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“信じる”気持ちを大切にしたい3冊

  • 2020年11月9日

お母さんの膝の上にいる「ぼく」の「ここ」から、世界の広さや自分の居場所を見つめ直す絵本。 「ふれる」「さわる」…さまざまな場面における手の働きに注目しながら、触覚ならではの人間関係について考える一冊。 芥川賞作家・奥泉光が将棋の奥深い魅力に挑んだ長編ミステリー。
 “信じる” 気持ちを大切にしたい3冊を紹介します。 

【番組で紹介した本】

『ここは』
文:最果タヒ
絵:及川賢治
出版社:河出書房新社

お母さんの膝の上に座る「ぼく」の視点から見た「ここ」とは?
「ぼくのいる場所」をさまざまにとらえ、世界の広さ、自分の居場所を見つめ直す絵本。

中江さんポイント
お母さんの膝の上にいる「ぼく」の視点の変化を、詩人らしい立体的な表現で視覚化・文章化している。
どんなに世界が広くても「自分の居場所はここ」という、自分自身を信じる揺るぎないメッセージが込められている。

 

『手の倫理』
著者:伊藤亜紗
出版社:講談社

人が人にさわる/ふれるとき、そこにはどんな交流が生まれるのだろうか。介助、教育、スポーツ、みとりなど、さまざまな場面における手の働きに注目しながら、そこにある触覚ならではの人間関係について考える一冊。

中江さんポイント
ふれられることは主導権を相手に手渡すこと。そこから信頼が生まれる。心が通じたり信じるということが、「ふれる」ことからはじまる。
人との接触がなくなったいまの世界で、私たちが寂しさを感じているのは、いかに「触覚」が大切な感覚かを物語っている。

 

『死神の棋譜』
著者:奥泉光
出版社:新潮社

将棋の世界で頂点を目指したものの、夢破れたひとりの男。謎の棋譜を手掛かりに、消えた棋士の行方追って、北海道の廃坑から地下神殿の対局室まで旅が始まる。芥川賞作家・奥泉光が将棋の奥深い魅力に挑んだ、長編ミステリー。

中江さんポイント
目の前に起こった出来事や、愛情、それらを「信じる」ことに救いを求めていく人たちが描かれている。
将棋の厳しい世界を奥泉光が描くとこうなるのか!という、だいご味が楽しめる。
純文学とミステリーの面白さがつまった一冊。


【案内人】
☆女優・作家 中江有里さん

 

1973年大阪生まれ。1989年芸能界デビュー。
2002年『納豆ウドン』で第23回BKラジオドラマ脚本懸賞最高賞受賞。
読書家としても知られ、NHK-BS「週刊ブックレビュー」で長年、司会を務めた。
近著に小説『残りものには、過去がある』(新潮社)、『トランスファー』(中央公論新社)など。

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