(※2023年9月27日に記事を更新しました)
千葉ロッテマリーンズで、33年間場内アナウンスを務め、特徴のある伸びやかな声で知られる谷保恵美(たにほ・えみ)さん。
今シーズン限りでアナウンス業務を引退することが、9月27日、明らかになりました。
特徴のある伸びやかなアナウンスは、ロッテファンだけでなく広く野球ファンから人気を集めていました。昨シーズン終了後、33年目となる今シーズン限りでの引退を決断していたということです。
(引退にあたって)昨シーズン、2000試合出場を達成し、あと1年と決めていました。
次の夢としては野球関連ではありませんが、ずっとやってみたいなと思っていたことがあるので、それを実現できるように頑張っていこうと思っています。
谷保さんが場内アナウンスを担当してから、ロッテはレギュラーシーズンや日本シリーズで、ホームで優勝を決めた経験がなく、「優勝でございます」とアナウンスするのが夢と語っています。
最後までしっかりと、大好きなZOZOマリンスタジアムで業務を遂行し、マイクを置きたいと考えています。
レギュラーシーズンだけでなくクライマックスシリーズ、そしてその先もありますので、最後まで私の声にお付き合いいただければと思います。
今シーズンの開幕時、NHKは33年目のシーズンに挑むレジェンド・谷保さんを取材していました。谷保さんがどんな矜持でマイクの前に座っているのか、尋ねました。
🎙お待たせいたしました。オープン戦、千葉ロッテマリーンズ 対 広島東洋カープ。まもなく試合開始でございます。
これまで担当した一軍公式戦は、2028試合。
場内アナウンス界のレジェンド・谷保恵美(たにほ・えみ)さんです。
きょうから33年目のシーズンに挑みます。
🎙1回の裏、マリーンズの攻撃は、1番 センター 藤原恭大 背番号1~
谷保さんの声、そしてアナウンスについて、マリーンズファンの皆さんに聞きました。
🎙3番 ライト 荻野貴司 背番号0~
伸びやかな声とオリジナリティあふれる、谷保さんのアナウンス。
海に面したマリンスタジアムという環境だからこそ、今の形になったといいます。
谷保さんは、どうして伸びやかな発声をすることができるのでしょうか。
試合中に飲んでいるものを教えていただきました。
🎙ファールボールにご注意ください。
一瞬たりとも気の抜けない時間が連日、3時間以上も続きます。
今シーズンは、マスクを正しくつけた状態であれば、スタジアムの中で声を出して応援をすることができるようになります。
その声出し応援が、谷保さんのアナウンスも後押しするといいます。
🎙8番 サード 安田尚憲 背番号5~
応援を力に変えて、33年目の一歩を「足音」高く踏み出す谷保さんです。
例えば安田選手がMr.Childrenの「足音 ~Be Strong」であるように、選手にはそれぞれ登場曲があります。
その曲の雰囲気にあわせて、谷保さんはアナウンスをしているということです。
また、選手によっては曲を聴きながらルーティン(決まった動作)を行うため、曲の邪魔にならないことも心掛けているそうです。
谷保さんが選手のこと、ひいてはチームの勝利のことを第一に考えている証しかと思います。
これまで2028試合の場内アナウンスを担当してきた谷保さんですが、実は千葉ロッテマリーンズの球団職員で、広報室に所属されています。
取材させていただいたオープン戦の日も、マイクの前に座る直前まで、数々の広報業務をこなされていました。
33年目のレジェンドであってもひたむきに野球に向き合うお姿、谷保さんの「野球愛」がとても印象的でした。