ひるまえほっと

  • 2024年5月20日

新茶の季節到来!狭山茶を楽しむ

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狭山茶の新茶の季節がやってきました!  
静岡茶、宇治茶と並んで 日本三大茶といわれる狭山茶ですが、近年、日常的に急須でお茶をいれて飲む人は少なくなってきており、生産者も減少傾向にあるんです。  
その一方で、その可能性を広げようとしている人たちもいます。

ひるまえほっと/リポーター 佐藤千佳

▼狭山茶の新茶の季節が到来!

5月5日。狭山茶の新茶シーズンの到来を告げる埼玉県入間市で、“新茶初取引”が行われました。

お茶の生産者や販売業者およそ40人が集まって、ことし1年のお茶の出来を見極める、最も大事な取引です。買い付ける人たちの表情も、真剣そのもの。ことしのお茶の出来は、いいそうです。

取引会場の外では、新茶の魅力を一般の人にも知ってもらいたいと、ことし初めて、「試飲会」が開かれました。初取引で出品されたばかりのお茶をいち早く飲めるというイベントです。  
「甘みがあっておいしい」「1回飲んだらファンになると思う」と、新茶を待ち望んでいたファンの反応も、上々!狭山茶の新茶シーズンが、スタートしました。

▼新感覚!?“まるごと”楽しむ狭山茶とは?

「新茶、飲みたーい!」ということで、やって来たのは、狭山茶の生産が最も多い埼玉県入間市の茶畑。去年、入間市が“狭山茶を新感覚で楽しむプラン”をスタートさせました。  
新感覚でお茶を楽しむって、どういうことでしょうか!? まずは受付のお茶屋さんを訪ねました。

迎えてくれたのは、茶農家の三代目・中島克典(なかじま・かつのり)さんです。

中島さん

こちらで受付をしていただいて、お茶飲みセットですね。

用意されていたのは、急須や湯呑などの茶器に、ポットに入れたお湯。そして、作ったばかりの今年の新茶(煎茶)や、紅茶、特製のジェラートも!  
ここで、お茶をいただくのかと思いきや…

 

地図を見ながら行っていただくんですけども。

なんと、渡されたのは地図!場所は、受付をした人だけが知ることができる秘密の場所。この地図を持って「とっておきのスポット」に行って、そこで、お茶を飲むというのです!

 

セットを持って行っていただいて、ここから歩いてテラスへ行っていただきます。自由にくつろいでいただけるようなコンセプトの体験となっております。好きなお茶を飲みながら、くつろいでいただいて。歌を歌ってもらってもいいですし、寝ていただいても結構です。ご自由に時間を過ごしていただければと思っております。

お茶飲みセットを受け取って…出発!お店から歩くこと、およそ10分。地図を見ながら歩いていくと…  
茶畑の中に設置された、まるでステージのような、ウッドデッキを発見!

佐藤  
リポーター

あれだ!あれだ!お茶畑の真ん中にある!

 

茶畑の中に作られた“テラス”。上ってみると、360度、見渡す限りの茶畑。目の前に広がる絶景を独り占めです!目にも鮮やかな緑に、さわやかなお茶の香り、風に揺れる葉の音やヒバリの鳴き声…。

待ちに待ったティータイム!テーブルや、クッションを自分でセッティングし、持ってきたお茶飲みセットを広げ、“茶畑の空間”すべてひっくるめて、お茶を楽しみます。  
急須にお湯を注ぎ、少し待つのも、癒しの時間。絶景の中で飲む、新茶の味は…最高です。

 

なんか…嫌なこと全部忘れますね。

こちらの茶畑テラスは、入間市が、茶畑の景観を観光に活用したいと始めました。  
この取り組みに参加している5つのお茶屋さんから、お好みのプランを選べるようになっています(2024年5月現在)。「産地の飲み比べ」に、季節限定で、茶殻枕を貸してくれる「うたたねプラン」などがあります。  
飲むだけじゃなく、茶畑の中で、五感で狭山茶を体験しました。

▼狭山茶の“楽しさ”教えて!オチャえもん!

続いて、やってきたのは、狭山市。このマチに、「この人の手にかかると、お茶がもっと好きになる!」という、お茶のスペシャリストがいます。  
お茶屋の5代目・宮野圭司(みやの・けいじ)さん。茶匠でもあります!

愛称は“オチャえもん”!ドラえもんのように、お茶を使っていろんなことをしたり、いろんなものが出てくることから、そう呼ばれるようになったといいます。

狭山茶への情熱あふれる宮野さん。常識を打ち破る、さまざまな活動をしてきました。

サウナ、サ飯、足湯 ※写真提供本人

例えば、サウナ!サウナストーンに日本茶をかけると、その香りに癒されるといいます。  
サウナの後に食べる「サ飯」も、お茶づくしの定食を考案。さらに!お茶で足湯も!お茶の殺菌効果と消臭効果で、疲れた足もさっぱり!

宮野さん

燃えます!知らない人がいるということは、まだ、伝わっていないということなので、お茶を使っていろんな楽しさを伝えられればと思っています。

“オチャえもん”こと宮野さんに、狭山茶の新茶をとことん楽しむ極意を伝授してもらいました。  
まず、宮野さんのところでは、お茶に興味を抱く仕掛けがたくさん。例えば、茶摘み体験は…

 

茶摘みの、茶娘衣装を着ていただいて、気分を上げていただいて、お茶を摘んでいただきます!

衣装を着て、茶摘み体験をすることで気分も上がり、写真を撮り、SNSに写真をアップしたくなり、それを見た人が、お茶に興味を持つきっかけになっているんだとか!

 

これ、茶娘衣装ですけど、男性の方が来ても着る?

