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飼い主の高齢化 ペットの命を守る A.B.C-Z 橋本良亮さんも共感

  • 2023年03月14日
NPO法人「博愛会きんくている」理事長・岩瀬美咲さんとマスクちゃん

高齢の飼い主がある日、病院や施設に入ったら…残された愛犬や愛猫の命は?
FM『花ラジちば』では、そのヒントとなる千葉県茂原市のNPO法人「博愛会きんくている」の活動への取材を通じ今回、特集でリポートしました。
2匹のワンちゃん(ロワちゃん&コアくん)と暮らす橋本良亮さん(A.B.C-Z)も共感のリポートです。

橋本良亮さん(A.B.C-Z)
髙橋泉キャスター
※実はこの日で『花ラジちば』卒業となりました…。
髙橋泉キャスター

続いては、「花ラジ特集」です。

橋本さんは、愛犬のロワちゃん・コアくんと一緒に暮らしていらっしゃいますよね。
ロワコアちゃんを愛する橋本さんですから、ずっと一緒にいたいなと思っていらっしゃいますよね?

橋本良亮さん

もちろん、もちろん!

ただ、橋本さんにとってはずっと先のお話になりますが、人間の側が年を取って、どうしてもペットとの暮らしを断念せざるを得ないこともあるかもしれません。
そうした中、千葉県茂原市にあるNPO法人では、一般的な保護猫活動を行う中、病院や施設に入ることになったお年寄りから猫を引き受けて新たな家族を探す活動にも力を入れています。

(写真左上→右上→左下→右下の順に)虎太郎くん・もずくくん・レオくん・ずんだくん
オニキスくん

※ロケ前にマイクは消毒済みです。
※ラジオですので鳴き声を録音させてもらおうと…大きな鼻息もよく録れました💦
オニキスくん

(=・ω・=)にゃ~♥

「博愛会きんくている」というNPO法人の施設で暮らす猫の声です。
保護施設は20畳ほどのアパートの中に3つの部屋にあって、そこに現在(放送した3月10日現在)9匹の猫が暮らしています。
清潔に保たれた施設にはキャットタワーやベッド、ハンモックなどがあり、保護された猫が
「きんくている」での仮住まいに早く溶け込めるよう配慮されています。
 

「きんくている」という団体名には何か意味があるのですか?

はい。「きんくている」を和訳すると、「かぎしっぽ」・「鍵型のしっぽ」という意味です。
しっぽの形が鍵に似ている猫は「幸運をひっかけ、幸せをもたらす」という言い伝えがあります。
ご縁を結んだ猫もそうであってほしいという願いが込められています。
その「きんくている」の理事長を務めるのは、岩瀬美咲さん(28歳)です。
 

介護施設の事務員として働いておりまして、ケアマネさんたちが、自分の利用者様が施設に入所されるとか、病院に入院されるというときに、「飼っている猫ちゃんどうしよう」っていう相談といいますか話題が結構事務所で飛び交っていることが結構ありまして。で、元々猫が好きだったということもあって、その現状を変えられる何かをしたいなということがきっかけで始めました。

それにしても岩瀬さん、働きながらNPOの活動を続けるのは大変なのではないでしょうか?

そうですよね。当然、岩瀬さんの力だけでは保護施設の運営は回りません。
現在12人のボランティアの人たちが代わる代わる朝と夜に施設にやってきて、
ご飯やトイレなどの世話をしています。
日中は誰も世話ができませんが、そこはテクノロジーをフル活用しています。

施設には遠隔カメラが3台設置されています。
岩瀬さんは仕事の休憩時間、その遠隔カメラが撮影するリアルタイム映像をスマートフォンで見て、9匹の猫の様子を見守るのが日課です。

さらに、トイレもハイテクです。
AIセンサーが、今トイレをしているのがどの猫かを見分け、同時に体重や尿の量も測ります。
そのデータが逐一、岩瀬さんのスマートフォンに送られてきます。
中には人慣れしていなくて体重計に乗せることが難しい猫もいるため、継続的に体重を測れることはとても意味があるそうです。

カメラで見られるだけで安心ですよね。様子を見られるというのは。自分も家にカメラあって、ホントに仕事の休憩時間にも見るんですけれども、なんかやっぱり安心しますよね!

離れていても映像で確認できるのは、大切ですよね。

そうそうそう!


