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雨水活用で災害に備える

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防災減災
避難・備蓄
ひるまえほっと
東京
2015年9月2日

■「雨水利用推進法」で雨水活用に注目集まる

(山本哲也アナウンサー)
今回は、雨水を有効活用しようという話なんですね?

(松尾衣里子リポーター)
そうなんです。雨の話題なんですが、雨を水資源として積極的に活用するため、「雨水利用推進法」という法律が去年できたんですね。改めて雨水活用に注目が集まっているんですが、ふだんわたしたちがどれくらいの水を1日に使っていると思いますか?

(山本アナウンサー)
2リットル飲もうと思っても、けっこう飲むだけあるんですよ。

(松尾リポーター)
そうですね、飲み水はまあそのくらいかと思うんですが、3リットルくらいなんですね。ただ、飲むだけじゃなくて、生活用水、お手洗い・お風呂・洗濯などいろいろありますよね。そういうものをすべて合わせると、1人あたり平均でおよそ240リットル使っているというデータがあるんです。

(山本アナウンサー)
240リットル!?

(松尾リポーター)
240リットル。2リットルのペットボトルにすると、なんと120本。

(山本アナウンサー)
そんなに使っているかなあ。

(松尾リポーター)
いやあ、びっくりしますよね。でもそれくらい使っているんですね、平均的には。で、地震など災害で断水した時のため、少しは蓄えているよという方、いらっしゃると思うんですが。

(山本アナウンサー)
飲み水はね。

(松尾リポーター)
ただ、お風呂とか、お洗濯とか、お手洗いとか、そこまで水ってないですよね。そんな時に雨水が役立つということで、どんなふうに役立つのか、雨水活用についてお伝えします。

■全国に先駆けて雨水活用に取り組む墨田区

松尾リポーター
「東京・墨田区に来ています。この町は、全国に先駆けて雨水活用に取り組んできたんです」。

一般家庭の玄関先、保育園の軒下など、町のいたるところに雨水をためるタンクがあります。

町に根付いた雨水活用。地域の人たちの手で進められてきました。

松尾リポーター
「ここにも雨水タンクがありますよ」。

松尾リポーター
「雨水市民の会。おじゃまします」。

30年ほど前から雨水の活用を広める活動をしてきた、NPO法人「雨水市民の会」のみなさんです。

家庭での雨水活用の取り入れ方を伝えるなど、地道な活動で、災害に強い町を目指してきました。

こんなふうにポリ容器に穴を開け、市販の蛇口をつけるだけでも、簡単にタンクを作ることができます。

笹川みちるさん(雨水市民の会)
「取り入れやすい方法を具体的に紹介したりとか、そうすると(雨水が)意外にたまるのでみんな楽しくなって、節水にもなりますし、楽しくて続けてくださるということがちょっと広がってきた感じがしますね」。

■家の屋根から集めた雨水をためる「路地尊」

地区を案内してもらいました。

松尾リポーター
「ずいぶん細い路地が多いですね」。

佐原滋元さん(雨水市民の会)
「そうですね。細くて木造の家がたくさんあって、やっぱり道が狭くて、消防自動車も入れないよってんで、災害時に非常に危険な街だと言われているのがこの辺なんです」。

松尾リポーター「あ!」。
佐原さん「これが『路地尊(ろじそん)』です。路地を尊ぼうと」。

こちらは大型の雨水タンク、路地尊。
近所の家の屋根から集めた雨水を、地下にあるおよそ3トンのタンクにためています。
地震による断水や火災などの時、地域の安全を守るために作られました。

