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観光新興国ニッポン “おもてなし”人手不足 人材の確保は

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2016年2月12日

日本を訪れる外国人旅行者は、去年1900万人を突破。
ホテルや旅館、さらには「爆買い」でにぎわう小売業界では、人材の確保が難しいなか、試行錯誤を行っています。
なかには、外国人がもてなすケースも出てきています。

■温泉につかる猿を見ようと外国人観光客が殺到

温泉につかる猿。
長野県山ノ内町の冬の風物詩です。
この猿をひと目見ようと、今、外国人観光客が殺到しています。
「とてもかわいい。こんな猿は母国にはいないので興奮してます」と、うれしそうに話しています。

客の減少が悩みだった地元の湯田中渋温泉郷。
2、3年前から大勢の外国人観光客が押し寄せるようになりました。

どこから来たかを尋ねてみると、オーストラリアやスウェーデン、南アフリカなど、さまざまな国からという答えが返ってきました。

■人手不足を克服するアイディアは“一人二役”

本来はオフシーズンのこの旅館。
今は人手がいくらあっても足りません。
「忙しくやらせていただいてます」と、従業員も大変です。

限られた人数でどうやりくりするのか。
この旅館では一人二役をこなしてもらうことにしました。

日中、フロントで対応していた従業員。
夕方になると、仲居さんの格好で今度は夕食の準備に取りかかります。
時間帯によって求められる仕事が代わる、旅館だからできる一人二役。
従業員を増やしたくても、人手不足で集まらないなかで考えたアイディアです。

旅館「あぶらや燈千」の湯本孝之専務取締役は、「これからますます人材不足になっていきますので、ひとりひとりが多くの仕事ができることによって、少ない人数でもしっかりお客様にサービスを提供できる」と話していました。

■外国人が観光客のおもてなしをするケースも

日本人従業員が確保できないなか、おもてなしを外国人に任せるケースも出てきています。
箱根にある、全10部屋の旅館です。

台湾から訪れた家族を接客するのは、同じ台湾出身の張竣豪さん(24)です。
「つみれ鍋です。沸いたらまず野菜を入れてください。そしてつみれを、一口の大きさで入れてください」と、食べ方を中国語で説明します。

張さんは、ワーキングホリデーを活用し去年11月から住み込みで働いています。
台湾人観光客も「母国語でサービスが受けられるのは便利でいい」と、反応は上々です。

■一人何役もこなす貴重な戦力、しかし退職予定

レストランの接客だけではありません。
客室への案内はもちろん、布団敷きや掃除まで一人で何役もこなし、今や欠かせない戦力です。

しかし張さんは「私、日本語学科だったので、翻訳か事務職のアルバイトを探したい」と打ち明けます。
張さんは日本で翻訳の仕事を希望しているため、2月末で辞める予定なのです。
旅館は、張さんに代わる従業員を探していますが、まだ見つかっていません。

旅館「楽々花」の友和之マネージャーは「接客業の需要が高まってるみたいなので、見つかりにくくはなってきています。いろいろあたって早急に見つけたいと思ってるんですけど、正直ちょっと心配しています」と、不安を隠せません。

■長く働いてもらうため外国人を正社員採用

小売りの現場では、待遇がいい正社員として採用し、長く働いてもらおうというケースも出てきています。
化粧品メーカーが銀座に出している直営店です。
外国人店員4人のうち2人は、正社員です。

この企業、当初は通訳の位置づけで、契約社員として雇っていましたが、転職するケースが相次ぎました。

そこで、日本人と同じように研修も行い、店長などへの昇進も望める正社員にすることで、働きがいを感じてもらおうとしたのです。

台湾人従業員は「いろんなことが勉強になりますので、うれしいと思います。お客様にも役にたったらいいと思います」と話しています。

■外国人正社員の活用が思わぬ効果も生み出す

商品知識を身につけた外国人正社員の活用は、思わぬ効果も生み出しました。
この日訪れた中国人観光客。お目当ては、友人から勧められた化粧水でした。

こうした人気の連鎖で「爆買い」が起きると、売り上げは伸びますが、特定の商品だけがなくなってしまう弊害もあります。
「爆買い破壊」ともいえる現象です。

そこでこの店では、知識の豊富な正社員がほかの商品も勧めます。
組み合わせて使うと、一層効果的だということをアピールするのです。

結局この客は、お目当ての化粧水と店員が勧めたファンデーションを買いました。
外国人の正社員は「爆買い破壊」を防ぎ、商品をバランスよく売ることにも貢献しているのです。

中国人観光客は「話を聞いて詳しく分かった。買い物もとても楽しめました」と喜んでいました。

化粧品メーカー「ハーバー研究所」の藤井章夫常務取締役は、「販売をするだけじゃない、いろんな工夫をしてくれることで、お客様に『おもてなし』をしてくれている努力をみると、やっぱりなくてはならないスタッフの一員」と、その効果を強調していました。

■深刻な人手不足、外国人従業員は欠かせない存在に

取材に当たった玉木香代子記者は、次のように話しています。

「『爆買い破壊』も防ぐ役割を、外国人の従業員が担ってることに、私も取材を通して驚きました。と同時に、かつて日本人観光客も海外で、こうした現象を引き起こしたと聞きました。

ただ、現在の人手不足は、これまでにないほど深刻です。企業にとっては、外国人従業員はもはや欠かせない存在です。

外国人従業員の場合、明確なキャリアのステップアップを望むケースが多いなど、考え方が日本人とは異なります。応対する観光客も、同じ職場で働く同僚も日本人だけと考えてきたこれまでの感覚を見直さなければいけない時期に来ていると感じました」。

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