 「きんきている」がこれまでに新しい家族へ譲渡した猫は、2年半で34匹。
そのうちの5匹が、高齢者から引き受けて譲渡、または譲渡する予定の猫です。
一般的な猫の保護・譲渡活動とは異なる難しさがあると、岩瀬さんは話します。

高齢の方から引き受ける猫ちゃんは、子猫よりかは大人の猫ちゃんが多いんですけど、子猫ちゃんは、新しい家族を探すためのサイトでも、写真を見てかわいいとなることが多いので、お問い合わせいただくこと多いんですけど、大人の猫ちゃんは年齢の壁というところも、猫ちゃんの年齢にもよるんですけど、やっぱりそこがすごく大きな壁になっているなというのは感じます。

壁ですか…。その壁を岩瀬さんはどう打破しようと考えているのでしょうか?

はい。岩瀬さんは、「大人猫」には「大人猫」の良さがあると強調します。

子猫ちゃんよりかは体を壊しにくいといいますか、頻繁に体調を崩すというのが割と少ないというところと、あと、性格が確立しているので、自分が求めている性格の子とマッチングがしやすいかなっていう印象があります。

「きんくている」にいるうちの1匹、推定8歳から9歳の「大人猫」メスのマスクちゃんも去年の夏、施設に入ることになった高齢の方から引き取られました。
白い顔の中に大きく柄が入っていることから、元々「マスク」と呼ばれていたそうです。
 

マスクちゃん

ホントだ!本当にマスクしているような感じですね。

そうですね。かわいらしい!

柄も、すごく珍しい柄ですよね。かわいい!

そのマスクちゃんを岩瀬さんに託したのは、施設に入る高齢の方ではなく姪の方でした。

 

「どうしましょう」って感じでしたね。姪っ子さんが保護することも難しい。姪っ子さんなりに、いろんな方に飼えないかっていう相談をして、でも、そこもご縁がつながらなかったというところもあって、どうしたらいいかとすごく悩まれていました。

早くマスクちゃんの新しい家族が見つかるといいなと思いますけどね…。

実は!新たな家族が見つかって、今月(3月)中に譲渡される予定です。
新たな家族となる埼玉県川口市に住む40代の女性の方に伺いました。

40代女性の方

前に飼っていた猫ちゃんが、10歳すぎからお迎えしたような子だったので、似たようなシニアの猫でちょっと落ち着いた感じの子がいいなと思って、それでお迎えさせていただくことにしました。目を多少離しても、子猫ほど危険じゃないかなという安心感があるところがいいのかなと思っています。


一方で、岩瀬さんは、「高齢だから」という理由で新たに猫を飼うのをためらう地域のお年寄りに、少しでも猫がいる喜びを感じてもらえたらと考えています。
キーワードは、「預かりボランティア」です。
保護施設にはスペースに限りがあるため、NPOでは「預かりボランティア」として一時的に自宅で猫を預かってもらっています。
その「預かりボランティア」の存在を地域のお年寄りにより知ってもらうことで、猫がいる暮らしを少しでも取り戻してもらえたらと考えています。

やっぱり猫ちゃんがいるだけで生活が豊かになるというところはあると思うので、あきらめずに猫ちゃんと生活できる仕組みづくりというのをやれればなと思っています。高齢の方と猫ちゃんを含めて動物全般といいますか、そこの架け橋になりたいなというところは思っています。

岩瀬さんが考えていることは、どんどん進むこの高齢化社会のその先を見ているような感じがするなって思いましたね。

ありがとうございました。
「花ラジ特集」でした。



このWEB記事に掲載した内容は、『花ラジちば』ホームページ「コーナー聴き逃し」で音源をご確認いただけます(『3/10(金)放送 花ラジ特集 「飼い主の高齢化 ペットの”いのち”を守れ」』のアイコンが見つからない場合は、左右にスクロールしてください)。
配信期間は、放送日から1か月間(4月10日まで)です。
もちろん登録不要で期間中、何度でも繰り返しお聴きいただけます。

・・・

春。猫の赤ちゃんがたくさん誕生する季節です。
同時に春は、行き場のない猫が増える季節でもあります。
1匹でも多くの命がつながれるきっかけになればと、願いを込めて発信します。

  • 新井 信宏

    千葉局・コンテンツセンター

    新井 信宏

    『花ラジちば』は、熊谷・伊藤・髙橋各キャスターが制作を兼務して放送しています。各キャスターへディレクションするのが私の役割です。「黒猫感謝の日」生まれ。

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