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リニアまで10年 求められる地域づくり

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まちの未来
地域の選択
Newsかいドキ
山梨
2017年5月24日

左から、都築孝明記者、岩野吉樹アナウンサー、田中友栄キャスター

(岩野吉樹アナウンサー)
東京・名古屋間を結ぶリニア中央新幹線の開業まで10年、現状や課題をお伝えします。
今回は、リニアの開業で山梨県にどのような地域づくりが求められるのか考えます。

■最大の効果は大都市との「時間距離」の短縮

(田中友栄キャスター)
取材している都築記者とともにお伝えします。
リニア中央新幹線の開業で山梨県を取り巻く環境が大きく変わるといわれていますが、具体的にどんな変化が予想されるのでしょうか?

(都築孝明記者)
リニア中央新幹線がもたらす最も大きな効果は、何といっても大都市との「時間距離」の短縮です。

東京・品川から名古屋までの286キロの区間には、神奈川県の相模原市・甲府市・長野県飯田市・岐阜県中津川市に中間駅が設けられ、甲府から東京品川まで25分、甲府から名古屋までは40分で結ばれます。
現在、甲府と東京新宿との間が、JR中央線を利用した場合は1時間半程度ですので、およそ3分の1に短縮されます。

(田中キャスター)
1日にどれくらいの方が、山梨県の駅で乗り降りすると予想されているのでしょうか?

(都築記者)
JR東海によりますと、計画では車両は16両編成で、座席数は新幹線の16両編成の「のぞみ」より300席あまり少ないおよそ1000席と想定されています。

あくまでも県の試算ですが、甲府市の駅に停車するのは1時間に1本程度とみられ、県は1日およそ1万2300人が甲府市の駅に乗り降りすると推計しています。
JR中央線の利用者がリニアを利用するケースや、リニアの開業で県外から観光で山梨を訪れるケースなどが考えられるということです。

■試算では世帯当たりの経済効果は山梨県が最多

(岩野アナウンサー)
実際にこれだけの方がリニアを使って行き来するようになれば、人やモノの流れが大きく変わって、地域経済に効果をもたらす可能性も増えそうですね。

(都築記者)
経済効果の試算を行っているシンクタンクを取材しました。

リニア中央新幹線の沿線の経済効果を調べている三菱UFJリサーチ&コンサルティングの加藤義人主席研究員です。

加藤さんは、「移動時間が短縮」され利便性が高まることで、「企業の利益の増加」や「所得増加」、それに「消費拡大」など新たな経済の好循環につながると分析して、こうした効果を積み重ねたものを「経済効果」として算出しています。

それによりますと東京品川・名古屋間の開業後、50年間で試算される経済効果は日本全体で10兆7000億円にのぼるということです。

こちらは、年間の経済効果を都道府県ごとに試算したグラフです。
経済効果は産業や経済の集積が進むほど大きくなります。東京都が1190億円と最も多く、愛知県が300億円となっています。
一方、山梨県は122億円と金額自体多くはありません。

しかし1世帯当たりに換算すると、比較的人口が少ない山梨県は3万9000円。東京や隣の長野県を抜いて全国で最も多くなります。山梨県が受け取るメリットは決して小さくないのです。

加藤義人主席研究員(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)
「これは山梨県民の方が便利になる実感の大きさを示しているものですので、皆さんにとってはとても便利になったということが実感できる時代がやってくると思います。リニアが開業した後、甲府から1時間で行ける範囲の人口は600万人を超えます。(甲府から)2時間で行ける範囲の人口は4000万人を超えます。従って山梨県は2時間圏の背後に4000万人の人口規模を要している活動の舞台だという見方もできるようになるので、今までの考え方・発想と全く違う立地戦略を講じることが可能になるのではないかと思います」

■地域のブランド戦略をどう打ち立てるかが重要

リニアを活用した移動時間を色別で表した地図です。
甲府市の駅を起点に、鉄道や道路を使って1時間で移動できる地域は濃い赤で、2時間で移動できる地域は薄い赤で示されています。
2時間圏は、東は千葉県の房総半島から西は京都府の一部まで含まれます。
加藤さんによりますと、2時間で移動できる地域の人口は4600万人あまりにのぼるということです。

加藤主席研究員
「日本の国土は、すべてのものが首都圏に集中している。ところがリニアが走り始めると、必ずしも首都圏が最大ではなくなる可能性があります。そのときに山梨県もわかりやすくどう売るか、つまりブランド戦略をどう打ち立てるかがすごく重要だと思います」

■大都市圏に吸い上げられる「ストロー現象」の懸念

(田中キャスター)
山梨県でブランド戦略というと、富士山や南アルプスなどを代表とする自然がまずあげられますが、こうしたところをアピールして移住促進などを進めるチャンスだともいえますよね。

(都築記者)
時間距離が短くなったことで、たとえば県内に住みながら大都市の企業に通勤することがより現実的になりますし、遠方からも県内に観光客が来やすくなると思います。
このほか週何日かは首都圏で、そのほかの時間は山梨で、といったライフスタイルの転換も可能になると思います。

しかし、チャンスだけではないんです。人やモノが大都市圏に吸い上げられてしまう「ストロー現象」も懸念されます。
「ストロー現象」は、都市の規模と時間距離が大きく関係して起きるとされています。

都市の規模の差が大きいほど、そして時間距離が短いほど、消費やビジネスなどが大都市に引き寄せられていきます。山梨県の場合、東京や名古屋という大都市に近くなりますから「ストロー現象」が起きやすいのです。

加藤さんは、リニア開業後に山梨県が「ブランド価値を高めること」と「ストロー現象を食い止めること」、この2つの課題に向き合うことを否応なく迫られると指摘します。

加藤主席研究員
「営業所や支店などを山梨県におかなくても、品川から十分に間に合うということが起きてしまうかもしれません。あるいは百貨店のようなもの、拠点的な商業機能も甲府の人にとってはすぐ品川に行ける状況になるので、必ずしも甲府におかなくてもいいということになるかもしれません。その代わり、甲府は品川と比べてすごくゆとりがあって立地コストが安いですから、そのことをうまく活用した甲府ならではの立地戦略を描いていく必要があると思います」

(田中キャスター)
土地が安いということから、個人の事務所やコールセンターのような事業所を誘致できる可能性もあるということですね。

■舵取り役となる県の取り組みが重要に

(岩野アナウンサー)
どうやってチャンスを生かすか、県の舵取りが重要になると思いますが、県はどのように取り組んでいるのでしょうか?

(都築記者)
県の施策の舵取りを担うリニア環境未来都市推進室の石寺淳一室長に話を聞きました。

石寺淳一室長(山梨県リニア環境未来都市推進室)
「リニア環境未来都市のことと、リニアの開業効果を全県に波及させる使命があります。昔の中央線、鉄道の開通、昭和57年の中央道(全線)開通に匹敵する、それよりも大きいような可能性があると思っています。わずか10年しかないので、一生懸命取り組んでいきたいと考えています」

(都築記者)
開業まで10年という中で、県はメリットやデメリットをしっかりと県民に示し、戦略についても情報を発信していくことが必要だと感じます。

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