電動キックボード 新ナンバープレート交付が間に合わず!? 千葉
- 2023年07月01日
7月1日から新たな交通ルールが始まる「電動キックボード」。最高速度が時速20キロ以下など、一定の条件を満たすものには専用の小さなナンバープレートが交付されます。しかし、一部の自治体で交付が間に合わない事態が。その理由と、千葉県内の交付状況も詳しくお伝えします。
（千葉局記者・渡辺佑捺）
“正方形”のナンバープレート
7月1日から、以下の条件を満たす電動キックボードは「特定小型原動機付自転車」として分類され、運転免許が不要になるほか、ヘルメットの着用は自転車と同じ努力義務となります。
✅車体の大きさが、長さ190cm以下、幅60cm以下
✅原動機の定格出力が0.60kW以下の電動機
✅最高速度が時速20km以下
✅最高速度表示灯が備えられている など
この「特定小型原動機付自転車」には、専用のナンバープレートを取り付けることになっています。プレートは、車体の幅に収まるように10cm×10cmの小さな正方形となっていて、交付した市区町村の名前と番号などが記されます。
ナンバープレートどうやって交付？
ナンバープレートは、各地の市区町村で交付を受けることができます。
市役所などで、所定の申請書や「特定小型原動機付自転車」の条件を満たしている証明などを提出すれば、その場で交付されます。
しかし、一部の自治体では制度開始に交付が間に合わない事態になっています。6月上旬に行われた国の調査に対する県内54市町村の回答は以下の通りです。調査のあと、状況の変化によって交付開始の時期が変更になっている場合もあります。
【7月3日までに交付開始と回答】44市町村
千葉市、市川市、船橋市、館山市、木更津市、松戸市、野田市、茂原市、成田市、佐倉市、東金市、旭市、習志野市、柏市、勝浦市、市原市、流山市、八千代市、我孫子市、鎌ケ谷市、君津市、富津市、四街道市、袖ケ浦市、白井市、南房総市、匝瑳市、香取市、山武市、いすみ市、大網白里市、栄町、神崎町、多古町、東庄町、九十九里町、芝山町、横芝光町、一宮町、睦沢町、長生村、白子町、長柄町、長南町
【7月4日以降の7月中に交付開始と回答】6市町
銚子市、八街市、印西市、酒々井町、御宿町、鋸南町
【8月以降に交付開始と回答】4市町
浦安市、鴨川市、富里市、大多喜町
種別に「特定原付」が新たに設けられた
なぜ交付が間に合わない？
交付開始が9月になると回答した浦安市の担当者に話を聞きました。
どうして交付が遅れてしまったのでしょうか。
年度初めの4月にメーカーに発注したのですが、ほかの自治体からも発注が相次いでいるようで製造が間に合いませんでした。ただ、国の調査への回答後、納期が早まったので7月中旬には交付が開始できそうです。
交付できない間はどのような対応を取りますか？
暫定的に原付バイク用のナンバープレートを交付します。専用のナンバープレートが準備でき次第、個別に連絡して、申請があれば交換するようにしていきます。
新しい専用のものと比べて大きいですね。原付バイク用のナンバープレートを取り付けた場合、交通ルールの取り扱いは変わるのでしょうか。
原付バイク用のナンバーを取り付けていても、電動キックボード本体の性能などが条件を満たしていれば、運転免許が不要になるなど、新たなルールが適用されます。
新交通ルールで普及するか
従来の制度では、電動キックボードは「原付バイク」や「オートバイ」に分類され、運転免許が必要で、原則車道を走行、ヘルメットの着用が義務とされていました。
そうした中で流山市では、新たな交通ルールが始まるのを前に、去年8月からシェアサービスの実証実験が行われてきました。
市内の本町地区の7か所に電動キックボードが置かれ、指定されたエリアの中では、特別にヘルメットの着用が免除されたり、自転車通行帯の走行が認められたりするものでした。
実証実験は6月までで終了し、7月からは新たな制度のもとでシェアサービスを続けていきます。
さらに多くの方に新たな交通ルールを守りながら、電動キックボードを楽しんでもらいたいです。
今回の新制度で、電動キックボードはより身近に利用しやすくなります。どのように安全を確保しながら普及が広がっていくのか、今後の動きにも注目です。
