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津田沼パルコ閉店前に 屋上で特別イベント 千葉・船橋 習志野

  • 2023年02月17日

2月28日で営業を終了し、45年の歴史に幕を閉じる千葉県の津田沼パルコの屋上で、16日、地元ゆかりのDJが企画した特別イベントが開かれました。平日の昼間でしたが、快晴にも恵まれ、青春時代の思い出が詰まった場所でひとときを過ごそうと多くの人が集まりました。

(千葉放送局記者 金子ひとみ)

津田沼パルコの屋上が開放!

空が澄んで晴れ渡った2月16日木曜日。

屋上

JR津田沼駅前にある津田沼パルコA館の屋上が特別に開放されました。

平日にもかかわらず、老若男女100人ほどが続々と集まりました。

2月末で閉店

1978年

1977年の開業以来、地域のシンボルとして親しまれてきた津田沼パルコ。

2月28日、45年の歴史に幕を閉じることになっています。
パルコの親会社のJ.フロント リテイリングは、「津田沼駅周辺の再開発に伴って、ほかの商業施設との競争が激しくなり店舗の賃貸契約が満期を迎えるのを機に閉店を決めた」としています。 

“青春時代の思い出の場所”

阿部新太郎さん

地元・船橋出身のDJ・阿部新太郎さん(48)にとって、津田沼パルコは、青春時代の思い出が詰まった場所です。

阿部さん

小学校のころは、おもちゃ屋さんのプラモデルのコンテストで入賞して自分の作品が店先に飾られたのがすごくうれしかった。10代のころは店内に入っていた2軒のCD屋をはしごして、お金もないのに遊びに来てました。わざわざフリーペーパーもらいに来たり。『パルコでインプットしたいな』って。今も使ってるターンテーブルを買ったのも、ここ。当時は屋上にも自由に入れて、よくさぼりに来てました。思い出尽きないです。

参加者はテントやレジャーシート持参可で、飲食自由とした

閉店前に、「パルコにサヨナラを言える場を作りたい」と今回のイベントを企画した阿部さん。誰もが気軽に立ち寄ってほしいと入場は無料にしました。屋上の会場使用料は、パルコが無料で貸し出してくれたそうです。それでも、「中古の軽自動車が1台買える分ぐらい」かかった費用は、阿部さんの持ち出しです。

阿部さん

賛同してくれる友達に手伝ってもらいながら、かなりDIYなイベントなんですけど、僕と同じように『パルコとお別れしたい』と思っている人のための場を作りたいと思ったんです。力抜いておのおの過ごして、隣の人と思い出話をしてくれたりするとうれしいなとも思っています。

ハッチハッチェルさん

イベントのハイライトは、同じく地元出身の音楽家でEテレの音楽番組「ムジカ・ピッコリーノ」に出演するハッチハッチェルさん(55)率いるバンドの演奏です。

ハッチェルさんは、市立船橋高校に通っていたとき、よくパルコに立ち寄っていたそうで、当時のエピソードなども披露しました。「おかえり、ただいま」や「サイゼリヤのうた」で会場は一体となって大盛り上がりでした。

合間には、館内を練り歩きながら演奏も行いました。

ハッチハッチェルさん

僕、新京成沿線に住んでたんですけど、高校時代、JRに乗り換えるのがこの津田沼駅だったので、毎日パルコの前を通ってました。40年ぐらい前の話です。かっこいい服を着てモテたいなと思ってね、無理して、デザイナーズなんとかみたいな服買ったり、喫茶店に寄ったり。6階のレストラン街にもよく行きました。青春の思い出です
津田沼の中心だったパルコが無くなるのは本当に寂しい。演奏してるうちに泣くかもしれない。なかなか帰って来ることができないんですけど、たまに帰ってきて、津田沼のこと忘れないようにしたい。

それぞれの“思い出の場所”

30代女性

きょうは友達に誘われて1歳の娘と来ました。高校時代に電車で津田沼を通って高校に行ってたので、帰りに友達とここの洋服屋や雑貨屋に寄り道をしてました。青春が詰まっている場所です。今は、使い方が変わって、子どものものや生活用品をここで買っています。
地元ゆかりのアーティストがライブをやってくれて、すごくありがたかったです。お酒を飲みながら聞きたいなと思ってました。子どもも体を揺らしながら聞いていて、楽しさが伝わったのかなと思います。パルコは閉まってしまいますが、今後も子育てしやすい町になってほしいです。

50代女性

パルコは目印というか、そこにあるのが当たり前、いつもあるものっていう感じだったので、閉まるって聞いて、信じられなかったです。今は鎌ケ谷に住んでいますが、津田沼に来ると、いろんなことを思い出します。
きょうは知り合いがこのイベントに参加しているので来ました。地元に帰って演奏してくれたのはうれしい。
津田沼はこれからも、若い人からいろんな年代の人まで集まる場所になるといいなと思います。

親子3人で訪れた参加者

「この近くに住んで10年弱ですが、ここには日々来ています。子ども用品店、カフェ、雑貨屋、楽器屋、いろんな店に通っていて、なくなったらどうしようという感じ。津田沼にはほかにも大型ショッピングセンターがいろいろあるので、このあとも競合しながら、若者の活気あふれる場所であってほしいですね」

阿部さん

天気もよくてね。皆さん、楽しめたようで、ほんと何よりだと思ってます。また会える日まで、ごきげんよう!

取材後記

去年12月、津田沼パルコや地元商店会などが企画したイベント、「プロジェクション・マッピング」を取材しましたが、想像をはるかに超える来場者数でした。来ている方に感想を聞くと、みなさん、熱いエピソードや思いを語ってくれ、私も高揚感を味わいました。
その際、「津田沼」や「パルコ」の存在の大きさを実感した次第で、今、自転車操業でいろいろ取材しています。今後もWeb記事やショート動画など展開していきますのでよろしくお願いします。

  • 金子ひとみ

    千葉放送局

    金子ひとみ

    船橋市も習志野市も担当しています。船橋駅周辺、津田沼駅周辺でよく買い物します。

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