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急拡大する新型コロナ 千葉県の対策と今後の焦点は

  • 2022年01月31日

千葉県でも感染の急拡大が続く新型コロナウイルス。オミクロン株の特徴とその対策、そして今後の焦点は。詳しく解説します。

猛威を振るうオミクロン株

千葉県内では1月に入って感染者が急増。連日、過去最多を更新するなどして、30日現在、4000人を超えるまでに急拡大している。

その要因のひとつがオミクロン株。特徴は感染力が強さと感染拡大のスピードの速さ。感染の広がりを1都3県でみると、感染者が1000人を超えてから1万人を超えるまでかかった日数は第5波と比べておよそ3分の1。実に3倍の速さになる。
一方、少ないのが重症者。1月30日時点の千葉県内の重症者数は3人。予断は許さないが、いまのところ、感染者の多くは無症状、または軽症ですんでいる。

逼迫する保健所の一つ 柏市保健所

ひっ迫する保健所

ただ、影響はすでに出ている。そのひとつが保健所業務のひっ迫。

保健所は40歳未満で持病がなく、ワクチン接種を2回接種済みの陽性者について1月27日から電話での健康観察をやめてインターネットで行うことに切り替えた。現在、県はPCRなどの受検者に「イマビス」というインターネットのシステムを使って、緊急連絡先や持病などの情報を事前に入力するよう呼びかけている。そして、陽性の結果が出た場合は、「マイハーシス」という国のシステムを使って、インターネットを通じて1日1回以上の体調報告を求めることなっている。県はこれらのシステムを使うことで、高齢者など重症化リスクの高い人への対応に集中できると説明している。

抗原検査キット

抗原検査キットも不足

影響は抗原検査キットにも。抗原検査は15分ほどで結果が判明するもの。

1月24日に取材した千葉市にある医療機関では、連日100人近くが発熱などの症状を訴えて検査を受けたため、一時、検査キットが底をつき、今後、安定的に確保できるかめどが立たないということだった。

抗原検査が出来なければPCR検査を行うことになるが、検査結果が出るまで 数日間かかることもある。抗原検査キットの不足を受けて県は薬局などで無症状者を対象に行う検査についてはPCR検査の利用を 呼びかけることになった。

エッセンシャルワーカーが・・・

今回の感染拡大、第5波と異なるのが感染者の年代層。若い世代、園児を含むこどもの感染が増えていることも特徴のひとつ。

そこで直面しているの課題が子どもの感染に伴って親が濃厚接触者となり、感染していなくても自宅待機を余儀なくされ、しばらく働けなくなるという事態。こうしたケースが医療や福祉、保育などの現場で相次ぎ、社会活動の維持が難しくなる恐れが出ている。

千葉大学病院では、1月27日の時点で、欠勤者が78人に上り、外来診療の縮小や手術の延期などの対応をとらざるをえない事態になっている。

今後の懸念は

千葉県が懸念している高齢世代に感染が広がること。オミクロン株はデルタ株に比べて重症化リスクが少ないとも言われているが、はっきりしたことはまだわからない。このため県は高齢者で感染が広がれば、重症者も増える恐れがあると警戒を強めている。

実際、高齢者の感染は増えている。1月の60代以上の入院者の推移をみると、2日は5人だったが、3週間後の23日には285人にまで急激に増加している。重症者は27日の時点で3人と少ないものの、重症化の一歩手前といえる酸素投与を必要とする中等症の患者をみると135人。1週間前の52人から2倍以上に増えている。こうしたことから、県は油断は出来ない状況だとしている。

県の対策は

飲食店への時短営業

千葉県では、まん延防止等重点措置が1月21日に適用され、飲食店への営業時間の短縮要請などを柱とする対策が講じられている。この飲食店への時短要請で県は「分かりやすさ」に重点を置いたとしている。例えば、飲食店の中でも県から感染対策の認証や確認を受けた店舗は、アルコールを提供し、21時まで営業できるとしている。

東京都や神奈川県は、アルコール提供の有無で何時まで営業できる「選択式」を採用しているが、千葉県は認証などの条件をつけた上で、一律に21時までとした。

熊谷知事は、「利用者に分かりづらい上、協力金の支給が複雑になって遅れがでる恐れもある。実効性を担保することが重要なのでシンプルで分かりやすい要請内容にした」と説明している。

協力金の対象

認証店と確認店だけに協力金が支払われるのも特徴。認証と確認がない店にはアルコールの提供を認めず、営業時間も20時までとすることを求めているが、要請に応じても協力金は支払わないとしている。飲食店に感染症対策の徹底を求めることを重視したため。この対応で、今回、新たに20店舗ほどが、確認店になったという。

特色ある対策も

千葉県の対策で特色があるのが結婚披露宴への対応。県は、飲食店を利用する際は4人以内と要請しているが、結婚披露宴は対象外とした。会場側がPCR検査などで参加者全員の陰性を確認することを条件に同じテーブルで5人以上の会食が可能だとした。結婚披露宴は前々から計画されるもので、急な変更ができないという意見を受けた千葉県独自の対応だといえる。

緊急事態宣言の可能性は

東京都は病床使用率が50%になれば緊急事態宣言の要請を検討する方針で、30日現在、48.5%と迫っている。千葉県はこれまで東京都など首都圏の1都3県で足並みを揃えてコロナ対策を進めてきた。

熊谷知事は27日の会見で「現段階で判断する時期ではない。病床使用率を単純な指標にするのではなく、重症者や中等症など医療全体のひっぱく状況を勘案して判断したい」と述べている。

ただ、東京と千葉は人の行き来も多く東京都が緊急事態宣言の発出要請について何らか決断をする際には、千葉県も影響を受ける可能性があるとみられる。今後は、県内の感染状況とともに東京都の動向もポイントになる。

  • 櫻井慎太郎

    千葉放送局

    櫻井慎太郎

    2015年入局 長崎局、佐世保支局を経て千葉局で県政を担当

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