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千葉鋸南町でビーチサウナ 五感で「ととのう」体験

  • 2022年02月16日
宿泊施設「紀伊乃国屋」プレスリリースより

「ととのう」って言葉ご存じですか?
サウナの愛好者の合い言葉で、サウナ、水風呂、休憩を繰り返すことにより、心身ともに整った状態になることです。その「ととのう」感覚を求めて、いまサウナが若者を含めた幅広い世代にブームになっています。そのサウナをビーチで楽しむイベントが千葉県鋸南町で行われました。参加者は大自然のなか、どのように「ととのう」体験をしたのか、密着取材しました。

鋸南町でビーチサウナの魅力を発信 五感で「ととのう」体験

鋸南町は、3年前の台風15号や長引く新型コロナの影響で、観光客の減少が続いています。そんな中、地元の宿泊施設の関係者が、海と山に囲まれた鋸南町の魅力を発信しようと「ビーチサウナ」のイベントを開きました。東京湾と富士山を望む元名海岸には5張りのテントサウナが設けられました。燃料の薪材には地元の森林の間伐材が活用されました。水風呂の水には鋸南町のシンボルである鋸山の伏流水が使われました。主催者は、サウナの本場であるフィンランドに習って、鋸山エリアだからこそできる地域資源を最大限活用したといいます。

鋸山エリアの地域資源を五感で楽しむ「海とサウナ」

1.視覚:東京湾と富士山を臨む圧巻のオーシャンビュー
2.聴覚:さざ波や風の音など豊かな自然の音色
3.触覚:鋸南町のシンボル「鋸山」が生み出す伏流水を使った水風呂体験
4.味覚:地ビールやソーセージなど地域の名産を楽しめるキッチンカー
5.嗅覚:地域の森林を守る間伐材を使った薪の香り

しっかりと感染対策も

新型コロナの感染対策のため、サウナの中で密にならないように、参加者は事前の予約制となりました。およそ90人が検温や消毒をしたうえで、サウナに入りました。サウナの中では、みなさん会話をしない「黙浴」でした。

サウナ→水風呂→休憩=「ととのう」

参加者はテントサウナの中で、熱したサウナストーンに水を掛けて、蒸気を発生させる「ロウリュ」を行い、たっぷり汗をかきました。そして、大粒の汗を流した人たちは外に出て、水風呂につかってクールダウン。その後も、ビーチチェアにもたれながら、風景や波の音を楽しみながら、冬の外気に当たって、爽快感を味わっていました。サウナを楽しむ人たちは、このサウナ→水風呂→休憩を繰り返すことをセットにして、これを繰り返すことで「ととのう」感覚が得られるといいます。この「ととのう」という言葉は、サウナの愛好者「サウナー」の合い言葉になっています。

若者など幅広い世代にブームのサウナ

これまでサウナというと、「熱い」「苦しい」などと苦手な意識を持って、敬遠する人も多かったと思います。しかし、最近は「サウナ→水風呂→休憩」の流れが明確になり、サウナを積極的に気持ちよく楽しもうという人たちが増えてきています。「サウナ×キャンプ」「サウナ×ジョギング」「サウナ×グルメ」などと、ほかの楽しみとコラボして、若者を含めた幅広い世代にブームになっています。今回、鋸南町で開かれたビーチサウナのイベントも、主催者はこうしたブームに乗れないかと考えたということです。

ビーチサウナで「ととのう」を楽しむ

都内から鋸南町のビーチサウナのイベントに参加した男性は「非常に心地よかったです。大変ななかで企画した皆さんに感謝しつつ、楽しみたいです」と、サウナでととのった体験を話していました。イベントを主催した宿泊施設「紀伊乃国屋」の蛭田憲市社長は「東京から1時間ほどの風光明媚なこの場所は、まだまだ、みんなに知られていません。ビーチサウナの体験を通じて、来てもらった人に風景を喜んでもらい非常に満足している」と話していました。

「紀伊乃国屋」 蛭田憲市社長

取材後記

私には海岸とサウナが頭の中で結びつきませんでした。取材してみると、テントサウナというコンパクトなサウナが5張りも海岸沿いに並んでいて、体験する人たちみんなが楽しそうに入っていました。鋸南町の自然をふんだんに感じながらのサウナ体験を鋸南町の観光メニューのひとつにしたいという、地元観光業者たちのユニークなアイデアは、都会の人や若い人たちの心をつかんだようです。また、台風被害からコロナ禍に追い討ちをかけられたこの地域の人々の再興への熱い思いが、このイベントを支えているようだと感じました。今後の鋸南町の観光が楽しみになりました。(千葉放送局 房総支局 大西純夫)

  • 大西 純夫

    千葉放送局 房総支局

    大西 純夫

    地域の人々の暮らしを伝えたい

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