早川町総務課)
「いわゆるマイナスの影響があれば、プラスの影響もあるかもしれませんし。町の事業者がこういうふうに考えていますよということはお伝えして、JRと協議を進めていきたいと思っています」

夢の超特急、リニア中央新幹線が地域に何をもたらすのか。先駆けて建設工事が進む町が、今後も向き合い続ける課題です。

■JRは交通誘導員の配置や粉じん防止対策を実施

町は、今回のアンケートについて年明けにとりまとめJRへの要望事項を固めていきたいとしています。一方、JR東海は工事車両の通行にあたって、幹線道路の数か所に交通誘導員を配置して事故防止に努めるとともに、車をこまめに洗浄して粉じんを出さないよう配慮するとしています。ただ、工事がピークを迎える2020年度と2021年度には、現在の2倍以上の1日465台のダンプカーが町内を走ることになります。

リニア中央新幹線の建設工事をめぐっては、大手ゼネコンが偽計業務妨害の疑いで捜索を受けた事件がどう影響するのかまだわかりませんが、これから建設工事が始まる地域にとっても向き合うことになる問題だけに、町民と町、そしてJR東海が課題を共有し、納得して工事を進めていくことが重要になります。

しんげん君甲府放送局ホームページ別ウィンドウで開く

関連のページ

首都圏NEWS WEB 関連記事

人気のページ

Twitter公式アカウントで更新情報をチェック

@nhk_shutoken

別ウィンドウで開く

※NHKサイトを離れます