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柏市出身・国枝慎吾さん 国民栄誉賞おめでとうございます

  • 2023年03月17日

千葉県柏市出身の車いすテニスの第一人者、国枝慎吾さんに3月17日、国民栄誉賞が授与されました。これまで、国枝さんが千葉県庁や柏市役所を訪れた際の発言や、関係者の喜びのコメントを紹介します。

国枝さんに国民栄誉賞

車いすテニスの第一人者として、すべての四大大会とパラリンピックで優勝する「生涯ゴールデンスラム」を達成した国枝慎吾さんに3月17日、国民栄誉賞が授与されました。

国枝慎吾さんへの国民栄誉賞の表彰式は、17日夕方、総理大臣官邸で開かれ、国枝さんや、夫人の愛さんらが出席しました。

岸田総理大臣は「『生涯ゴールデンスラム』の達成など、前人未踏の快挙を成し遂げ、パラスポーツの社会的認知度の拡大、スポーツの発展に極めて顕著な貢献をし、国民に夢と感動、そして社会に明るい希望や勇気を与えた」と述べ、表彰状と盾を授与しました。
また、記念品として、国枝さんが選んだ腕時計が夫妻に贈られました。

国枝さん

受賞が決まったときは本当に驚きました。両親や妻、コーチなど、関わってくれた方々への表彰だと思います。これでより一層パラリンピックが多くの方々に認められ、スポーツとして楽しんでもらえる環境に近づくことになるとうれしいです。

柏市出身の国枝慎吾さん

柏市出身で現在39歳の国枝慎吾さんは、長年、世界の車いすテニス界をリードしてきた第一人者です。9歳の時にせき髄の病気で両足に障害が残り、その2年後に車いすテニスを始めました。

2006年、22歳で初めて世界ランキング1位となり、四大大会のシングルスで歴代最多となる28回の優勝を誇るなど、前人未到の記録を次々と打ちたててきました。

パラリンピックのシングルスでは、2008年の北京大会、2012年のロンドン大会、2021年の東京大会の3回、金メダルを獲得しました。
そして、2022年、長年の悲願だったウィンブルドン選手権を制して、すべての四大大会とパラリンピックで優勝する「生涯ゴールデンスラム」を達成しました。

拠点はずっと、柏市の「吉田記念テニス研修センター」で、1番のコートで練習することが多かったといいます。素早い車いすの操作と正確で多彩なショットに加え、かつて車いすテニスではほとんど見られなかった強打のトップスピンのバックハンドを取り入れるなど、車いすテニスの競技性の向上に貢献しました。

県民栄誉賞など受賞

2016年10月 千葉県庁

2004年、アテネ大会のダブルスでは、齋田悟司選手と金メダルを獲得し、千葉県県民栄誉賞が贈られました。その後も4回、知事特別賞を受賞しています。

2016年10月 柏市役所

また、柏市からは特別功労者として5回表彰されています。2016年、リオデジャネイロ大会のダブルスで齋田悟司選手と銅メダルを獲得して柏市役所を訪問した際には次のように話しました。

すごく苦しい1年でしたけど、銅メダルが獲得できて、少し心が救われました。

2021年の東京大会のあとにも、柏市と千葉県の表彰式にそれぞれ出席しました。

(2021年10月、柏市役所訪問時)
日頃より、柏市民の方々に応援していただいて、日本代表として、そして柏代表としてプレーできたことをすごく誇りに思っていますし、テレビを通してエネルギーを送ってくれたおかげでもあると思っています。

(2021年11月、4回目の千葉県知事特別賞の表彰式で)
お客様に自分のプレーを見ていただけたことが一番喜びでした。千葉県の特産品をいっぱい食べてしっかり回復して来年に臨みたいと思います。

引退と国民栄誉賞決定

2023年2月 引退会見

2023年2月の引退会見では、次のように話していました。

日頃から一番身近で支えてくれている妻や、テニスをするきっかけを与えてくれた母、天国で見守ってくれている父、今まで関わってくれたコーチ、トレーナー、マネージャー、車いすテニスの先輩方や関係者のみなさま、本当に僕自身を支えてくださってありがとうございました。若い車いすのテニスの選手が今、すごく増えて、どんどん海外にチャレンジしているので、自分がやってきたことが少し彼らに影響を与えることができたのかなと思うと、やってきた意味があったなと思えます。

アテネのパラリンピックの時は、まだまだ僕が金メダルを取っても、スポーツ欄になかなか載らない時期というのはありましたよね。それをどうにかスポーツとして扱ってもらいたい。車いすテニスを通して、車いすテニスってこんなに面白いんだ、予想以上にエキサイトするスポーツだねとか、そういった舞台に持っていかないと、結局なんというか、パラリンピックもよく共生社会だとか、共生社会の実現のためにみたいなことを言われますけど、結局スポーツとして感動を与えられたり、興奮させるものじゃないと、そこにも結局はつながっていかないんじゃないかなと思っていたので。
まずはスポーツとしてというところのこだわりは僕自身相当強く持ちながらプレーはしていました。東京大会が終わった後のあの反響というのは、ものすごく僕の中では、スポーツとしてというところの手応えがあったという出来事だったかなと思っています。

3月3日、政府は、国枝さんに個人として27人目となる国民栄誉賞を授与することを決めました。

松野官房長官

前人未到の快挙を成し遂げられ、パラスポーツの社会的認知度の拡大やスポーツの発展に極めて顕著な貢献をし、広く国民に夢と感動を、社会に明るい希望や勇気を与えた。今回の受賞が今後のパラスポーツ選手、ひいては障害者に勇気や希望を与えるとともに、共生社会、多様性が尊重される社会の実現につながることを期待する。

地元・柏のテニスセンターでは喜びの声

練習拠点にしていた柏市の「吉田記念テニス研修センター」には、祝いのボードが飾られ、関係者からは喜びの声が聞かれました。

70代男性

東京の金メダルを見せてくださったのですが、そのときは私もうれしかったし、国枝さんもとてもうれしそうな顔をしていました。本人の努力は周りに希望を与えてくれました。柏市の名誉ですし、これから、車いすテニスのプレイヤーをぜひ育てていってほしいと思います。

小学4年生

受賞はすごいと思います。大きな声を出して思い切り打つところがかっこいいです。面白くて、いつも笑ってて、声もかけてくれるいい人です。身近な人がそういう賞を取れて力をもらいます。ぼくも国枝選手みたいに、世界一になりたいです。

吉田好彦 代表

受賞を聞いて、素晴らしい、そして、やったなと思いました。リオ大会のころは、ひじのけがもあってとても苦しんでいて、スタッフたちも支えてきました。自分で思ったことをやり抜いて継続する力はすごいです。引退後も趣味の将棋などで地元の人との交流していました。彼のエネルギーがあれば、今後の道も必ず成功すると思いますし、我々も影ながら引き続き応援していきたいなと思っています。

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