手押しポンプで雨水をくみ出し、誰でも自由に使うことができます。
実際に火事の時に活躍したことがあります。

佐原さん
「ゴムの工場が燃えたんです。すごく燃えた時に延焼防止のためにこちらの家の壁に、みんなで一生懸命バケツリレーで燃え移るのを防いだっていう武勇伝がある」。

松尾リポーター
「ここに水があったからこそ、助かったという。家が」。

雨水を被災地でも役立ててほしいと、東日本大震災後、仮設住宅にタンクを送る活動もしました。

墨田区には共同の雨水ポンプが20か所以上あり、ふだんは花に水をやったり、野菜を育てたりするのに使われています。

ためるだけではなく日ごろから使うことで、水への意識が高まるといいます。

佐原さん
「水の大切さっていうのは、水道から出てくる水じゃなくて、自分たちがためた水を使うと実感する」。

笹川さん
「水道が止まっちゃったらもう水は何にもないよっていうんじゃなくて、もうちょっと水を広く捉えて、身の回りにどんな水があるかって考えることにもつながりますね」。

■銭湯の地下に5トンのタンク、トイレの水に活用

市民の会のメンバーの1人、伊藤林(しげる)さん。
ことし、経営している銭湯を建て替え、雨水を活用しています。

松尾リポーター
「きれいな、ぴかぴかの新しい銭湯ですね」。

伊藤さん
「5月にオープンした」。

戦後まもない昭和22年に創業し、地元の人に愛されてきた銭湯。

お風呂のお湯は天然の温泉。では、雨水はどこに使われているかというと・・・

お手洗いです。これがけっこう多いんですね。

伊藤さん
「みなさん洋服脱いだりするとトイレに行きたくなるっていうかね、それでお風呂(のトイレ)の使用って多いんですよね。5トンあるんですけれど、1週間もつかどうか」。

松尾リポーター
「そんなに」。

松尾リポーター「この上で雨を集めている?」。
伊藤さん「危ないから気をつけて」。

雨を集めているという屋上を案内してもらいました。

伊藤さん
「屋上に降った雨がここから下へ流れていく。地下の5トンのタンクに行きます」。

およそ90坪ある屋上に降った雨は、もれなく地下のタンクに送られます。

こちらは、1階にある休憩スペース。

床を開けると、マンホールが出てきました。

ここに雨水がたまっているんです。
水道だけに頼らず雨水を有効活用することで、大きく節水できていると言います。

伊藤さん
「墨田区だけではなくてね、全国、世界中にね、雨水利用っていうんですか、できるだけ有効資源として水を見てほしい」。

■日常生活で雨水活用できる家を建てた人も

市民の会の活動から影響を受け、雨水を使うために家を建てた人もいます。

雨を徹底的に活用する家に住む、早坂悦子さんです。

3年前に完成した早坂さんの家。日常生活で雨水を使えるよう、設計の段階から工夫しました。

「一見普通の家と変わらないようにも見えますが、どこで雨水が使用できるんですか?」

「ここが洗面台なんですが、シャワー型の蛇口は普通の水道なんですけど、ここに『あまみず』と書いてあって、ここから雨が出るように」。

松尾リポーター「これ、雨ですか?」。
早坂さん「雨です」。

この家では、蛇口から雨水が出てくるんです。

松尾リポーター「ものすごくきれいですね」。

早坂さん
「においも色もないですね。やわらかい感じがしますね、触れた感じが」。

早坂さん
「この家の(雨水の)水質っていうのは、水道水とほとんど同じくらいの水質のデータではあるんです」。

雨水の水質は、地域やため方、時期によっても異なりますが、この家では洗濯や入浴など、日常生活に使うのには問題ない水質が保たれていると言います。

■「初期雨水」を捨てることで水質を保つ

早坂さんのお宅は、屋上に2トンのタンクを備えています。

ため方のポイントは、2つに分かれたパイプ。

右の短い方に「初期雨水」といって降り始めの雨水がたまり、捨てられるようになっています。

山本アナウンサー「初期雨水?」
松尾リポーター「はい。初めの雨と書きます」。

早坂さん
「当初の最初の雨っていうのは、大気の汚れを含んでいますから、それを捨ててあげるっていうことが水質を保つ1つの方法だと思います」。

■洗剤の量は水道水の約半分、環境に優しい雨水

いまどれくらいの雨水があるかを一目で確認できるようにしています。

タンクの残量によって、雨水を使うか水道水を使うかをワンタッチで切り替えることができます。

トイレに使ったり植木の水やりに使ったり、生活のさまざまな面で雨水を活用しています。

中でもおすすめなのが、洗濯だそうです。

早坂さん
「雨水で洗濯をするとせっけんの量が半分に減らせたり、泡立ちがとてもよくなったり、せっけんかすが少なかったり、お洗濯とせっけんと雨水はすごく相性がいいです」。

