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豪雨水害 水はこうしてあふれる

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防災減災
大雨・土砂災害
新潟ニュース610
茨城
新潟
2016年7月28日

災害への備えやメカニズムに焦点をあてたリポートをお伝えします。
今回は「豪雨水害」についてです。

新潟県では12年前・平成16年(2004年)の7月13日、そして5年前・平成23年(2011年)の7月29日に、豪雨による大きな被害を受けました。
いずれの豪雨水害も、気象庁は「新潟・福島豪雨」と命名しています。

■新潟大学、関東・東北豪雨の詳細な分析に成功

こうした豪雨による水害に、どのように備えれば良いのか。
新潟大学の研究グループは、平成27年(2015年)9月の「関東・東北豪雨」で大きな被害が出た茨城県の状況の詳細な分析に成功しました。
河川が広がる新潟など、全国の河川防災にも役立つことが期待できるということです。

河川工学が専門で、新潟大学災害・復興科学研究所の安田浩保准教授らの研究グループです。

グループでは、開発した精密なコンピューターシミュレーションを使用。
平成27年(2015年)9月の関東・東北豪雨で堤防が決壊し、大きな被害が出た茨城県常総市の地形や鬼怒川の川底の起伏、それに川の水の速さや力などを半年以上かけて分析しました。

そのシミュレーションです。
午前7時ごろ、常総市若宮戸地区で川の水が堤防を越え、街に入り始めます。
まだ堤防は決壊していません。

水は地形に沿って、徐々に下流側に広がっていきます。
そして、午後1時前、堤防も決壊します。

その少しあと、離れた地点で水があふれ出しています。
鬼怒川からの水の一部が、小規模な川を伝って急激に速さを増し、突然の浸水を引き起こしていたのです。

水の“本体”が到達するよりも4時間ほど早く、距離にして数キロも離れていました。

安田浩保准教授(新潟大学 災害・復興科学研究所)
「川からあふれた水が、その下流に向かって到達する前に、数時間前には到達するという危険性を認識すべきということを教えていると思いますね」

■鬼怒川の水害の広がりを時間経過で初めて再現

また、あふれ出た水は家屋や道路などを押し流すほどの強い力で流れ、川から数百メートルから1キロメートルほど離れた一帯に広がっていたことも確認されました。

鬼怒川の水害の広がりを時間の経過にあわせて再現したシミュレーションは初めてで、全国の河川防災にも役立つことが期待できるということです。
分析にあたった安田准教授は、次のように警鐘を鳴らしています。

安田准教授
「一度水たまりに入ってしまうと、人力で逃げるのは難しいですし、実際にヘリコプターで4300人も助けられているということが、いかに一度水があふれると避難することが難しいかを示していると思いますね」

■五十嵐川の堤防決壊、他の河川も危険な状態に

記録的な豪雨となった平成23年(2011年)7月29日の「新潟・福島豪雨」から5年。

4人が死亡し、今も2人の行方が分からなくなっているこの水害。
新潟県内ではおよそ1万棟の住宅が全壊したり、水につかったりするなどの被害を受けました。

さらに、三条市を流れる五十嵐川では堤防が決壊し、流域の住宅や農地が水につかる被害が出ました。

実はこの時、五十嵐川だけではなく、他の河川も非常に危険な状態となっていました。

特に、信濃川でも過去最大の水量を記録し、氾濫危険水位を超えるなど、あふれ出す一歩手前だったのです。

■無数の水路、土地が低く水が抜けにくい新潟県

全国で有数の米どころの新潟県には、網の目のように水路がはりめぐらされています。
ひとたび水害が起これば、無数の水路をつたって急激な浸水が起こるおそれがあるのです。

さらに、茨城県より土地が低い新潟では、いったん水があふれると水が抜けにくいため長くとどまり、被害は長期化すると考えられています。

新潟の標高を色分けした地図です。
青に近いほど標高が低いことを表しています。

安田准教授
「川から水があふれた場合に、ずっと長い間、おそらく10日とか、長い間水がたまってしまう可能性を簡単に想像できますし、一人ひとりが長期間の水たまりに備えてどこに逃げるか、水があふれたときにどうするかを考えないといけない」

■洪水の被害は身近に、日ごろからの意識が大切

いつ想定を超える大雨が降ってもおかしくない中、安田准教授は常に警戒を怠ってはいけないと指摘します。

安田准教授
「常総市で起きた大規模な水害もそうですし、120年前に信濃川では平野全体が水没するほどの水害が起きています。それに対して最近は治水の設備が良くなり、身近に洪水や水があふれるということを感じなくなっていますが、越後平野が低いことや温暖化などを考えると、洪水の被害が身近にあるということを思い出してほしいと思います」

過去の災害からいかに学んで、次の災害に備えるか。
私たち自身が、日ごろから意識することが問われています。

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