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それでも野球応援を届けたい ~千葉・拓大紅陵高校~

  • 2020年8月6日

新型コロナウイルスの影響で夏の高校野球の大会が中止になり、球児同様、晴れ舞台を奪われたのが吹奏楽部。彼らのこの夏を取材しました。

野球“応援”名門校 なくなった晴れ舞台

甲子園で多くの学校によって演奏されている応援曲「チャンス紅陵」。34年前に千葉県で生まれました。
作ったのは、「野球応援の名門」として知られる拓殖大学紅陵高校の吹奏楽部です。数々のオリジナル曲を持ち、吹奏楽部入部を目指して進学してくる生徒も多くいます。

部長を務める川端ひなさんもそのひとりです。学校から遠い親元を離れ、寮生活をしながら部活動に打ち込んできました。

しかし、新型コロナウイルスの影響で演奏会やコンクールが次々と中止に。5月には目標の舞台だった夏の高校野球も中止が決定しました。

川端ひなさん
「つらかったです、結構。やり場のない悔しさっていうのが自分の中ですごく大きかったので」

部活動を再開できるかさえ分からない日々。
川端さんを支えたのが、先輩たちの演奏でした。拓大紅陵の野球応援を初めて見た中学生の時、思わず撮影していたものです。

「先輩たちがすっごい楽しそうに心から人を応援する気持ちで吹いてるのを見て、元気をもらえますし、また頑張ろうって」

甲子園はなくなっても思いを届けたい

休校が明けた6月。吹奏楽部にもようやく練習の許可が下りました。
例年なら夏の県大会に向け、野球応援の仕上げに取り組むこの時期に、何を目標に練習を進めたらいいのか。悩む川端さんに顧問の先生が声をかけました。

新しい応援曲の譜面を川端さんに手渡す顧問の吹田先生
 

吹奏楽部顧問 吹田正人先生
「新曲、譜面用意したから。嬉しいの?満々の笑顔!」

手渡されたのは新しく作曲された応援曲。大会はなくても応援曲を完成させる目標ができました。

掛け声や振り付けを相談する生徒たち
 

「KORYO、最初、1回目が。2回目、ポイントゲットにしたほうがよくない?」
「確かに!」

活動時間が限られる中、大切にしたのが、掛け声や振り付けのための意見交換です。

「ちゃんと選手のことも応援してあげるっていう意味も込めて」
「これを聞いて、紅陵だって分かるように」

7月のこの日、完成した掛け声を初めて演奏と合わせました。

♪ 新応援曲『ポイントゲット』の掛け声
「KORYO ポイントゲット!」

吹奏楽部顧問 吹田正人先生
「いいんじゃない?いいと思います」

さらに嬉しい知らせがありました。
練習試合で一度だけ、球場での演奏ができることになったのです。

吹奏楽部顧問 吹田正人先生
「野球部の壮行会を行いたいと思います。野球場に行って野球応援をやります。本番です!」

試合前日、野球部員に届けたのは毎年大会前に渡している千羽鶴。伝統の儀式で互いの健闘を祈りました。

出し切った最後の野球応援

迎えた練習試合の当日。

川端ひなさん
「今日に全部かけたいと思います。みんな気合十分です」

試合は中盤で拓大紅陵が大量失点し、苦しい展開になりました。

「応援の力見せようぜ!応援の力!」

掲げられたのは新曲のボード。皆で考えた掛け声を選手に届けます。

♪ 新応援曲『ポイントゲット』の掛け声
「KORYO ポイントゲット!」

川端ひなさん
「みんなでコール考えて作った曲だったので、みんなの気持ちもすごいそろっていて、勝ってほしいとか頑張ってほしいっていう気持ちが声にも音にも出ていた」

その後2点を巻き返し、試合は終了しました。

川端ひなさん
「自分たちも夏の野球応援、きょうで出し切れたので悔いはないです。自分たちの代の曲を届けたいっていう気持ちもあったので、こういうふうな形ですけど野球応援ができて本当に良かったと思っています」


拓大紅陵吹奏楽部では感染対策をしながら練習を続け、定期演奏会などでもことしの応援曲を披露する予定だということです。

 

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