深紅の大優勝旗が初めて白河の関を越えた今夏。千葉代表の市船も神応援曲「市船soul」を響かせ、熱く燃えました。青春って密なんですーーー。選手たちの声をお伝えします。
(千葉放送局記者 金子ひとみ)
8月25日午後4時の船橋市役所9階の大会議室。市立船橋高校野球部の3年生15人と海上雄大監督が、松戸徹市長と面会し、甲子園球場での経験を報告しました。
大会前からたくさんの応援してくださる声が聞こえていました。スタンドも地元の方々で埋まり、その後押しを受けて、選手たちはグラウンドで躍動してくれました。結果として2回戦で6対8という形で負けてしまったんですけれども、この選手たちは市船の野球部の歴史を新しく切り開いてくれた選手たちですので、彼らの背中を見て育った後輩たちがまたこれからさらに甲子園一勝、それ以上の成績が残せるように選手とスタッフ一同、努力していきたいと思います。
甲子園に行くまでにいろいろなことを思い、さまざまなことがあったんですが、甲子園という地を一歩踏んだときには、本当にこのメンバーと野球を続けてきてよかったなと思うことができました。1回戦でサヨナラ勝ちできたのもたくさんの方々の応援があったからだと思っています。また来年、1・2年生がこの船橋市役所に戻って来られるように、これからは自分たちが一生懸命サポートしていこうと思います。
今までご声援、ありがとうございました。甲子園で校歌を歌うという目標を達成できて、あらためてたくさんの人に応援してもらっているんだなと実感することができました。また、野球の18歳以下のワールドカップ、日本代表に選ばれました。日本は世界一を取ったことがなく、自分たちの代で世界一が取ることができるよう、少しでもチームに貢献できるよう頑張っていきたいと思います。
今回の甲子園出場は私は市船野球部の新しい歴史を作ってくれましたし、それと同時に市民の心を1つにしてくれた、本当に船橋市にとって大きな財産になったと思います。
報告の後には、松戸市長との懇談が行われました。
グラウンドに立って、アルプススタンドがスクールカラーの緑に染まっているのを見てどうでしたか?
球場に入ったときに、自分たちは3塁側だったんですが、そこから見たときに緑が多くて、びっくりしました。
初戦の最初は緊張しましたか?
県大会と同じで、緊張はしなかったです。
市立船橋の吹奏楽部でトロンボーンを担当し、がんのため20歳で亡くなった卒業生の浅野大義さんが作り、「演奏するとチャンスが広がり、得点をあげられる『神応援曲』」と言われている市船soulの話題も出ました。
市船soulが聞こえたときは、気持ち的には、よしっていう感じになりますか?
やっぱり市船ソウルはほかの応援歌と違って力になる、どこからか力がみなぎってくる歌です。
1回戦、9回裏にサヨナラの押し出しデッドボールを受けましたね。ボールが向かってきたときの気持ちは?
当たった瞬間は、「当たったな」としか思わなかったです。痛くもなかったです。
石黒くんは足が速くて守備ですごく難しい球も取っていたけど、守っていた感じは違いましたか?
ほかの球場と比べても自分的にはボールは見やすかったです。
福井県の敦賀気比高校との2回戦。5点を追う9回に3点を返し、2点差まで追い上げた
試合については。
2回戦で負けたあと、対戦した敦賀気比高校の選手と笑顔で握手していましたが、自然に笑顔が出たのですか?
自分たちの持ち味は粘り強さということで、最後、負けてしまったんですけど、最後の最後までスタンドの人と一体になって攻撃できたので、悔いはなかったです。
みんなはこれから野球を続けていきますか?
ここにいる全員が、大学、もしくはプロなど含めて野球を続けていきます。
報告会のあと、宮主将、森本投手、髙山琉河記録員の3人に個別に話を聞きました。
家の前で素振りしているときや電車で帰っているときに、声をかけてくださる人たちがいて、本当にうれしいです。チームのことで自分はずっと監督に怒られて来ていました。ちゃんとやらせてるのになあと思うこともあったけど、今終わってみて、海上先生が、自分のために言ってくださっていたのだと分かりました。今後の財産ですし、感謝しています。
一番つらかったのはどういうときでしたか?
石橋と森本が練習中なのに歌を歌い始めて、それを怒られました。そのときに自分はケガをしていて、プレーできる状態じゃないままキャプテンに立候補していて、辞めようかなあと悩んでいるときが一番つらかったです。でも、プレーをしていない選手の言うことを聞くというのも、自分がキャプテンじゃなかったらできなかったかもしれない、などと考えました。自分から立候補してキャプテンになり、最後まで我慢して続けてきて良かったなと思います。
宮主将が、森本選手が練習中に歌を歌ったことがあると言っていたのですが、覚えていますか?
もちろん覚えています。『100万回の“I love you”』という歌でした。雰囲気みたいなのがあって、流れで歌っちゃったんですけど、今思うと、正直、何やってたんだろうって。そのときのことだけじゃないんですけど、迷惑かけて、ごめんねって。部員が多い中でチームをまとめてくれて、最後までキャプテンをやってくれて感謝しています。
今後の目標を教えてください
プロ野球選手を目指し、プロ野球選手でも日本代表になれたらなというふうに思ってます。市船では、チームに恵まれたのが一番大きくて、みんなといっしょにここまでやってこれたというのがいい経験になるのかなと思います。
いちばん近くにいた髙山さんから見た選手たちの変化はどうですか?
試合前から2週間ぐらいホテルに滞在しました。戦っていく上で重要なポイントが体重を落としてはいけないというところで、選手たちもたくさん食べることに慣れていったのかなという感じがしています。
最後に、応援してくれた人たちへのメッセージをお願いします。
甲子園で1勝して校歌を流すというのを目標にしてやってきたので、それが実現して、充実した気持ちになったし、市船の粘り強さを最後まで見せることができたから、やり切って終わることができたなと思います。たくさんの応援ありがとうございました。これから後輩たちの応援もよろしくお願いします。
部活動の強豪校として有名な市立船橋高校。この夏の活躍は野球部だけではなく、四国で開催されたインターハイでは、体操男子の団体総合と陸上競技の女子4×400メートルリレーと女子三段跳びで全国優勝しました。
暗い話題が多い中で、気持ちが明るくなるニュースを届けてくれる市船生の今後の飛躍に期待したいです。