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子ども・若者の自殺 ~周りの人ができること~

  • 2021年5月31日

コロナ禍の今、子ども・若者の自殺が深刻な問題になっています。
子どもたちが発するSOS=自殺のサイン、そしてどんな人が「ゲートキーパー」になるのか、その場合の心得について、子ども・若者の自殺予防への啓発活動を続けている、中央大学客員研究員の高橋聡美さんに話を聞きました。

2019年と2020年の子ども・若者の自殺者数

小学生、中学生、高校生、大学生の自殺者数はコロナ前より後のほうが増えている。

ゲートキーパ―とは

自殺の危険を示すサインに気づき、適切な対応で接することができる人

自殺の原因・動機

<小学生>
男子
(1) 家族からのしつけ・叱責(42.9%)
(2) 学校問題(17.9%)
(3) 学業不振/学友との不和(14.3%)

女子
(1) 親子関係の不和(38.1%)
(2) 家族からのしつけ・叱責(33.3%)
(3) 学友との不和(14.3%)

<中学生>
男子
(1) 学業不振(18.7%)
(2) 家族からのしつけ・叱責(18.1%)
(3) 学校問題(12.3%)

女子
(1) 親子関係の不和(20.1%)
(2) 学友との不和(18.3%)
(3) 学業不振(14.0%)

<高校生>
男子
(1) 学業不振(18.2%)
(2) 進路に関する悩み(16.4%)
(3) うつ病(8.7%)

女子
(1) うつ病(18.3%)
(2) その他の精神疾患(12.1%)
(3) 進路に関する悩み(11.8%)

(出典「令和元年版自殺対策白書」)

高橋さんポイント

  • コロナ禍は、休校、リモート学習、進学への不安など、悩みが積み重なる状況。
  • 家庭不和がある場合、コロナ禍で家族と密な時間が増えると自殺リスクが高くなる。
  • 親を頼れない場合は身近な他人の大人が頼り。
  • 日頃から近所の子どもとあいさつする関係を。
  • 高校生に「うつ病」「精神疾患」が多く見られるが、精神疾患を発症するまでに「生きづらさ」を感じている。我慢が積み重なると精神的に危険な状況に。

自殺のサイン

  • これまでに関心のあった事柄に対して興味を失う。
  • 成績が急に落ちる。
  • 不安やイライラが増し、落ち着きがなくなる。
  • 不眠、食欲不振、体重減少などのさまざまな身体の不調を訴える。
  • 学校に通わなくなる。
  • 友人との交際をやめて、引きこもりがちになる。 など

(文部科学省「自殺のサインと対応」より)

高橋さんポイント

  • 子どもの急な変化に注意。
  • 近所の大人は「登下校時間でない時間に歩いている」「以前は元気に挨拶してくれたのに覇気がなくなった」などで気づくことができる。
  • 自殺のサインを見つけたら積極的に声かけを。「あなたを心配している」という気持ちが伝わり、子どもがSOSを出せる相手=ゲートキーパーになる可能性が高くなる。

TALKの原則

【Tell】言葉に出して心配していることを伝える
高橋さん「言葉にしないと伝わりません」

【Ask】「死にたい」という気落ちについて、率直に尋ねる
高橋さん「本人が自分の本当の気持ちに気づくためにも率直に尋ねてほしい」

【Listen】絶望的な気持ちを傾聴する
高橋さん「ポイントは、“オウム返しと詳しく聞くことを繰り返す”こと。子どもが抱いている残念な気持ちに共感することが大事。質問を繰り返すことで、子どもが見ている情景を共有し、共感してあげて」

【Keep safe】安全を確保する
高橋さん「自殺の危険性が高く危ないと感じたら、専門家に適切な援助を求めて下さい。その際に大切なのは、子どもの了解を得るということ。しかし、緊急を要する場合は、この限りではありません」

子どもが「死んだ方がましだ」と言ったら…

NGワード ~大人の価値観を押し付けたり、安易に励ますのはNG~

OKワード ~詳しく聞いて子どもが見ている情景・感情を共有することが大事~

大学生の自殺

動画:「あなたがゲートキーパーになる時 ~卒業間近の大学生編~」
制作:茨城県・筑波大学

茨城県のYoutubeチャンネル「いばキラTV」 https://www.ibakira.tv/
HP内の検索機能で「ゲートキーパー」と検索

高橋さんポイント

  • 大学生になると親など身近な大人の知らない世界も増え、友人がゲートキーパーになることが多くなる。
  • 何かあった時のためにも、子どもの友人と連絡を取れる関係を築くのも自殺予防のひとつ。
  • 近年は子ども若者向けのSNS相談窓口がゲートキーパーになることも増えた。
  • 一方で自殺サイトなど、より危険性がある情報にたどり着くことも。
  • いざというときはネットの閲覧履歴が自殺のサインになることも。

児童生徒の主な相談窓口一覧

■24時間子供SOSダイヤル(文部科学省)
子どもたちが24時間いじめ等の悩みを相談できる、全国統一ダイヤル。
TEL:0120-0-78310 
受付:24時間 年中無休

■子どもの人権110番(法務省)
いじめ・体罰等の人権問題について、子どもや周囲の大人が法務局職員・人権擁護委員に相談できる電話窓口。
TEL:0120-007-110 
受付:平日8:30~17:15

■児童相談所虐待対応ダイヤル「189」(厚生労働省)
虐待の疑いがある時などに、児童相談所に通告・相談できる全国統一ダイヤル。
TEL:189
受付:24時間 年中無休

■いのちの電話(一般社団法人日本いのちの電話連盟)
相談員に電話・メールで悩みを相談できる窓口。
TEL:0570-783-556
受付:毎日10:00~22:00
TEL:0120-783-556 
受付:毎日16:00~21:00/毎月10日8:00~翌日8:00

■チャイルドライン(NPO法人チャイルドライン支援センター)
18歳までの子どもが電話・チャットで悩みを相談できる窓口。
TEL:0120-99-7777 
受付:毎日16:00~21:00(12/29~1/3除く)

■よりそいホットライン(一般社団法人社会的包摂サポートセンター)
相談員に電話・SNS等で悩みを相談できる窓口。
TEL:0120-279-338
受付:24時間


◆リモートゲスト

高橋 聡美さん(※高はハシゴダカ)
中央大学人文科学研究所 客員研究員
一般社団法人高橋聡美研究室 代表理事
BPO(放送倫理・番組向上機構)放送と青少年に関する委員会委員
新刊『教師にできる自殺予防~SOSを見逃さない』(教育開発研究所)

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