梅雨の時期に悩まされるものといえば「カビ」。ガス機器メーカーのアンケートによると、約8割の人がカビの発生に悩まされているそうです。悩みの多かったお風呂、エアコン、窓周辺、キッチンのカビ対策を専門家に教わりました。
カビは温度20~30度、湿度60%以上で発生しやすくなります。湿度75~90%で最も増殖しやすいということです。梅雨の時期はカビが繁殖しやすいので、一層掃除に力を入れて、カビを見つけたらマメに除去することが大切です。
カビに対する悩みの多い場所の対策について、クイズ形式で見てみましょう。
Q.浴室のカビ対策はどこを掃除するのが最も効果的?
1.床
2.壁
3.バスタブ
4.天井
答え:天井
天井から降ってくるカビの胞子が原因で浴室全体にカビが発生してしまうので、掃除をするときには天井も欠かさずに。カビができにくい環境を整えるのが重要。
<浴室掃除のポイント>
ウェットシートをつけたフロアワイパーで天井を拭くとよい。月に1回程度を目安に行う。
Q.ゴムパッキンの黒カビ掃除には何を使う?
1.スポンジ
2.たわし
答え:両方NG!
・スポンジやたわしでこするとゴムパッキンが傷ついて、カビが奥まで入り込んで除去できなくなる。
・黒カビ退治にはカビ取り剤を使う。カビ取り剤をスプレーしたあとにキッチンペーパーでパックして数十分置いてから洗い流す。
<カビを取るときのポイント>
カビ取り剤の上からキッチンペーパー・ラップでゴムパッキンにしっかりと密着するようにおさえる。
カビ取り剤を十分に浸透させ、数十分置いた後にシャワーで洗い流す。
Q.入浴後に冷たい水をかけて洗い流すのは正しい?
1.〇
2.×
答え:×
・かけるなら50度ぐらいのお湯がおすすめ。やけどに気を付けながら、カビの餌となる「せっけんカス」や「皮脂汚れ」を洗い流すようにしっかりとかける。
・カビは3つの条件「温度」「湿度」「栄養素(人のあかや食べかすなど)」が揃うと発生しやすくなる。
Q.エアコンのカビ対策はフィルターを掃除するだけでよい?
1.〇
2.×
答え:×
・フィルターの掃除では、ほこりは取れるがカビ対策にはなっていない。
・エアコンで冷房を使うと除湿を行い、エアコン内部に湿気がたまる。送風機能を使ってエアコン内部を乾燥させる。エアコンを使用後、30分を目安に行うといい。
・送風機能がついていないエアコンの場合、30度に設定した冷房が送風と同じような役割を果たす。
<フィルター掃除のポイント>
洗うときに強くこするとフィルターの網目が荒くなってしまい、ほこりを取る機能が低下してしまう。
フィルターを掃除する場合は、フィルターを裏返して、ほこりのついている部分を下にして洗い流す。水の圧力を使って一方向からフィルターの表面についたほこりを流す。
大切なエアコンのフィルター掃除!
フィルターの掃除を怠ると、カビが部屋中に蔓延してしまう。
カビはアレルギーの原因にもなるので、送風機能を使ってエアコン内を乾燥させることと、フィルター掃除をすることが大切。
Q.網戸にはカビが生えない?
1.〇
2.×
答え:×
・ジメジメとした「湿気がある場所が好きなカビ」と、ほこりのように「乾燥している場所が好きなカビ」の2種類がある。
・網戸のような乾いている場所にもカビが発生するので、きちんと掃除を。
<網戸掃除のポイント>
水でぬらした雑巾を2枚で網戸を挟み込むようにして拭くときれいにほこりを落とすことができる。
Q.カビ対策に使える調味料はどれ?
1.砂糖
2.塩
3.酢
4.みそ
5.料理酒
答え:「酢」
・「酢」や「クエン酸」には、殺菌効果がある。
・「重曹」は洗浄効果はあるが、殺菌・除菌の効果はないのでカビを根元から取り除くことはできない。
Q.冷凍庫ではカビは発生しない?
1.〇
2.×
答え:〇
カビは凍っているところでは発生しない。(カビは死滅しないが生育はできない)
しかし製氷機の給水タンクには、ゴミなどがたまり、カビが発生する可能性も。その水が氷となり、知らずにカビを摂取し続けてしまうと健康被害につながりかねないので、給水タンクの掃除は定期的に行うのがよい。
▼換気をして空気の循環を作り、湿度を下げる
▼ほこりや汚れを掃除で取り除き、カビの餌を増やさない
▼カビを見つけたらすぐに取り除く
カビをみつけたら放置しておかないことが大切です。カビの増殖は速く、病気のもとになることもあるので、こまめに掃除をしましょう。
クローゼットも服を詰め込みすぎているとカビの原因になるので定期的に換気をするのがおすすめです。
■カビ対策アドバイス
千葉大学真菌医学研究センター 准教授
矢口貴志さん