 

男性の方も着ています。おじさんのグループでも着てます!

衣装着用!歌の「茶摘み」にも出てくる「あかねだすき」もしっかり結んでもらい、摘む気満々の佐藤リポーターですが…

 

…で、これ、何をどう摘めばいいですか?

 

一番おいしいお茶、“極上のお茶の摘み方”をご説明します。

宮野さんに教わったのは、「一芯二葉(いっしん・によう)摘み」。  
まだ開いていない赤ちゃんの葉っぱ1つと、葉っぱ2枚。上から、1・2・3の下を、人差し指と親指で優しくつまみます。すると、ポキっと簡単に摘むことができます。ちっちゃい葉っぱが、うまみと甘み。やや大きいのが、ほどよい渋み。甘みと旨味を渋みのバランスがいいお茶ができるといいます。

 

この摘み方は、手でしか摘めないんですよ。

さらに、摘んだばかりのお茶の葉を天ぷらにしてもらいました。お茶の葉を軽く水で洗い、小麦粉を水で溶いたものにくぐらせ、油で揚げます。

 

ちょっと苦いけど、甘みがあって、お茶の香りがふわーって広がります。おいしい!

この茶摘み体験は、事前に予約すれば、誰でもできます。

特に人気なのが、摘みたてのお茶を、手もみして、乾燥させ、自分だけのお茶を作る体験。  
この日も、首都圏を中心に多くの体験客が訪れ、摘む楽しさから、手もみの香りの良さ、お茶のおいしさを堪能していました。

▼伝授!水出し緑茶のおいしいいれかた

宮野さんに、これからの時期にぴったりのお茶のいれ方を教えてもらいました。ご家庭でも楽しめますよ!まずは、意外と知らない!?「水出し」のおいしい緑茶のいれ方です。

【水出し緑茶】  
水1リットルに対して、茶葉10g程度。

ティースプーン1杯が山盛りで3gぐらいなので、これを、3杯。あと、ほんの少しだけ入れる。

ふたをして、冷蔵庫で、だいたい、30分から1時間程度。

 

冷蔵庫に入れていただければ、お茶の葉っぱって、多少酸化を防げるので、前の晩に作っていただけいても、楽しんでいただけます。

ここで、茶葉をボトルにダイレクトに入れてしまってOK!  
ダイレクトに入れたほうが、お茶の葉っぱがひろがるので、より、味や体にいい成分が溶け出しやすくなるといいます。

さらに、「1日中、お茶を楽しみたい!」という人には、こんないれ方も!

 

カフェインが気になって、なかなか寝る前にお茶飲めないという方も多いんですけど、ほぼノンカフェインでお茶を楽しめるといういれ方をご紹介したいと思います。

【氷出し緑茶】

まずはじめに、氷を用意。ここに、水を注ぐ。

水が完全に冷たくなってから、茶葉を入れる。

ティースプーンに、山盛り1杯入れ、ふたをしめて、ちょっと優しく混ぜる。

緑茶は高温で抽出するほど、カフェインの量が増えるといわれています。そのため、低温で抽出(氷出し)すると、カフェインの量を少なく抑えられるんです!

 

これでだいたい4~5分待っていただいて飲んでいただければ、ほぼノンカフェインの緑茶ができます。

 

時間がポイントなんですね。

 

あまり長く待ちすぎてしまうと、やはり、カフェインって溶け出してしまう可能性があるので。

緑茶の色はほんのりとしか出ませんが、風味はしっかり。渋みや苦みはほとんどなく、甘みが強く感じます。宮野さんによると、お茶に含まれるアミノ酸の一種のテアニンっていう成分を摂取でき、このようにいれたお茶を寝る1時間前ぐらいに飲むと、リラックスできるので、睡眠の質を良くするといいます。

【ワンポイント!茶葉の保存方法】  
おいしいお茶を入れるには、お茶の保存方法も大事です。

 

お茶は、空気中の水分を吸って傷むので、飲めば飲むほど(茶葉が減って)缶の中に空間ができちゃうんですよ。なので、できれば空気に触れないように、茶葉ぎりぎりのところで中ふたをしたほうが、より酸化を防げます。

 

時間に追われた生活をされている方が多いので、ゆっくりとお茶を入れて飲むとか、急須でお茶を入れて会話を楽しみながら過ごすっていう時間がなかなか取れなくなっていると思うので、あえてそれを、お茶を使って、贅沢な時間を作ってもらうのが、私の目標かなと思います。

 

【編集後記】  
私のなかで「狭山茶」といえば、『となりのトトロ』のワンシーンに出てくる茶箱!  
子どもの頃から名前は知っていましたが…、お恥ずかしいですが、「どこで作られているのか?」「どんな特徴があるのか?」などは、ぼんやりとした知識しかありませんでした。  
そんななか、先日ひるまえ通信SPで埼玉の入間市を訪ね、茶畑を初めて見て感激…!!  
美しく剪定(せんてい)されたお茶の木が一面に広がる景色は、青空に映えて、まるで絵画のよう…。さらに、狭山茶は、多くの生産者が、「自園・自製・自販」という、栽培から製造、販売までを一貫して行うところが多いことから、それぞれで味わいが異なるのも特徴なんだそうです。それを聞いたとき、「地元の人には、“ごひいきのお茶屋さん”があるんだよ」と以前入間の方に教えてもらったことをふと思い出し、“そういうことか!”と、なんだかうれしくなりました。  
取材した私も、急須でお茶を入れて飲むのは久しぶりでした。皆さんにとっても、狭山茶を楽しむきっかけになると嬉しいです。  
 
リポーター/佐藤千佳

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