アメリカの投資ファンドによる「そごう・西武」の買収協議で、店舗の取得に参加する家電量販店大手ヨドバシホールディングスの出店計画案が明らかになりました。
「そごう千葉店」では東側の「ジュンヌ館」に出店するということです。
そごう・西武をめぐっては、親会社のセブン&アイ・ホールディングスがアメリカの投資ファンドに売却することを決め、ヨドバシホールディングスはファンドのパートナーとして店舗の取得に参加しています。
関係者によりますと、ヨドバシの出店計画案では、そごう・西武の全国10店舗のうち3店舗で家電量販店を出店するとしています。
このうち「西武池袋本店」では、建物の北側の部分でフロアの大半を家電量販店に変える計画です。ただ、海外の高級ブランドが入る1階部分をめぐっては、地元などから出店に反対する声もあり、調整を進めていく方針です。
また、「そごう千葉店」では東側の「ジュンヌ館」に出店するほか、「西武渋谷店」についても一部に出店することを目指すとしています。
一方、福井県で唯一のデパートとなる「西武福井店」などそのほかの7つの店舗には出店しない計画です。
投資額は3000億円規模で、ヨドバシは、株式の取得や役員の派遣は行わず、デパートの経営には関与しない方針で、予定している来月中の買収の完了に向けて関係者の間で調整を進めています。
「そごう千葉店」が立地する千葉市の神谷市長は1月23日、「これまで店舗が担ってきた機能や役割を理解し、できるだけ継承してほしい」などとする要望書を「そごう・西武」側に提出したことを明らかにしました。
要望書では、千葉店はまちのシンボルだとしたうえで、「フロアの構成や、落ち着きのある店舗の玄関口と周辺の街並みやデザインとの調和などに十分配慮しながら今後の検討を進めてほしい」などとしています。
「そごう・西武」は「現時点で今後のことは言えないが、千葉市の意向は承知した」と応じたということです。
神谷市長は取材に対し、「千葉市は、今のそごうの玄関やそごう前広場の存在を前提に、まちの賑わいを創出するグランドデザインを描いているので、そのデザインに沿った展開にしてもらいたい」などと話しました。
「そごう・西武」の売却に際しては、家電量販店、ヨドバシカメラの持ち株会社の「ヨドバシホールディングス」がパートナーとなり、一部の店舗を取得して家電量販店を展開する方針で、12月、東京・豊島区の高野区長が、「街は家電だけではなく、いろいろな商店で形成されている。低層部に入るのは反対だ」と発言するなど各店舗の今後のあり方に注目が集まっていました。
2022年11月、セブン&アイ・ホールディングスは、経営不振が続く傘下のデパート、「そごう・西武」をアメリカの投資ファンドに売却すると正式に発表しました。
この発表を受けて、そごうの店舗がある千葉市では、さまざまな声が聞かれました。
店舗がどうなるかわかりませんが、残念だなと思います。地域の象徴的な存在だった百貨店が厳しい経営環境にあるのは寂しいですね。
残念というより、次にどんなテナントが入るのか、これから楽しみのほうが大きいかもしれません。
50代の女性は「驚きました。売却先が外資だということで、昔ながらの百貨店が失われるかもしれず、さみしい気持ちです。長年利用しているので、できればいまのまま、営業を続けてほしい」と話していました。