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子育て支援 保育の質や小学校教科指導充実 千葉県新年度予算案

  • 2023年01月27日

少子化対策がさまざまなところで議論になっています。
政府は少子化対策を最重要政策に位置づけ、東京都は18歳以下に月5000円を給付する少子化対策などを新年度予算案に盛り込みました。
千葉県が発表した新年度予算案も、「子ども」関連の事業では、今年度・2022年度当初予算より82億円多い1026億円を計上しています。
このほか、県の新年度予算案に盛り込まれた事業や千葉県の台所事情についてお伝えします。

新年度予算は2兆1971億円

1月25日、熊谷知事は、来年度1年間、千葉県として必要な「お金の使い道・経費」を見積もったところ、2兆1971億円になったと発表しました。いわゆる一般会計の当初予算案の総額を表します。

新型コロナウイルスに対応する経費をのぞくと1兆9152億円となり、過去最多です。
高齢化の進展にともない、高齢者の医療や介護への負担が増えていることなどが影響しているということです。

「子ども」関連は

ラッカ星人

やっぱりなんといっても『子ども』分野の事業が気になるナ。4月にこども家庭庁が発足するし、岸田総理大臣は『異次元の少子化対策』を打ち出している。東京都の小池知事も18歳以下に月5000円を給付する方針を決めるなど、国や各自治体の活発な動きが最近、目立つよね。

千葉県の新年度予算案で、「子ども」関連の事業では、今年度・2022年度当初予算より82億円多い1026億円を計上しています。

▼保育の質の充実に向けた取り組みの推進 2400万円
・人口10万人以上の市の保育施設100か所を対象に保育の環境や保育士の関わり方の調査・分析事業
・屋外での自然体験などの自然保育に取り組む保育施設を県が認証して支援する制度創設 
など

▼小学校の専門的な教科指導の充実 4億 600万円
割合や図形などつまずきがちな5年生の算数の授業で年間50日ほど塾講師による指導をモデル校3校で取り入れる
・80の小学校の3・4年の算数と理科の授業で、専門性を持つ非常勤講師(退職した教員など)を配置する
など

▼教員不足解消に向けた緊急対策事業 4000万円
・千葉大学教育学部と協力して県内で教職に就く学生を入学直後から育成する
・人材サービス会社と連携した訴求力の高いプロモーション
など

▼ヤングケアラー支援体制強化事業 2145万円
・ヤングケアラーやその保護者の相談に対応し、支援につなげる「ヤングケアラー・コ ーディネーター」の配置
・家事や家族のケアなどについての情報共有する「ピアサポート・オンラインサロン」 の設置
など

▼児童相談所の機能強化 9億8689万円
・民間企業と連携するなど、職員確保に向けた広報強化
松戸市・印西市への児童相談所新設柏・銚子の児童相談所建て替えに向けた設計
など

熊谷知事

子育て・教育では、負担軽減も大事だが、配るだけが能ではないと思っている。国の『異次元の少子化政策』の内容を注視しつつ、千葉県としては教育現場の能力や保育の質の強化に取り組み、『質』の部分で千葉県を選んでもらえるようにしたい。

その他の「気になる」事業

ラッカ星人

来年度予定している新たな事業の数は54件で、直近10年間で最も多いそう。新たな事業の中で、ラッカが気になった事業をいくつか紹介するラッカ。

▼地震被害想定調査 1670万円
・近い将来、千葉県に影響を及ぼす可能性の高い地震に対し、起こりうる被害像を明らかにする。来年度は、県南部の5か所で、精密なボーリング調査などを実施。

▼さつまいも生産拡大緊急プロジェクト事業 1億円
・国内外で需要が急拡大する一方で、全国的に供給が不足しているさつまいもの生産や流通体制の強化への補助など

▼飼料の自給促進 8500万円
・豚や牛など家畜向けの輸入飼料の高騰を受け、飼料用とうもろこしや牧草の生産に取り組む農家への補助

▼周産期母子医療センター医師確保事業 800万円
・24時間365日、患者を受け入れる周産期母子医療センターでこれまで以上に医師を確保するため、研修等にかかる経費の補助

熊谷知事

県庁の組織として新しいことにチャレンジすることが大事で、新規分野に挑戦する風土が現れてきた結果、新規事業が多くなった。堅実な予算編成だが、『未来への投資』を意識した

ラッカ星人

ちなみに来年度の国の予算案は114兆3812億円だよ。東京都は8兆400億円です。ラッカが調べたところ、千葉県は、予算案の発表時期がほかの都道府県に比べて早いようだよ。京都府も発表されていたけど、1兆302億円でした。
2兆円は、1万円を積み上げていくと、20kmの高さにもなるほどの額なんだって!

歳入

ラッカ星人

次に、事業を進めるために必要なお金はどうやって集めているのか、『歳入』についてだよ。
歳入のおよそ4割は『県税収入』。県税の種類は10以上あるんだけど、景気の回復で『法人事業税』や『個人県民税』が増加することや、円安にともなう輸入額の増加で『地方消費税』が増加することを見込んでいて、『県税収入』は、直近10年間で最も多い9300億円を見込んでいるんだって。

熊谷知事

これまではインフレがなかったので、税収が増えるということに慣れないところがあったが、物価が高騰すれば税収は増える。しかし、一方で、工事費や改修費などの諸経費が今後どんどん追いかけるように増えていくわけですね。ですから今この瞬間、千葉県はじめ全国の自治体は収支がものすごくいいように見える
それもあって、全国の自治体がかなりお金を配る的な事業をやっています。それは否定するものではなく、大事なことだが、今後、支出もこれからどんどん上がってくることに中長期的な財政見通しを持った上で責任を持てる予算の使い方をしていくことが重要ではないかなと思っています。

貯金や借金

ラッカ星人

最後に貯金や借金の状況だよ。
貯金にあたる財政調整基金はおよそ500億円を取り崩し、残高が455億1000万円、県民ひとりあたりに換算すると5万4223円です。
一方、借金にあたる県債残高は3年連続で減少し、2兆9418億円。3兆円を切るのは10年ぶりです。県民1人あたりに換算すると47万8492万円です。
国に頼らない自主財源の歳入全体に占める割合は66.2%で、この10年で最大です。

熊谷知事

千葉県は、これまでの財政運営が非常に堅実に行われているというふうに思っています。ですので決して別にめちゃくちゃいいというつもりはありませんけれども厳しいという必要もない、そういうニュートラルな状態だというふうに思ってます。この状況をしっかりと崩さないようにしながらも将来への投資を行っていく、十分にそれが可能な基盤はあるというふうに思っています。

新年度予算案は、2月に始まる県議会に提出される予定です。

  • ラッカ星人

    千葉放送局マスコット

    ラッカ星人

    自治体の予算案や事業の内容に興味津々です。

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