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“銚子のキャベツ”が絵本になった

  • 2023年04月28日

春、野菜のおいしい季節ですね。アスパラガス、新タマネギ、そして春キャベツ。その春キャベツが名産の銚子市では、この春、ある絵本が完成しました。小さな女の子が主人公の絵本で、キャベツが重要な役割を果たします。さて、どんなお話なのでしょう?

(千葉放送局銚子支局記者 岡根正貢)

この絵本は「りんちゃんとモンシロチョウ」。子どもたちに読み聞かせの催しなどを開いている、銚子市のNPO法人「BeCOM」が制作しました。

制作メンバーは、市内に住む教員のOBや主婦など。原作となるストーリーを考えたのは、小学校の元校長の長谷川育子さんです。「銚子らしさ」を意識し、子どもたちに地元の特産品を知ってもらうため、キャベツを登場させることにしました。

物語は、東京に住む「りんちゃん」が、銚子のおばあちゃんの家に1人でお泊まりにきたときのお話です。

キャベツなどの野菜の料理をおなかいっぱい食べたりんちゃんは、翌朝、モンシロチョウが家の中を飛んでいるのを見つけます。
モンシロチョウはどこから来たのか、不思議に思ったりんちゃんでしたが、おばあちゃんが、キャベツを食べて育ったんだよと教えてくれます。
そしてりんちゃんは、モンシロチョウを外に放してあげますが、しばらくして、ある場所で再会することになります。

絵本には、イギリスのウェールズ出身のメンバーが考えた英文のストーリーも掲載し、絵本の装丁デザインや紙質などにもこだわりました。

およそ1年をかけて完成させ、3月には印刷所から完成品が届きました。

長谷川育子さん

「メンバーの協力もあってやっとできあがりました。銚子らしいお話を子どもたちに読んでほしいです」

4月1日には、できあがった絵本のお披露目の会が開かれ、集まった子どもたちに読み聞かせを行いました。子どもたちは、慣れ親しんだ銚子の風景と重ね合わせながら、ほのぼのとした物語を楽しんでいた様子でした。
この日は、りんちゃんのモデルになった長谷川さんの小学生の孫も参加しました。

長谷川さんの孫

「小さい頃の自分の話だと思ったら、とてもうれしかった」

 

また、この日は、絵を手がけた元幼稚園教諭の木内真弓さんも参加。パステルアート作家で「月うさぎ」の筆名で活動している木内さんは、子どもたち向けにパステルアートの体験会を開きました。子どもたちは、棒状のパステルを茶こしを使って削り、粉にしたものを紙の上に指先で広げて、淡い色合いで青虫の絵を描いていきました。木内さんは、「作品が絵本になるのは初めてです。最初は自信がなくてお断りしたのですが、完成した本を見て、やってよかったと思いました」と話していました。

絵本を作成した、「BeCOM」代表の西田美樹さんは。

西田美樹さん

「いろんな世代の方が集まってくれて、本づくりを通じてできた縁を広げることができたことに感謝したいです。1年間という時間がかかりましたが、最後に形になってよかったです。物語が地域から広がっていけばと思います」

編集後記

今回、絵本を作ったNPO法人は、読書やことばに関する活動「ことばの冒険」などの事業を行っています。それを初めて取材したのが16年前でした。その中で、「祇園精舎の鐘の声……」と始まる「平家物語」や、孔子の「論語」、宮澤賢治の「雨ニモマケズ」、さらには私が中学生や高校生の頃に最も苦手だった枕草子などの古典文学を、小学生低学年のこどもたちが、大勢の観客がいるホールですらすらと暗唱や朗読で披露するのを見て驚きました。絵本の出版は初めてで、500冊を印刷して250冊は市内の小学1年生に無料で配布。残り250冊をインターネットを通じ販売したということですが、関東近県から問い合わせも多くあって初版は完売し、幼稚園などの団体からまとまった注文もあって、さらに500部を増刷することを決めたということです。

  • 岡根正貢

     千葉放送局 銚子支局記者

    岡根正貢

    30年間地元を密着取材。

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