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注意!マグネットボールの誤飲 直径約4センチの危険

  • 2021年12月24日
マグネットボール (提供・国民生活センター)

まもなく年末年始を迎えますが、新型コロナウイルスが収束していないことから遠出はせずに自宅や実家で過ごす人も少なくないと思います。こうした中、小さい子どもと家の中で過ごす時に注意をしないといけないことがあります。誤飲です。時節柄、お餅を想像する人も多いと思いますが、それ以外にも注意が必要な物があります。注意点や対応策を専門家に聞いてまとめました。

人気上昇、マグネットボールに注意

「マグネットボール」と呼ばれる強力な磁石を使ったおもちゃ。1個あたり直径3~5ミリの球体の磁石が数百個で1セットになった商品で、ボールをくっつけて好きな形を作ることができ、インターネットなどで販売されています。知育玩具としても人気で、クリスマスのプレゼントに送った方もいらっしゃるのではないでしょうか?

しかし、このマグネットボールを子どもが誤って飲み込んでしまう事故が相次いでいます。消費者庁によると、2017年度以降、消費者庁や日本小児科学会に10件の事故の報告があったということです。去年11月には、1歳半の子どもが、母親が目を離したわずかな時間に5ミリのマグネットボールを飲み込む事故がありました。普段は手の届かないところに保管していたのですが、5歳の兄と遊んでいる間の出来事だったということです。自力では吐き出すことができず、医療機関を受診してレントゲンを撮影したところ、15個飲み込んでいることが確認されました。開腹手術を行ってすべてが取り出され、命に関わる大きな事故にはならなかったということです。

ボールを飲み込んだ子どものレントゲン(提供・日本小児科学会)

消費者安全調査委員会と日本小児科学会は、今後も同じような事故が懸念されることから、先月25日注意を呼びかけました。
マグネットボールの特徴として、3点あげています。
▽1個が小さく、子どもが容易に誤飲
▽1セットの磁石の数が多く、一部がなくなっても気付きにくい
▽磁力が強く、通常の磁石の10倍以上で、複数飲み込むと腸管に穴が空く危険がある

消費者安全調査委員会などが注意呼びかけ

マグネットボールを誤飲するとどのような危険があるのか千葉市立海浜病院の金澤正樹医師(小児科医)に聞きました。

金澤医師

誤って飲み込むと腹痛や嘔吐、熱が出るほか、腸に穴があくこともあります。そうすると全身麻酔をして開腹手術が必要になります。放置しておくと命に関わるので、親が危険性を認識して、目が届かないところに置いたり、個数を管理する必要があります

危険はほかにも

ほかにも気を付けなければならないものは身近にあります。厚生労働省によりますと、2018年度に子どもが家庭用品を飲み込んだ事故の報告は626件あったということです。もっとも多かったのは▼たばこで20%、次いで▼医薬品・医薬部外品が17%、▼食品類が12%、▼玩具が10%などとなっています。

「家庭用品等に係る健康被害 病院モニター報告」 出典・厚生労働省

特に、注意すべき物や対策をまとめました。(日本中毒情報センター調査)
・たばこ
愛用している人が増えている加熱式たばこ。従来の紙巻きたばこよりも、加熱式たばこを誤飲した事故が増えています。子どもが使用前のものを箱から出したり、使用後にゴミ箱に捨てていたものを取り出して口に入れる事故が起きています。このほか、水などをペットボトルや空き缶を灰皿代わりに使い、子どもが誤って飲んでしまう事故も起きているということです。

事故を防ぐために
◆使用前のたばこは子どもの手の届かない場所に保管する。
◆使用後はすぐに子どもの手の届かない場所へ片付ける。
◆飲料の缶やペットボトルを灰皿に代わりにしない。

たばこの吸い殻も注意!

