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関東の3人組“連続強盗” 千葉 大網白里事件で自衛官を逮捕

  • 2023年01月17日

19日、東京・狛江市の住宅で90歳の女性が両手を縛られて殺害されているのが見つかった事件。発覚のきっかけとなった情報は、大網白里市で起きた別の強盗傷害事件の捜査過程で浮上したものであることが、捜査関係者への取材でわかりました。
関東地方では今月、3人組による強盗傷害事件が相次いでいて、千葉では市川市と大網白里市で、3人組が店舗に押し入る窃盗や強盗事件が2件起きています。
警察は相次ぐ事件に関連がないか捜査を進めています。
(19日の狛江市の事件を受けて20日、記事を更新しました)

千葉の事件の捜査で浮上

19日、東京・狛江市の住宅で、この家に住む90歳の女性が両手を縛られ殺害されているのが見つかった事件。発覚したのは「この家が強盗に狙われている」という千葉県警からの情報がきっかけでした。

19日夕方、狛江市駒井町の住宅で、住人の大塩衣與さん(90)が両手を縛られた上、顔から血を流して死亡しているのが見つかり、警視庁は、室内が荒らされて物色された跡があったことから、強盗殺人事件として捜査しています。

事件は、19日午後、「この家が強盗に狙われているのではないか」という千葉県警からの情報提供を受けた警視庁の警察官が、現場を訪れて発覚したことが分かっています。

千葉県では、ことしに入って関東一円で強盗傷害事件が相次ぐなか、今月12日、3人組とみられるグループが大網白里市のリサイクルショップに押し入る強盗傷害事件がありました。この事件で千葉県警は、事件の翌日、実行役の1人として20代の自衛官を逮捕していたことが、捜査関係者への取材で新たに分かりました。

その後、この自衛官の携帯電話を調べたところ、強盗殺人事件のあった狛江市の住宅の情報が記録されていたことがみつかったということです。

関東地方では今月に入り、茨城や神奈川などで、刃物などを持った3人組が住宅に押し入り現金を奪う強盗傷害事件が相次いでいることから、警視庁は今回の事件との関連について捜査しています。

複数グループ関与か

警察は、一連の事件の関連を捜査していますが、現場の状況や手口などから、複数のグループが関わっているとみられることが、捜査関係者への取材でわかりました。

防犯カメラの映像などから、茨城県の龍ケ崎市とつくば市の事件とさいたま市の事件、それに千葉県市川市の事件などは同じ実行犯グループが関わった疑いがあるということです。
一方、千葉県大網白里市の事件については別の実行犯グループの可能性があるということです。

都内ではほかにも、店舗が狙われる事件が起きていて、警察は一連の事件との関連を調べるとともに、これらのグループに指示薬がいるとみて捜査しています。

千葉県での事件①市川市(9日)

1月9日午後7時前、市川市の質屋「かんてい局市川インター店」で、3人組の男がショーケースをハンマーのようなものでたたいているのを店長が見つけ、警察に通報しました。
すぐに警察官が駆けつけましたが、ショーケースのガラスが割られ、陳列されていた海外製の高級腕時計などおよそ20本、販売価格にしてあわせて460万円相当が盗まれていました。

これまでの調べで、犯人は3人組のグループで、午後7時に閉店する直前に入り口から侵入してきて、客のいない店内で10分ほどの間に腕時計を盗み出し、逃走したということです。

3人の特徴(警察によると)
▼身長1メートル70センチほど ▼黒色のパーカー ▼白いマスク

警察は窃盗事件として逃げたグループの行方を捜査しています。

防犯カメラの映像には

店の防犯カメラの映像によりますと、男らが店に入ってきたのは閉店間際の午後6時47分ごろ。
最初は1人でした。黒のパーカーにグレーのズボン、メガネとマスクをかけています。

防犯カメラの映像より(提供:株式会社夢現)

店内を一回りし、すぐに出て行きます。
その5分後、男は仲間と見られる黒のパーカー姿の男2人と再び店に現れます。
グレーのズボンの男は右手にハンマーを持っています。