松尾リポーター
「水道水と雨水。せっけんを入れた時にどんなふうに泡立ちが違うのか、実験してみましょう」。

液体のせっけんを、雨水と水道水に同じ量だけ入れます。

よく振ってみると・・・

松尾リポーター「わ!全然違いますね」。
早坂さん「すごいでしょ」。
松尾リポーター「泡立ちすぎぐらい泡立っています」。
山本アナウンサー「へー、そうですか」。

実は、水道水にはマグネシウムなどのミネラルが含まれていて、それが洗剤の成分と結びつき、泡立ちにくいと言います。
それに比べ、ミネラルが入っていない雨水は、泡立ちやすく汚れも落ちやすいといいます。
洗剤の量も水道と比べおよそ半分でよいため、環境にも優しいんです。

■雨水を使う暮らしで、水に対する意識に変化が

早坂さんのお宅では1階にも2トンのタンクがあり、家全体で4トンの雨水を蓄えています。
地震などで断水した時にも、生活用水を十分まかなうことができます。

さらに近所の人たちにも分けられるよう、ポンプも設置しました。

早坂さん
「やはり災害の時に、地域に少しでも貢献できるといいかなと思って。みなさんにお渡しすれば、差し上げられればいいのかなと思って作りました」。

松尾リポーター
「いざという時はみなさんに、周りの方にも使っていただけるような」。

早坂さん
「飲み水ってすぐたぶん供給されると思うんですけど、実際に本当に欲しい時って、お洗濯だったりトイレの流し水だったりするので、そんな時にちょっと欲しい方に分けられればいいかなと思っています」。

早坂さんは、雨水を使う暮らしを始めて、水に対する意識が変わってきたと言います。

早坂さん
「ふだんの生活の中で水がなくなるという意識って大事で、やはりそうすると大事に、大切に思いますよね。雨をためているっていうことで自分の中では安心感につながります。ちょっとしたタンクでも水をためることで、もっともっと水を身近に感じて大事に思ってくれるし、雨が楽しく感じるんじゃないかなと思います」。

■手作りの雨水タンクなら材料費は約5000円

(山本アナウンサー)
雨水をためるってことは、けっこう大切なことなんですね。

(松尾リポーター)
そうですね、水って大事だなって感じました。

(山本アナウンサー)
洗濯トイレでけっこう使ってるんだって改めて分かりますね。

(松尾リポーター)
早坂さんのお宅は2人暮らしなんですが、4トンためていて、地震などで断水しても10日ほどは問題なく暮らせる、と。

(山本アナウンサー)
10日間は大丈夫、耐えられると。

(松尾リポーター)
そういう計算になります、心強いですよね。

(松尾リポーター)
早坂さんのお宅のように家を建てるというところまではいかなくても、でもちょっとためたいっていう気持ちにはなりました?

(山本アナウンサー)
なりました。

(松尾リポーター)
家庭用のタンクなんですが、こういったタンクは一般的なもので、200リットルでだいたい6万円前後なんですね。自治体から補助金が出るところも増えてきています。また、手作りの雨水タンクは市民の会のみなさんもよくそういった教室を開いているんですが、ホームセンターなどで売っているポリ容器と蛇口で簡単に作ることができます。これはだいたい5000円くらいで作ることができますね。こういったものからでも気軽に始めてみては? ちょっと安心が得られるということで。

(松尾リポーター)
ただ、ため方によって水質が異なってくるので、使用する際は各自十分注意してください。

(山本アナウンサー)
「初期雨水」は捨てたりとか、VTRにありましたね。

(松尾リポーター)
そうですね、最初のほうは捨てたりとかそういう工夫が必要ですね。雨水を活用する際の注意点など詳しい情報は、雨水市民の会ホームページでもご紹介しています。

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