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能登半島地震 液状化被害の特徴は? 千葉県でのリスク・対策は?記者が解説

  • 2024年01月26日

能登半島地震で各地で発生した液状化被害。
北陸や新潟県の広範囲で被害が起きているとみられています。

今回の地震での液状化被害の特徴のほか、千葉県でのリスクや対策について、千葉放送局の上原聡太記者が解説します。

 

液状化といえば、地盤が揺さぶられることで地下から水や砂などが噴き出す現象だね。住宅が傾いたり道路が壊れたりして、人々の生活に大きな影響を与えるけど、今回の能登半島地震での被害はどうだったの?

各地で地面が陥没したりマンホールが飛び出したりするなど広い範囲で被害が起きています。

このうち、新潟県では、液状化などによって家が傾くなど6700棟あまりで被害が確認されたということです。

先名主任専門研究員の分析による液状化が起きたとみられる場所

地盤災害に詳しい防災科学技術研究所の先名重樹主任専門研究員は、能登半島地震の直後から、液状化がどの範囲で起きたか、現地調査に加え航空写真や衛星写真で分析しました。

その結果、石川県や新潟県だけでなく富山県や福井県でも液状化が発生していることが分かったということです。

防災科学技術研究所 先名重樹主任専門研究員

液状化の被害はかなり広範囲に及んでいるんだね。

一般的に液状化は震度5程度以上の強い揺れで発生しやすいとされています。
しかし先名さんによりますと、今回はそれよりも小さな揺れの地域でも液状化が起きていました。

例えば、富山県魚津市では観測された揺れは震度4でしたが、港周辺の駐車場で砂が混じった水が噴き出した液状化のあとが確認されたということです。

富山 魚津の液状化の様子

 

従来、液状化が起きるとされる揺れよりも小さい揺れで起きたということだね。なぜ、こうした現象が起きたの?

 

先名研究員は今回の地震は規模が大きく強い揺れが長く続いたことに加え、北陸や新潟県の沿岸部に液状化しやすい地下水位が高い砂地の地盤が広がっていたことが要因だとみています。

先名研究員は今後、さらに分析を進めることにしていますが、こうした液状化しやすい地盤は千葉県を含む関東でも沿岸部や川沿いの低地などに広がっていて注意が必要だと指摘していました。

 

実際に13年前の東日本大震災の時には千葉県でも各地で液状化被害が出たよね。

東日本大震災で千葉県内では25の市と町で液状化が発生し、住宅が傾いたり道路が壊れたりする被害が出ました。

このうち、浦安市では市内の面積の8割以上で液状化が発生し、8741棟の住宅が被害を受けました。

伊能隆男さん

 

浦安市の沿岸部の地区で自治会長を務める伊能隆男さんの自宅では、家が2.7度ほど傾いたうえ、上下水道が被害を受けて1か月以上、使えなくなったということです。

液状化の被害を受けた地域はどのように復旧させたの?

伊能さんの場合、自宅の傾きは土台の下に油圧ジャッキを入れて高さを修正する「ジャッキアップ」などで修繕工事を行いました。また、地区の道路なども補修されて、現在は町並み自体はもとに戻りました。

ただ、液状化が起きにくいようにする地盤改良は多額の費用がかかるため断念せざるをえず、根本的な解決はできなかったということです。

震災当時の地区の道路

 

補修された地区の道路

いまも液状化しやすいことに変わりはないということ?

そうなんです。伊能さんは「大きな地震が起きると再び液状化する懸念が拭えない」と話していました。

こうした状況は伊能さんだけではありません。浦安市では国の交付金を活用した地盤改良工事が各地で検討されましたが、検討した4103棟のうち、これまでに実施できたのは33棟にとどまっています。

市によりますと、地盤改良工事は地区全体で行う必要があり、費用負担の面で、すべての住民の合意を得るのが難しいということなんです。

液状化の被害を受けたあとに対策をするのは簡単ではないということだね。私たちはどのように対策すれば良いの?

はい。地盤災害に関するコンサルタントなどをしている横山芳春さんに聞きました。

まず、住宅を建てる前にハザードマップなどを確認してほしいとしています。
どのような場所で液状化が起こりやすいかは多くの自治体がホームページなどで公表しています。

横山さんは事前に液状化のリスクを調べてそこに住宅を建てるかどうか慎重に検討して欲しいと話していました。

千葉市中央区の液状化ハザードマップ 千葉市HPより

 

もし液状化リスクがある場所に家を建てることになった場合やすでに建っている場合には対策のしかたはあるの?

はい。横山さんによりますと、家を建てる前に液状化しにくいように地盤や基礎を強化する工事を行えば、被害を軽くすることは可能だということです。

また、すでに住宅がある場合にも地盤を固めたり地下水位を低くする工事は可能だということですが、費用が高額であるとともに、地盤の状態によって工事方法が限られる時もあるということです。

このため、地震保険に加入して被害を受けても修繕ができるようにしておくことが現実的ではないかと指摘していました。

リスクを知って対策を取ることが大事だね

液状化の被害は私たちにとって決してひと事ではありません。それぞれの状況に応じた対策を考えておくことが大切だと感じました。

  • 上原聡太

    千葉放送局 記者

    上原聡太

    2018年(平成30年)入局 長崎局を経て千葉局 現在は警察取材、災害取材を担当  

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