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あのタンタンメンが、空を飛んだ!! 千葉県勝浦市

  • 2022年02月21日
“空を飛んだ”勝浦タンタンメン

「タンタンメンをドローンでお届け」。近い将来、そんな日が訪れるかもしれません。千葉県勝浦市でドローンを使った出前の実証実験が行われました。その狙いとは?

タンタンメンが空を飛ぶ!! 

実証実験は全長1メートル余りある大きなドローンを使って、タンタンメンをおよそ1点7キロ離れた目的地まで無事、届けることができるか確かめるものです。用意されたドローンは、全長1メートルあまり。6枚のプロペラが生み出す揚力で、最大5キロの荷物を運ぶことができます。さらに、ドローンが傾いても、タンタンメンのスープがこぼれないよう、荷物を納める容器が常に水平を保つことができるよう特殊な装置が備え付けられています。

なぜ、ドローン その狙いは?

なぜ、このような実験が行われたのでしょうか?そこには勝浦市が抱える課題がありました。
勝浦市は房総半島の外側、太平洋に面した人口1万6000人余り。古くから漁業で栄えた港町で、最近では温暖な気候が好まれ、観光・リゾート地としても人気を集めています。しかし、高齢化や人口減少、それに交通機関が少ないことなど地方が共通する悩みを抱え、日常の買い物にも困る高齢者も少なくありません。そこで、地元の商工会などが中心となって、ドローンの活用で課題を解決できないかと考えたのです。

タンタンメンは無事、飛んだのか?

実験はうまくいったのでしょうか。
2022年2月11日。会場となる広場に多くの人が集まっていました。ドローンに乗せられたのは、「勝浦タンタンメン」。醤油スープにラー油をたっぷりといれたピリ辛味で、市内のおよそ40の飲食店が提供する勝浦自慢のご当地グルメです。今回はテイクアウト用の容器に入れて“出前”します。

大勢の人が見守る中、タンタン麺を載せたドローンは、無事離陸。あっという間に空を飛んでいきました。

そして、10分後、目的地となる1点7キロ離れた公園に無事到着。

気になるのはタンタン麺。容器はそのまま、スープのこぼれもありませんでした。タンタン麺は、“出前”を待っていた人たちが、あっという間にたいらげていました。

キャンプ場で熱々の麺が食べられたらいいですね。ドローンの出前、期待したいです。

おいしいです。けっこう辛いです。

ラーメン店
矢代徳雄さん

まさか自分がつくったタンタンメンが空を飛んでいくとは思いませんでした。とても感動しました。町の活性化につなげるため、今後もドローンを使った配達に挑戦してみたい。

実験を見守ったお年寄りの女性は「将来、自分が家から出れなくなったときは使いたいですね。誰でも簡単に注文できるようになってくれると、助かります」と話していました。

今後の構想は

地域の課題をドローンで解決しようという今回の取り組み。今後は、買い物に困る高齢者が注文すれば、自宅まで出前してくれるそんな町作りを目指しているということです。さらに、市内の別荘地や民宿、大学などへの配送も行い、地元の商店街の活性化にもつなげたいということです。

ドローンを設計
田路圭輔さん

これからの物流は無人化、少人化が重要なのでドローンが役立つ部分は大きいと思います。まだまだ改良すべきポイントは多いのですが、量産を進めて、地域で活用してもらえるよう、運行や整備の体制も作っていきたいです。

勝浦商工会
小高伸太会長

今回の取り組みに非常に期待しています。勝浦で先進的に取り組み、観光面でも広がりをみせてもらえればありがたいと思います。

勝浦市 土屋市長

超高齢化時代に突入して、こうした配達システムをつくることは非常に大事なので大いに期待しています。

取材後記

交通空白地、買物難民、高齢化社会は、勝浦市だけの問題ではありません。これからは、たくさんの地域でたくさんの人々がこの問題に直面していきます。その解決に向けてのひとつの提案としての「ドローン配送実証実験」でしたが、実用化されれば、地域の課題解決が十分期待できます。そこに至るまで、まだまださまざまな課題があるとのことですが、ひとつひとつ課題をクリアしてこの町の人々の暮らしを豊かにしてほしいと思いました。
地元のご婦人が話していた「将来への不安な気持ち」「年寄りに優しいシステムがほしい」という言葉を大切にして、システムを構築してほしいと思いました。

  • 大西純夫

    千葉放送局房総支局

    大西純夫

    地域の人々の暮らしを伝えたい

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