「膝が痛くて、曲げ伸ばしがキツイ…」「腰痛が治らない…」「肩こりがひどい…」。その痛みや不調、もしかしたら「足指のゆがみ」が原因かもしれません!内科医・リハビリ医の今井一彰さんに、足もとからの健康づくりについて詳しく伺います!
■理想的な足の形
親指から小指までぱっと開いている状態。
■ゆがんだ足指とは…
・親指が内側に寄る外反母趾
・小指が内側に寄る内反小趾
・足指が横に寝て、爪が外側を向く寝指
・足指の第一関節が折れ曲がっているかがみ指
・地面から足が浮き、紙がすっと入る浮き指 など
■足指がゆがんでしまうと…
力がかかっても小指でうまく踏ん張れない。
脚の外側に筋肉がつきO脚やガニ股になり、膝や骨盤がゆがみ、腰痛を起こすことにつながる。
足指がゆがんでうまく踏ん張れないことによって全身に影響していってしまう!
■足指がゆがむ主な原因とは…
・履きやすく、脱ぎやすい靴
・履き口の大きい靴や、大きめのサイズの靴
→靴が脱げないように足指がギュッと縮こまるため、履き続けると足指がどんどん変形していく原因に。
・筒状の靴下、ストッキング
→足指が自由に動きにくく、うまく踏ん張れずいちばん筋力の弱い小指に負担がかかりやすい。
足に合わないパンプスや、靴下の重ね履きなども同様。
1.足指でグーチョキパー!
チョキは親指が上にも下にも動くのが理想。
一つでもできないと足指がゆがみ、使えていない可能性あり。
2.足踏みテスト
目をつぶり、30秒、その場で足踏みする。
足指までしっかり伸びた理想の足なら、体のバランスもよく その場で足踏みができる。
目印からずれるほど体がゆがんでいる証拠。
3.踏ん張る力テスト
もう一人に手伝ってもらって、二人でチェック。
テストをする側は、足を肩幅に開いて手を前に伸ばす。その手を、もう一人に真下に引っ張ってもらう。
しっかり踏ん張れる人はぐらつかない!ぐらついた人は足指が開いていない証拠。
足指のゆがみを予防!実践ストレッチ
すでにゆがんでしまった足指にも効果的!
1.いすや床に座って、太ももの上に片足をのせる。
2.足指の間に反対側の手の指を入れ、優しく握る。
3.足裏を優しく伸ばし、5秒キープ。
4.足の甲側を優しく伸ばし、5秒キープ。
5.この動きを交互に両足行って、トータル3分ほど。毎日、できるだけこまめに行うとよい。
<ポイント>
足指の根元には隙間を作ること。卵を握るように優しく。
足の間に指が入らない人は押して伸ばすだけでも大丈夫!ゆっくり行うこと。
ねじったり、強く曲げない。90度以上曲げないようにする。無理に曲げると筋肉が緊張してこわばり、逆効果になる。
◆ゲスト
今井一彰さん
みらいクリニック 院長内科医・リハビリ医
足元からの健康づくり「足育」を提唱。
「薬に頼らず、一生歩ける足づくり」をモットーに、足を専門に診る「痛みと姿勢の外来」で、現在までに1万人以上の足と足指を診察。
福岡県内の保育園と連携して開発した「ゆびのば体操」は、誰でも簡単にできる足のセルフケアとして、福岡県を中心に全国の保育園や小学校、病院、介護施設で実施され、足腰の痛みの軽減だけでなく、転倒が減り、運動能力がアップしたという成果も出ている。
著書に「足腰が20歳若返る 足指のばし」(かんき出版)など