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新潟県の人口減少 隣の県にも流出続く

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まちの未来
地域の選択
新潟ニュース610
新潟
2017年4月27日

人口が減り続けている新潟県。
県内では今、何が起こっているのか、その原因は何なのかを、お伝えします。
今回は、人口減少の原因の一端に迫ります。

これは、「RESAS(リーサス)」と呼ばれる、内閣府が提供している、地方自治体のさまざまなビッグデータを集めて可視化するシステムです。
新潟県から転出した人の行き先を示したものです。

そしてこのグラフは、新潟県から転出した人数が多い都道府県を示したものです。
中でも上位10位までの都道府県を見てみますと、東京・埼玉・神奈川・千葉といった首都圏が上位4位を占め、あわせておよそ55%と半数以上となっています。
一方で、5位の長野、6位の群馬、7位の福島、それに10位の富山と、いずれも新潟県と隣り合う4つの県が上位10位までに入っていて、あわせておよそ14%となっています。

そして福島県を除いて、入ってくる人よりも出て行く人の方が多くなっているのです。
首都圏だけではなく、新潟県と隣り合う県にも出て行く人が多いのはなぜなのか。ある地区の事例を通して考えます。

■人口400人の地区、20年で250人減少

新潟県と富山県の県境に位置する、糸魚川市の市振地区です。

現在の人口は400人あまり。この20年で250人以上減りました。
さらに、集落の2割以上が空き家となっています。

市振地区に生まれ育った扇山大輔さんです。
かつては13人いた同級生も地区からいなくなり、今は扇山さん1人だけです。

扇山さん
「ここも4軒空き家になっていますし、4軒続けて今おられないですね」

扇山さん
「やっぱり夜、明かりがともってないのは、かなり寂しいですし、やっぱり不安な面はありますよね」

■移住した人の80%以上が隣の富山県に

人口減少対策が大きな課題となっている糸魚川市。
その中でも、人口の減少率が高い市振地区で何が起きているのか、平成28年に独自に聞き取り調査を行いました。

すると、平成13年以降に移住した市振地区の人のうち80%以上が、新潟県内や東京などではなく、隣の富山県に移住していたことがわかったのです。

その主な理由は、仕事や子育て、それに病院など、基本的な生活面での便利さでした。

市振地区から、富山県の市街地までは車で10分。
買い物や病院など糸魚川市の中心部に行くよりも近いのです。

また平均所得は、新潟県と富山県では年間30万円も違うことがわかりました。

齊藤喜代志 課長(糸魚川市役所 定住推進課)
「正直、額に差があるので結構びっくりしましたね。仕事を選ぶ上では、やはり所得が高いほうが選ばれるでしょうし、生活圏がそのまま移転先、転出先にもつながっていくのかなという感じは受けました」

■子どもの同級生が少なく、移住を決断

実際に富山県に移住した人を訪ねました。

市振地区で生まれ育った大西充展さんです。
大西さんは高校を卒業後、富山県にある大手メーカーに就職しました。
入社してから10年間、市振地区から通勤していましたが、長女が生まれた6年前に富山県への移住を決断しました。
同級生が1人しかいないことがわかったからです。

大西さん
「いろんな理由があるんですけど、子どもの同級生が少なかったというのが、結構な割合を占めまして。仕事は通いやすくなりましたね、15分くらいで行けちゃうので。その辺は便利になりました」

さらに、両親の病院の心配もありました。

大西さん
「やっぱり地元の方が良かったんですけど、お父さんお母さんがちょっと歳とったら、病院通いするのも大変になるので、仕事もこっちにありますし、苦渋の決断で移ってきました」

■地区で唯一の小学校が今年度で閉校に

人口が減り続ける中、去年(平成28年)、地区にさらなる追い打ちをかけるできごとがありました。

地区の唯一の小学校です。全校生徒は9人。この小学校が、平成29年度で閉校になることが決まったのです。地区の子どもたちは、平成30年4月以降、およそ15キロも離れた小学校に通わなくてはなりません。

■地区の消滅に危機感を抱く若い世代の模索

市振地区に住む扇山大輔さんです。

このままでは本当に地区が消滅してしまう。
扇山さんは、地区にまだ残っている若い人たちを中心に市振地区のこれからを話し合う「Meeting for Ichiburi’s Future」、略して「MIF」という団体を立ち上げました。
扇山さんたちは、若い世代や将来を担う子どもたちのために、どのように魅力ある地域にしていくか模索を続けています。

扇山さん
「イベントとかやれば、若い人も参加してくれるのかな」

メンバー
「1回来れば、次も来やすくなると思うので、その1回目の足をどうやって運んでもらうか」

扇山さん
「私たちがだいぶ歳をとって定年を迎えるころには、ほとんど人がいないんじゃないかという危機感は正直あります。自分たちで動かないと、どうしようもない状況になっています」

■地域のきずなを深めて人口流出に歯止めを

扇山さん「かんぱーい!」

4月に行われた、MIFが主催したお花見会です。
地区に縁のある人や、特に子どもを持つ親の世代の多くが集まってくれました。
扇山さんは、今後もこうしたイベントを定期的に開き、地域全体のきずなを深めて人の流出を防いでいきたいと考えています。

扇山さん
「本当はもっと前からやらなければいけなかった活動かなと思うんですけど、とりあえずやれるところまで精いっぱい、どこまでできるかはわからないですけれども、少しでも地元を好きになる子どもなり若者なりが増えていくようにしていければと思います」

■隣県へ人口流出する現状に自治体の対応は

左から、飯島徹郎アナウンサー、野呂晋一記者

(飯島徹郎アナウンサー)
取材にあたった野呂記者です。
東京などの首都圏に出て行ってしまうというのはわかるのですが、富山県など隣り合う県にも流れて行っているんですね。

(野呂晋一記者)
仕事場や、子どもの教育、買い物など生活する上で欠かせない具体的な理由があれば、東京などにだけではなく人口は流出してしまうということが改めて示されていると思います。

(飯島アナウンサー)
自治体は、こうした状況にどのように対処しようとしているのでしょうか。

(野呂記者)
県や市町村は、雇用を創出するために魅力ある企業を誘致する努力は続けていますが、簡単ではないのが現状です。
また、買い物の場や病院などを急に増やすというのも、現実的には難しいと思います。
こうした中、糸魚川市も扇山さんたちの活動には期待していて、補助金を出して支援しています。地道な活動ですが、地域の魅力を掘り起こし、人口流出の歯止めにつなげてほしいと思います。

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