防犯カメラの映像より(提供:株式会社夢現)

3人は何も買わずに一旦、出口に向かいますが、このうち、2人が店内に戻ります。

そして、ハンマーでショーケースのガラスをたたき割り、中にあった高級腕時計などおよそ20本、460万円相当を盗んでいきました。

防犯カメラの映像より(提供:株式会社夢現)

この間、1分余り。残りの男は店の玄関でとどまり、自動ドアが閉まるのを防いでいました。

当時、従業員は店の奥にある事務所にいて、防犯カメラの映像などから犯行に気付きましたが、その場にとどまったため、けがはありませんでした。

質屋の運営会社の佐藤正明社長は「現場に遭遇し恐怖を感じましたが、従業員の安全を第一に考え、店の中には出ませんでした。早く捕まって欲しいです」と話しています。

千葉県での事件②大網白里市(12日)

3人組によるとみられる事件は、大網白里市でも起きました。

1月12日午後7時半ごろ、大網白里市のリサイクルショップで、客を装った男2人が、店内にいた76歳の内藤政行店長に近づくと、突然、内藤さんの顔面を拳で殴りました。
内藤さんは金を要求されましたが、その後、2人は何もとらずに逃げました。

内藤さんによると、当時、男2人が相次いで押し入り、突然、殴りかかってきた上、「金庫はどこだ」などと脅してきたといいます。
暴行は3分ほど続き、内藤さんは手首を粘着テープで縛られそうになりますが、必死に抵抗。
すると男らは何も取らずに立ち去ったといいます。

内藤さんは顔に全治2週間のけが

内藤さんは顔を6針縫うなど全治2週間のけがをしました。

内藤店長

当時は混乱して何が起きたのか、わかりませんでした。本当に怖かったです。

防犯カメラの映像には

取り付けられた防犯カメラ

店の防犯カメラの映像によると内藤さんを襲ったのはそれぞれ▽白のパーカーと▽黒のパーカーを着た男2人。
店の正面に車で乗り付けていました。

そして、車には運転手役の1人が残っていたとみられ、犯人は少なくとも3人組とみられています。

また、映像では店内に置かれた間仕切りが揺れている様子が確認できます。
内藤さんはこの裏で男らに襲われていました。

事件直前に不審な電話

内藤さんによりますと、事件の直前の午後6時半ごろ、客を装った電話が店にあったということです。

電話は男の声で、いまから来店するとして、午後7時の閉店を遅らせるよう求めたといいます。
関連はわかっていませんが、事件はこの電話からおよそ1時間後に起きています。

内藤店長

こうした電話はよくあることで、不審だとは思いませんでした。電話の声は20代くらいの若い男に聞こえました。

2人の特徴(警察によると)
▼身長1メートル70センチくらいの中肉
1人は▼白いパーカー ▼黒いズボン ▼黄色いスニーカー
もう1人は▼黒いパーカーとズボン ▼黒のスニーカー

警察は強盗傷害事件として逃げた3人の行方を捜査しています。 

内藤店長

同じような事件が相次いでいるようなので、早く捕まえてほしい。

関東地方で相次いで・・・

警察によりますと、14日未明、茨城県龍ケ崎市の住宅に3人組の男が押し入り、この家に住む70代の夫婦の手足を粘着テープで縛ったうえ包丁で脅し、現金およそ2万5000円を奪って逃げました。

それから3時間後にはつくば市の住宅にも3人組の男が押し入り、現金およそ80万円などを奪って逃げました。

このほかにも▼9日に川崎市宮前区で、▼10日に栃木県足利市で、▼12日にさいたま市西区で、住宅を狙った強盗傷害事件が起きています。

5件の特徴(捜査関係者)
▼3人組による犯行 ▼未明から早朝にかけて窓ガラスを割って侵入
▼粘着テープのようなもので被害者を縛るなど、手口に共通点

警察はことしに入ってから関東地方で相次いでいるこれらの事件に関連がないか、防犯カメラの映像を分析するなどして捜査を進めています。

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