ページトップへ

問い合わせ

2019年12月18日 12月18日(水)
月に一度のブックレビュー。女優で作家の中江有里さんが、幅広いジャンルからおすすめの3冊をご紹介してくださいます!今回は、生と死について考えさせられる小説や村上春樹の新訳で話題の名作絵本などを紹介します。

【番組で紹介した本】

『ライオンのおやつ』
著者:小川糸
出版社:ポプラ社

若くして余命を告げられた主人公の雫。
瀬戸内の島にあるホスピスで残された日々を過ごそうと決め、穏やかな景色の中、自分の人生を振り返り、本当にしたかったことを考える。
生きること、死ぬことを正面から真摯に描いた感動作。

中江さんポイント
死にゆく人が自ら「死ぬ」というのはどういうものかを見せてくれる、そのユニークな視点に引き込まれた。
いずれ来るその時に幸せだったと思えるよう、自分がどう生きてきて、この先どう生きたいか考えさせられる。
「死」を描きながらも、実は「生きる」物語になっているので読後感がよい作品。


『ほんのちょっと当事者』
著者:青山ゆみこ
出版社:ミシマ社

自己破産、児童虐待、性暴力、障がい者差別、親の看取り…社会を取り巻く“困りごと”を、著者の実体験と取材をもとにユニークな語り口で綴ったエッセイ。

中江さんポイント
本書は著者の体験談を中心に語られているが、それだけではなく、いざ、自分が“困りごとの当事者”になったときに頼れる具体的な相談の窓口や、活用できる社会制度なども書かれている。
生きづらいと言われる社会で、少しでも明るく生き抜くためのヒントが詰まっている一冊。


『はぐれくん、おおきなマルにであう』
著者:シェル・シルヴァスタイン
訳者:村上春樹
出版社:あすなろ書房

自分をどこかに連れて行ってくれる相手を待っていた“はぐれくん”は、ある日、おおきな“マル”に出会う。
この出会いをきっかけにはぐれくんに起こった小さな変化とは?
アメリカで40年以上愛されてきたロングセラー絵本が、村上春樹の新訳で登場。

中江さんポイント
視点を変えて一歩踏み出すことで、変化が生まれるというということを気づかせてくれる。
大人にもぜひ読んでほしい絵本。


 
【案内人】
☆女優・作家 中江有里さん

94513

1973年大阪生まれ。1989年芸能界デビュー。
2002年『納豆ウドン』で第23回BKラジオドラマ脚本懸賞最高賞受賞。
読書家としても知られ、NHK-BS「週刊ブックレビュー」で長年、司会を務めた。
近著に小説『わたしの本棚』(PHP研究所)、『残りものには過去がある』(新潮社)、『トランスファー』(中央公論新社)など。