国土交通省が毎年1月1日時点の土地の価格を調べる「地価公示」。
2023年の千葉県は、「住宅地」「商業地」などが去年より上昇し、上昇率も大きくなりました。一方で地域別に見ると、東京の都心に近い地域とそれ以外とで、二極化がいっそう鮮明になっています。
あなたの街の地価は上がった?下がった?詳しくお伝えします。
「住宅地」の地価の市区町村別・地点別の順位です。()内は去年の順位を示しています。
【市区町村別 1平方メートルあたりの平均価格】
① 浦安市 32万5700円 (①→)
② 市川市 24万300円 (②→)
③ 習志野市 17万4800円 (③→)
【市区町村別 去年からの平均変動率(プラス)】
① 浦安市 +9.7% (①→)
② 市川市 +6.8% (②→)
③ 船橋市 +4.1% (⑨↑)
【市区町村別 去年からの平均変動率(マイナス)】
① 銚子市 -2.4% (⑪↑)
② 富津市 -1.3% (②→)
③ 御宿町 -1.1% (③→)
③ 九十九里町 -1.1% (③→)
【地点別 1平方メートルあたりの価格】
① 習志野市奏の杜3丁目 43万円
② 市川市菅野2丁目 42万円
③ 浦安市北栄3丁目 40万円
③ 浦安市舞浜3丁目 40万円
【地点別 去年からの上昇率】
① 木更津市金田東4丁目 +20.9%
② 浦安市舞浜3丁目 +11.1%
③ 浦安市高洲3丁目 +10.9%
【地点別 去年からの下落率】
① 富津市富津字東下洲原 -4.6%
② 富津市富津字水主町 -3.7%
③ 市原市瀬又 -3.5%
県内全体の平均変動率は+2.3%で、去年の+0.7%を大きく上回り、全国の都道府県別で6番目に高くなりました。この水準は、リーマンショック前の平成20年(+2.8%)以来です。
調査対象の53市区町村のうち、▼33市区町で上昇、▼5市町で横ばい、▼15市町村で下落となりました。
県内全体の平均価格は10万8100円で、去年より4200円上昇しています。
低金利が続き、住宅取得に関する政策の下支えがあり、都心に近い利便性の高いエリアを中心に上昇基調が続いている。一方で、地方では『+-ゼロで良かった』くらいの感覚にもなっていて、二極化が鮮明になってきている。
【市区町村別 1平方メートルあたりの平均価格】
① 市川市 99万4200円 (①→)
② 浦安市 81万5000円 (②→)
③ 船橋市 54万3600円 (③→)
【市区町村別 去年からの平均変動率(プラス)】
① 大網白里市 +9.4% (⑤↑)
② 市川市 +8.7% (③↑)
③ 船橋市 +7.3% (①↓)
【市区町村別 去年からの平均変動率(マイナス)】
① 銚子市 -2.6% (⑤↑)
② 勝浦市 -1.2% (①↓)
③ 八街市 -1.1% (③→)
【地点別 1平方メートルあたりの価格】
① 千葉市中央区富士見2丁目 215万円(※千葉県内の最高値)
② 船橋市本町4丁目 213万円
③ 市川市八幡2丁目 212万円
【地点別 去年からの上昇率】
① 船橋市宮本5丁目 +10.2%
② 市川市南八幡4丁目 +10.1%
③ 市川市新田4丁目 +10%
【地点別 去年からの下落率】
① 銚子市和田町 -3.6%
② 銚子市末広町 -3.4%
③ 茂原市八千代2丁目 -1.9%
県内全体の平均変動率は+2.9%で、去年の+1.2%を大きく上回り、全国の都道府県別で6番目に高くなりました。この水準は、新型コロナの影響が広がる前の平成31年(+2.9%)以来です。
調査対象の50市区町村のうち、▼27市区で上昇、▼10市町で横ばい、▼13市町村で下落となりました。
県内全体の平均価格は30万3500円で、去年より1万4900円上昇しています。
新型コロナの影響から人の流れが回復傾向にあることで、中心市街地で店舗の需要が増加しているほか、不動産投資の需要も高まっている。
商業地でも地方は下落傾向にあり、二極化が進んでいる。
大網白里市の上昇は、大網駅周辺の土地区画事業で周辺地域の発展を見込んでのことと思われる。
【市区町村別 1平方メートルあたりの平均価格】
① 市川市 21万4800円 (②↑)
② 浦安市 20万3000円 (①↓)
③ 松戸市 16万2000円 (③→)
【市区町村別 去年からの平均変動率(プラス)】
① 市川市 +19.5% (①→)
② 柏市 +16.3% (⑧↑)
③ 野田市 +12.7% (⑧↑)
【地点別 1平方メートルあたりの価格】
① 市川市塩浜3丁目 25万2000円
② 市川市田尻1丁目 23万1000円
③ 市川市二俣 22万8000円
【地点別 去年からの平均変動率(プラス)】
① 柏市青田新田飛地 +21.2%
② 柏市新十余二 +20.7%
③ 市川市塩浜3丁目 +20%
③ 市川市二俣 +20%
③ 船橋市日の出2丁目 +20%
県内全体の平均変動率は+7.7%で、去年の+5.3%を大きく上回り、全国の都道府県別で3番目に高くなりました。この水準は、バブル期の平成3年(25.9%)以来となります。
調査対象の23市区町のうち、▼22市区町で上昇、▼1市で横ばいとなり、▼下落したところはありませんでした。
県内全体の平均価格は7万5700円で、去年より7300円上昇しています。
新型コロナの感染拡大以降、インターネット通販の増加などから物流施設用地としての需要が増加したことが大きい。特に都心に近い地域では、土地の需給がひっ迫して大幅な上昇となった。
内陸部でも、高速道路のインターチェンジ付近で物流施設の需要が高まっている。千葉の工業地は都内より比較的価格が低めで、その割にはアクセスがいいところが多いため、大幅な上昇につながった。
実際に、大幅に地価が上昇した地域を訪ねました。
常磐自動車道・柏インターチェンジ近く。地価は、去年と比べて20%余り上昇しました。
柏インターチェンジは、千葉市とさいたま市などを結ぶ国道16号線と接続し、去年、人口増加率が全国1位だった流山市にも近いところにあります。
インターネット通販の配送拠点などとして、周辺で大型の物流施設の建設が相次いでいます。
インターチェンジのすぐそばでは、大型の物流施設が完成間近となっています。
ここには、かつて機械メーカーの工場がありましたが、3年前に大手商社が土地を取得し、大型の物流施設がことし5月に完成する予定です。
施設は4階建てで、延床面積は約8万平方メートルに上り、入居するテナントを募集したところ、多くの引き合いがあり、施設を丸ごと借りたいとする企業の入居が決まったということです。
住友商事 物流施設事業部 小山築さん
「この土地を選んだ理由は『立地』です。コロナ禍以降、インターネット通販の普及で配送の頻度が急速に増えたため、交通の結節点であり、人口が多く働き手の確保も見込めることが大きなメリットになります。こうした地域は全国的に人気が高まっていて、工場が物流施設に置き換わることも珍しくありません」