ページの本文へ

ちばWEB特集

  1. 首都圏ナビ
  2. ちばWEB特集
  3. 飲酒運転根絶へ 八街の事故繰り返さない 改正条例が成立 千葉

飲酒運転根絶へ 八街の事故繰り返さない 改正条例が成立 千葉

  • 2022年12月20日

2021年6月、千葉県八街市で下校中の児童5人が飲酒運転のトラックにはねられて死傷した事故を受けて、千葉県では飲酒運転をなくすための条例が成立。ことし1月、施行されました。しかし、その後も県内で飲酒運転の検挙件数は減らず、今回、さらに厳しく、飲食店側に罰則がある内容の改正条例が成立することになりました。同種の都道府県条例があるのは福岡、和歌山に続いて全国で3例目です。

(千葉放送局記者 坂本譲)

改正条例 さらに厳しく

千葉県議会で20日、飲酒運転をした人にアルコール類を提供した飲食店などがその後に適切な対応をとらない場合、県が店名などを公表することができることなどを盛り込んだ改正条例が、成立しました。

改正した条例の内容は以下のとおりです。

▽飲酒運転で検挙された人にアルコール類を提供していた飲食店が判明した場合、県はその営業者にその旨を通知し、アルコール類を注文した客に対し、店を出たあとの交通手段や飲酒運転をしないことを確認することなどを義務付ける(これまでは努力規定)。

▽上記の通知を行った飲食店などへ立ち入り調査を行い、飲酒運転の防止措置がとられていない場合、県は飲食店営業者に対し、客の飲酒運転を防止するために必要な指示ができる

▽上記の指示に従わない飲食店があった場合、県は、該当の店を公表したり、県が出した指示の書面を掲示させたりすることができる

▽書面掲示の命令に反した場合、県は、飲食店営業者に5万円以下の過料を科す

従業員が通勤時に飲酒運転で検挙された場合、事業者に通知を行い、アルコール検知器などを使って飲酒運転を防止する措置を取ることなどを義務付ける(これまでは努力規定)。

▽県や関係団体などで構成される千葉県飲酒運転根絶連絡協議会で、飲酒運転を防ぐための教育や啓発などの内容を盛り込んだ「飲酒運転根絶計画」を策定する。

など

背景には・・・減らない『飲酒運転』

今回、県議会でさらに厳しい内容の改正条例が成立した背景には、県内で飲酒運転の検挙が減らないことがあります。

千葉県では去年6月、八街市で下校中の児童が飲酒運転のトラックにはねられて児童2人が死亡、3人が大けがをした事故を受けて、飲酒運転の根絶を目指す条例が成立しました。

県がつくったパンフレット

この条例では、

▼県民に対して、飲酒運転をしないことや県の施策に協力すること
▼飲食店などに対し、客が飲酒運転をするおそれがある場合には警察へ通報するよう努めること
▼車両を運行するすべての事業者に対し、アルコール検知器などを使って運転手が酒気を帯びていないか確認するなど、必要な措置を講じるよう努めること

などが盛り込まれました。

しかし、ことし1月からの条例施行後も飲酒運転はなくなりませんでした。千葉県警察本部によりますと、県内の飲酒運転の検挙件数は、条例が施行されたことし1月から11月までの間で1069件。去年の同時期の1003件を上回りました

飲食店は

条例が改正され、飲食店側の義務が増えることを、経営者はどう受け止めているのでしょうか。

千葉市中央区のこちらの飲食店では、以前からアルコール類を提供する際には交通手段を確認したり、運転代行を紹介したりしています。

旨いもん食堂かどや 
澤永真佐樹店長

条例を厳しくするのは、それはもう当然のことだし、飲酒運転ってやっぱ事故を起こしてしまってからでは大変だから、大賛成です。事故を起こしてしまったら結局後悔することになるわけだし、そこを未然に防ぐためと考えると厳罰化も仕方ないと思います。

この店舗は市街地にあり、直接車で来店する人は少ないということですが、電車で自宅の最寄り駅まで戻った後に車を運転するケースなども考えられることから、確認を徹底しているということです。

店に置いてある運転代行の案内
澤永真佐樹店長

うちの店では、『代行もありますよ』とか、『車じゃないですよね』とか、いつもお客さんには聞いてます。ただお客さんが店を出た後は見張るわけにもいかないので、店と客との信頼関係しかないですね。これからは今まで以上に確認を心がけたいです。

県によりますと、飲酒運転についての都道府県条例で罰則規定があるのは福岡県と和歌山県のみで、今回で3例目です。
この改正条例は、事故からちょうど2年となる来年6月28日から施行されます。

取材後記

今回行われた条例の改正。改正にあたっては、主に飲食店や事業者に対しての内容が書き加えられました。酒を提供する側、管理者側の目を光らせることにより、飲酒運転が減ることを期待しています。
しかし重要なのはやはり「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」という当たり前のことを、飲酒をする当事者側がしっかりと守ることです。「少ししか飲んでないから…」や「ちょっとの距離だから…」など、『大丈夫』という過信は絶対にいけません。この記事を読んでいるあなたや、あなたの大切な人たちを守るためにも、重ねてお願いをしたいと思います。

  • 坂本譲

    千葉放送局記者

    坂本譲

    2020年入局。八街の事故発生当時から、千葉県内の通学路問題や事故当事者の取材を続ける。報道を通じて今後、飲酒運転が無くなることを願うばかりです。

ページトップに戻る