マスクをつけていることで、顔の筋肉を動かさなくなり、筋肉が退化してしまう可能性があります。そうすると、たるみ・シワの原因になったり、口臭の原因になったりするなど、マスク老けと呼ばれる症状が出てきます。歯科医師で口もと美容スペシャリスト、石井さとこさんにマスク老けにならないためのトレーニング方法を紹介してもらいます。
3つ以上当てはまるとマスク老け、1~2個でも予備軍になります。
マスク老けの症状を大きく分けると、1つ目が「顔のたるみ・シワ」、2つ目が「口臭」。
(1)~(3)は「顔のたるみ・シワ」に、(4)~(6)は「口臭」に関係しています。
特に(4)の口呼吸や、(5)の口の乾燥、そして(6)口臭は、口内環境が悪化して虫歯や歯周病の原因となったり、生活習慣病などの病気につながる恐れがあるので注意。
【モダイオラス】
左右の口角の内側の少し上あたりにある、小さな膨らみ。
顔の色々な筋肉が交わる場所で、表情筋を動かすのに欠かせない。
1. モダイオラスを舌先で下から上に向かってほぐしていく。左右10回ずつ行う。
ポイント:動かすときは、丁寧に。筋肉がほぐれることで、口角が上がりやすくなる。
1. 頬を吸ってフェイスラインが見えるくらい絞り込み、唇を小鳥のくちばしのような形にする。
2. 唇を上下に「ぴよぴよ」と開け閉めする。
ポイント:「ぴよぴよ」は、小鳥のくちばしをイメージして。
3. 大きく深呼吸して両頬を「ぷー」と勢いよく膨らませる。
★「ぴよぴよ」×10回、「ぷー」×1回行う。顔の下半分の筋肉を使うので、顔の引き締め、シワを薄くする効果が期待できる。
1. 舌を、上前歯のつけ根から真ん中までピタッとつける。
2. 口を開けて、閉めて!パクパク!する。
ポイント:舌の裏の筋が見えるくらい、口を大きく開ける。
★5回繰り返す。舌やあごの筋肉が鍛えられる。 血行が良くなるので「むくみ防止」や、続けることで「滑舌」にも効果が期待できる。
1. 「RE」と声を出しながら舌を前へ出す。
2. 舌を巻くように引っ込めながら「RO」と声を出す。
ポイント:「RO」の時は、舌が丸くなるように意識する。なるべく大げさに!
★10回1セットで行う。舌まわりの筋肉を鍛えて、舌の位置下がり、口呼吸を防ぐことができる。
★舌を鍛えることで、唾液の分泌を促す効果が期待できる。
【舌下がり】
口臭の他にも、唾液不足や飲み込む力を弱めてしまう原因にも。唾液が不足すると、飲み込む力が弱くなり、むせやすくなったり、誤嚥性肺炎につながることもあるので、注意が必要。
1. 両耳の上部手前、骨の出っ張りがある近くのちいさなくぼみを、指の腹で10秒間押し、離す、を繰り返す。
★この場所から出る、さらさらした唾液は、成長ホルモン「パロチン」を含んでいる。「パロチン」は、美肌へ導くホルモンといわれていて、口臭だけでなく、肌の不調にも効果が期待できる。
【トレーニング頻度について】
「モダイオラスほぐし」をしてからなら、どのトレーニングを何回してもOK。
【マスクをしたままでもできるトレーニング】
(1)「モダイオラスほぐし」
(2)「舌アップ体操」
(3)「美唾液プッシュ」
は、マスクをしたままでもトレーニングできます。
石井さん
「マスクをつけると、口元に意識が向かなくなってしまうのですが、マスクをしながらのトレーニングは、マスクをしていても意識して動かせます!通勤電車の中や移動中など、やってみてください。マスクをつけることが嫌だなと思っている人は多いかもしれませんが、外した時に若々しくいられる事を想像して顔トレすれば、マスク生活も少し楽しめるかもしれません。ぜひ、やってみてください!」
◆エクササイズ紹介
歯科医師 口もと美容のスペシャリスト
石井さとこさん