1. NHK
  2. ちかさとナビ
  3. ひるまえほっと
  4. 自殺防止とゲートキーパー 家族や友人、周りの人ができること

自殺防止とゲートキーパー 家族や友人、周りの人ができること

  • 2020年10月26日

ことし7月以降の自殺者が3か月連続で去年の同じ時期よりも増えています。身近な人が「死にたい」と思い詰めていたら、私たちはどう気づき、対応すればいいのでしょうか。「死にたい」気持ちを抱える人の“周りにいる人”ができることについて、長年自殺対策に取り込んできた筑波大学教授で精神科医の太刀川弘和さんに話を聞きました。

なぜ、死にたいと思うのか

「死にたい」と思い詰めて自殺行為に及ぶまで、長い時間をかけて様々な理由が積み重なっていきます。
いじめ、過重労働、借金、病気、虐待、DVなど、その人が置かれたこれらの問題が重なると、「うつ状態」になったり、「自殺念慮」=問題を解決するには死ぬしかないという考えに至ってしまったり、さらにはリストカットなどの「自傷行為」を繰り返すといった、危険な状態になってしまいます。
人間は本来、生きることを目標としたメカニズムを持っているため、「死にたい気持ち」と「生きたい気持ち」の間を振り子のように揺れ動きます。
その間に、誰かが手を差し伸べて「生きる道」へと誘導できたら、自殺を防げる可能性があります。
※迷っている間に誰かが気づくことが大切です。

周りの人ができること

■ゲートキーパーになる
ゲートキーパーとは、自殺の危険を示すサインに気づき、適切な対応で接することができる人のことで、身近な人なら誰でもなることができます。

・ゲートキーパーは自殺のサインを見つけるのが大切!
 食事が進まない、話や行動が遅くなりぼうっとしている、遺書、古い友人に突然電話をする、大切な写真を処分するなど、様々な「自殺のサイン」があります。
※いつもと違うと思ったら注意して見るようにしてください。家族に限らず、近所の人や職場の人などだれでも、気が付いた人がゲートキーパーになることができます。

■つらい気持ちに寄り添う
自殺のサインを見つけた私たちができることは、「つらい思いに寄り添う」ことです。

・「心配している」と伝える
・本人の話を否定しない
・驚く事実でも冷静に聴く
・自殺意思があるか確かめる
・安易な励ましや責めることは自殺のリスクを高める

コロナ禍で増えている「産後うつ」

新型コロナウイルスの影響で、「産後うつ」になる女性が以前の2倍以上に増えているおそれがあることが、研究者の調査で分かりました。「産後うつ」から自殺を考える人も少なくなありません。
「産後うつ」は、普通のうつ症状に比べてサインが見えにくいので、一層の注意が必要になります。

■「産後うつ」による危険なサイン
表情がさえない、投げやりになる、眠れない、部屋が散らかっている、自分を責める、死にたいと訴えるなど。

地域の保健センターでは、育児の悩みや産後うつの相談もすることができます。
ゲートキーパーは本人の代わりに、相談内容を具体的に伝えましょう。
本人や家族に「うつ」の自覚がない場合も多く、強がってしまう人も多いので、客観的な視点で伝えましょう。

相談窓口

「死にたい」と思い悩む本人だけでなく、ゲートキーパーも、自分だけでは解決しようとせず専門家に相談してください。
悩む人の多くは複数の悩みが重なりうまく思考できていません。
ゲートキーパーや相談窓口と一緒に悩みを整理することが必要です。
その上で、精神科や心療内科、弁護士(金銭問題など)、行政(生活不安など)といった必要な支援につなげることが大切です。

 

■自殺予防について

筑波大学教授・精神科医 太刀川弘和さん
長年、精神科救急医療、地域精神医療に携わり、自殺対策に取り組む。
とくに自殺の危険を示すサインに気づき適切な対応ができる「ゲートキーパー」の存在に注視。
茨城県と共同で「あなたがゲートキーパーになる時」というゲートキーパー育成ドラマを制作し、「いばキラTV」(茨城県のYoutubeチャンネル)で公開。
近著『つながりから見た自殺予防』

■【ひとりで悩み「死にたい」とインターネットで検索する人を生きる道につなげる活動】

特定非営利活動法人OVA
代表理事 伊藤次郎さん
メール:info@ova-japan.org

 

ページトップに戻る