あと1か月ほどでクリスマス。この時期から飾って楽しめる、「スワッグ」を紹介します。
スワッグは、壁飾りのことで、欧米では定番のクリスマス飾りとして親しまれています。日本でも年々人気が高まり、お花屋さんや、カフェのドアなどでも飾られているのを見かけるようになりました。大田花き市場、販売促進アドバイザーの鈴木千春さんに簡単にできるスワッグの作りかたを教えて頂きます!
1.ナチュラルさがよい。植物の枝や葉のかたちを活かして整えすぎない、無造作なところが楽しい。
2.花束より簡単にできる。
3.ドライフラワーとして長く飾れる。水分が抜け葉っぱがカールしたり、変化していく様子を楽しめる。
【ベースになるグリーンの枝物選び】
1.ヒムロスギ
この時期は必ずといっていいほど花屋さんに置いてある。緑が鮮やかでボリュームがあり、使い勝手抜群。
2.モミの木
木のイメージが強いかもしれないが、この時期になると、切り枝として売られている。
3.ブルーアイス
シルバーがかった色合いと繊細なフォルム、香り高いのもポイント。
4.エンピツビャクシン(ネズ)
ヒノキ科で、市場では「ネズ」と呼ばれている。実がかわいく、香水の香料としても使われている。
5.ユーカリ
シルバーがかった色味が特徴。葉に丸みがあり、少し入れるだけで動きが出る。こちらも香りが楽しめる。
【彩を添える花材選び】
1.エリンジウム
青みがかっていてクールで大人っぽい。
2.デルフィニウム
透明感があり、ウエディングでも人気。水分が抜けても青色が残りドライになる。
3.スターチス
ピンクや白、黄色などさまざまな色があり、ドライになっても発色がきれい。
4.カスミソウ
ドライになると少し黄みがかるが、それも味になる。
5.コットンフラワー
冬らしくアクセントとしておすすめ。
6.松ぼっくり
100円ショップなどでも手に入る。
【ベース編】
・土台となるグリーンを束ねる
メインの枝を机に置く。机が壁面だと思い、束ねるというよりも植物を重ねていく。
Point:スワッグの背骨となる一番大きく枝ぶりのよいものを、最初に選ぶ。
背骨の脇に2本目、3本目とひし形をイメージして枝を選んで重ねていく。
Point:さまざまな枝物を使い、全体が“ひし形”になるように重ねる。
1、2、3、4、5と上に重ねていくイメージ。
スワッグの大きさにもよるが、大から小の枝5~6本ほど使えば土台のベースができる。
ベースができたら、一度輪ゴムなどで固定する。一本にひっかけてくるくると3回ぐらい巻き、最後も一本の枝に引っ掛ける。
Point:枝が太いので丈夫な太めの輪ゴムがおすすめ。
輪ゴムで束ねると、少しきゅっとなるので、一度スワッグを置き形を整える。
【お花・小物編】
・グリーンのベースに花材を加え束ねる
大ぶりの花材(今回はコットンフラワー)から入れていく。
Point:小花の花を先に入れてしまうと、もぐって見えなくなる。
花材は真ん中ばかりに重ねるのではなく、コットンフラワーより少し短くずらして重ねる。
スペースができるので、そこに小花の花材を多めに加える。
Point:水分が抜け、花が縮んでしまうので小花を集合させるように。
輪ゴムで固定する。輪ゴムが目立たないように、一度とめた場所と同じところに巻いて枝と束ねる。
・松ぼっくりなどのオーナメントを付けていく
枝がないアイテムは、ワイヤーを使って枝になる代わりの足をつける。
※ワイヤーは100円ショップなどでも手に入る。
松ぼっくりの鱗片(りんぺん)の間にはさんで、きゅっと引っ張り、根本をくるくると巻く。
ワイヤーがついた松ぼっくりをツリーに飾るようにベースの枝ものにつけていく。ワイヤーの余分な部分ははさみで切り中に隠す。
・リボンなど、さまざまなアイテムを結ぶ
先にワイヤーでフックの部分を作る。ワイヤーを結束部分の輪ゴムの間に通して、輪を作り、ひっかける部分を作る。
リボンなどで固定したワイヤーの結び目の部分を隠す。
選んだアイテムでくるくると結び目を隠すように巻き、リボン結びにする。
(左)古谷キャスター作(右)鈴木さん作
ベースをいかして、花材を少し変えると正月飾りにもなる。
リボンやコットンフラワーなどは外し、新たにポイントとなる赤い実もの(ナンテン、サンキライ、センリョウ、野ばらの実など)を加え、おめでたい色合いの太目のリボンや水引をつけたら完成。
◆ゲスト
フラワーコミュニケーター 鈴木千春さん
(株)大田花きで販売促進アドバイザーとして、生産者と花屋の情報交換を担う。保育園や幼稚園など、こどもたちにアレンジメントを教える「花育(はないく)」の活動なども行っている。