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日本のLCCで初 成田-北米便 運航へ 水際緩和のなか

  • 2021年11月17日

日本航空が設立したLCC=格安航空会社の「ジップエア」は、来月から成田空港とロサンゼルスを結ぶ旅客便の運航を始めると発表しました。日本のLCCがアメリカ本土とを結ぶ便を就航させるのは初めてで、日本やアメリカが今月から入国制限を緩和するなか、航空需要を喚起したいとしています。

日本のLCCで初 成田-ロサンゼルス便 運航へ

国際線のLCC「ジップエア」は、12日に記者会見を開き、成田空港とアメリカのロサンゼルスを結ぶ旅客便の運航を来月25日から始めると発表しました。日本のLCCがアメリカ本土の路線を就航させるのは、ジップエアが初めてです

アフターコロナ見据えた独自の経営戦略

ジップエアは、コロナ禍で大手航空会社が採用を大幅に縮小するなか、100人の客室乗務員を採用するなど、アフターコロナを見据えて新たな国際路線の就航を進めてきました。今月8日に、日本とアメリカが入国制限を事実上緩和するなか、ビジネスや一時帰国などの往来による需要を見込んでいるほか、さらに収益を高めるために、自動車や半導体の部品、それに生鮮食品などの貨物の輸送も行い、週に3往復、運航するということです。

ジップエア 西田真吾社長
「貨物輸送で収益を高めるとともに、水際対策の緩和によって日米両国の航空需要の回復が見込まれているので、日本だけでなく、海外の方々の利用を期待したい」

利用者からビジネスや観光で期待の声

日本のLCCがアメリカ本土とを結ぶ便を初めて就航させることについて、成田空港を利用する人からは、ビジネスや観光での利用に期待する声が聞かれました。

タイに出張する自営業の30代の男性
「自営業なので、海外に出張するときには、経費をできるだけ安く抑えるためにLCCはぜひ利用したいです」

アメリカに渡航する自営業の30代の女性
「アメリカには観光でよく行きます。LCCは運賃の価格が安くてとてもいいと思うので、観光で使いたいです」

日米が入国制限緩和のタイミングで

新型コロナウイルスの水際対策をめぐり、日本やアメリカでは11月から外国人の入国制限が緩和され、旅客便の需要の高まりが期待されています。
日本では今月8日から、ビジネス目的の入国者について、ワクチンの接種などに加え、企業が行動を管理することなどを条件に、自宅などでの待機期間が原則3日間に短縮されました。また、これまで原則停止されていた外国人の新規の入国についても、ビジネス目的を認めるなど、一部、条件付きで再開されました。
一方、アメリカでも今月8日から、ワクチンの接種を終えていることを条件に、外国人の入国を認める新たな措置が始まりました。

コロナ禍でも客室乗務員 異例の100人採用

新型コロナウイルスの影響で、大手航空会社が新規の採用を大幅に縮小する中、ジップエアは感染収束後を見据えた路線拡大に向けて、コロナ禍で異例の戦略とも言える客室乗務員100人の採用を行いました。

ことしの春、ジップエアに入社した客室乗務員の麻生真央さん(24)は、乗務を目指して訓練や研修を重ねてきました。訓練では経費削減のため、手作りの紙コップを使った酸素マスクや、レジ袋を代用した救命胴衣などを活用しました。麻生さんは、新型コロナの収束が見えず、国際線の運航がコロナ前の状況に戻るのか不安があったといいますが、地道な努力が実を結び、新設される北米路線で今後、客室乗務員として乗務する見通しです。 

客室乗務員の麻生真央さん
「これまでしっかりと準備をつんできたので、発揮できる場がやっときて、とてもうれしいです。これからファンをたくさん作っていきたいです」

取材後記

 今回の北米路線の就航は“異例”の挑戦です。新型コロナウイルスの影響で、成田空港とアメリカ本土を結ぶ国際線の便数は、コロナ前の半分程度にとどまり、航空業界は苦境が続いています。そうしたなかでも、ジップエアは、アフターコロナを見据えて準備を重ね、念願だったLCCの太平洋横断を実現させたのです。国際線の需要の回復にはまだ時間はかかると思いますが、今回のジップエアの挑戦そのものが、航空業界にとって“ひと筋の光”となって広がり、国際線が再び勢いを取り戻すきっかけとなることを期待したいと思います。(千葉放送局成田支局 間瀬有麻奈)

  • 間瀬有麻奈

    千葉放送局成田支局

    間瀬有麻奈

    平成28年入局。初任地の長野局から成田支局に着任したばかりです。特技の格闘技で培ったパワフルさで空港の今を全力で取材します。

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