・ボタン電池
子どもが電池を取り出した、交換後の古い電池を放置していた、廃棄予定の電池を貯めていたことなどが原因で、事故が起きています。特に誤飲事故は6か月~2歳に多いということです。電池が体内に留まって電流が流れると、周囲の組織を傷つけます。気がつかずに食道にひっかかったままで発見が遅れると、重症化する危険性があります。

事故を防ぐために
◆電池を使用している器具の電池ボックスのフタやネジはしっかりとめる。
◆電池が簡単にはずれる器具を子どもに触らせない。
◆電池交換は子どものいないところで行う。
◆使用済みの電池は、+極と-極にテープを貼る。

ボタン電池によるやけどの再現実験 提供・国民生活センター

食品の窒息にも注意

誤飲だけでなく、子どもが食品を口に入れて窒息する事故も起きています。日本小児科学会によりますと、こうした事故の8割は4歳以下で起きているということです。幼い子どもは、かむ力が弱く、固い物をうまくかむことができず丸のみをして窒息につながる可能性があります。

表面が丸くてつるっとしている食品は窒息につながる可能性があるので注意が必要です。
例えば、ブドウ、プチトマト、さくらんぼ、こんにゃく、ピーナッツなどは、表面がなめらかなため、ふとしたときに飲み込んでのどに詰まるおそれがあるということです。こうした食品を食べさせるときには、4分の1以下の大きさに切って食べさせるなど対策が重要です。 

子どもが誤飲した!どうすれば?専門家に聞いた

では、子どもが誤飲したときにどうすればいいのか。緊急時の対応を金澤医師に聞きました。

金澤医師はまず、口に入る小さなものや誤飲のおそれがある物は、高いところや引き出しに保管するなど、手の届くところに置かないことが最も重要だと指摘します。直径が約4センチ以下(親指と人差し指で輪を作ったときの大きさ)のものは、特に注意が必要だということです。

直径約4センチはこのくらい!!

それでも誤飲をしてしまった場合には、基本的には吐き出させるのではなく、すぐに医療機関を受診することが大事だと話しています。受診の際には▼何を▼いつ頃▼どれくらいの量飲んだのか▼飲んだ後にどのような症状が出たのかを、医師に伝えてほしいということです。

金澤医師

飲んだものを吐き出させると、吐き出した物が気管に入ることで別の問題になることもあります。何を飲んだのかによって対応が違うので、基本的には吐き出させるのではなく、なるべく早く医療機関を受診することが大切です。親など周りの大人がたばこや電池、食べ物の危険性を理解して、安全に年末年始を過ごしてほしいと思います

誤飲・誤食をした際に、以下の内容で1つでもある場合は、医療機関を受診して下さい。

□石油製品(灯油、ベンジン、シンナー、除光液など)を飲んだ
□強い酸やアルカリ物質(漂白剤、トイレ用洗剤など)を飲んだ
□ボタン電池、磁石を飲んだ
□タバコ2センチ以上を食べたり、タバコの葉が浸してあった水を飲んだ                      
(出典・千葉県ホームページ)

取材後記 いつもと違う環境「ちょっとだけ気をつけて」

いつもの自宅であれば子どもが飲み込んでしまうような物は周りに置かないように注意ができると思います。でも年末年始は、大掃除をしようと洗剤を出したり、実家に帰省したりして、いつもとは違う環境に子どもを置くことになります。いつもとは違う時期だからこそ、周りの大人が「ちょっとだけ気をつけて」あげてほしいと思います。子どもの頃、弟の面倒を見ていた私が目を離した隙に弟がゴムボールをかじっていた光景は未だに忘れられません。子どもは思わぬ行動をするし、「ちょっと気をつける」だけで事故は避けることができるはずです。今度は大人になった自分たちが子どもを守る番だと思っています。(高橋カメラマン)

  • 高橋大輔

    千葉放送局 カメラマン

    高橋大輔

    クリスマスプレゼントで楽しそうに遊ぶ子どもの姿を見て、電池のフタや部品の大きさをチェックしようと「お父さんにも貸して」と言ったら、親子の会話にもつながりました。

  • 福田和郎

    千葉放送局 記者

    福田和郎

    平成18年入局
    子どもたちが安全に過ごせるよう情報発信を続けます。

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