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作家ほしおさなえが案内 東京坂めぐり

  • 2021年10月27日

『東京のぼる坂くだる坂』
坂道沿いに住み続けた亡き父の面影を探しながら、主人公が東京の坂を訪ね歩く小説です。物語の世界と共に、坂道めぐりを楽しめるガイドブックとしても人気を博しています。
坂には、ひとつひとつに個性や魅力があります。
著者のほしおさなえさんに、東京の魅力的な坂を案内してもらいました。

ほしおさなえさんが紹介した坂

【胸突坂】

名前の由来は“胸を突くほど、のぼるのが辛い坂”。全部で81段!55段目あたりに休める所が。
「下から見上げるのが好きな坂。人間って小さいなぁと感じる」


【幽霊坂】

肥後細川庭園の西側にある坂。切り通し=崖を削って作られた細く薄暗い坂。
近所の子供たちの肝試しの場にもなっていたそう。


【豊坂】

豊川稲荷のそばにあることから名づけられた坂。
「クランク(曲がりくねった道)と高い石垣の合わせ技で、先が見えないのが魅力的な坂」


【日無坂・富士見坂】

向かって右側が「富士見坂」。見晴らしがよく、以前は右方向に富士山が見えたことから名付けられた坂。富士見坂の途中からY字についた左側の細い坂道が「日無坂」。文京区と豊島区の区境になっている。日無坂は、江戸時代からある坂道。木がうっそうとして日差しが入り込まない薄暗い坂道だったことが由来。
「いまは、ツタが張り巡らされた民家が日無坂の雰囲気を出している。見下ろす楽しさがある坂」


【宿坂】

鎌倉時代に「宿坂の関」があったことから名付けられた坂。


【のぞき坂】

都内でも1、2を争う急な坂。
近くに行ってのぞき込まないと下が見えないことから名付けられた。


【永青文庫】

〒112-0015 東京都文京区目白台1-1-1
胸突坂をのぼった左手にある「永青文庫」。江戸時代の大名・細川家に伝わる資料を保存・展示している。


【肥後細川庭園】

〒112-0015 東京都文京区目白台1-1-22
永青文庫の敷地からも入ることができる「肥後細川庭園」には、目白崖線の傾斜を堪能できる崖がある。庭園内にある「松聲閣」で、抹茶とお菓子とともに一服!


◆案内人

作家 ほしおさなえさん

1964年東京都生まれ。1995年『影をめくるとき』が群像新人文学賞小説部門優秀作に。


『東京のぼる坂くだる坂』(筑摩書房)では、自身の坂好きを生かした知識が満載で、物語の世界と共に、坂めぐりを楽しめるガイドブックとしても人気を博している。
他に、小説『活版印刷三日月堂』シリーズ(ポプラ文庫)、『菓子屋横丁月光荘』シリーズ(ハルキ文庫)、『紙屋ふじさき記念館』シリーズ(角川文庫)、『言葉の園のお菓子番 見えない花』(だいわ文庫)、『金継ぎの家 あたたかなしずくたち』(幻冬舎文庫)、『三ノ池植物園標本室(上・下)』(ちくま文庫)、児童書『ものだま探偵団』シリーズ(徳間書店)など。

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