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スリランカ合宿中止を乗り越えて 千葉県山武市

サジーさんとホストタウン
  • 2021年07月12日

東京大会のスリランカのホストタウン千葉県山武市はコロナ禍によって合宿の受け入れを中止しました。しかし、スリランカ出身の市の職員はこれまでの交流はむだにならないと考えています。

スリランカのホストタウン山武市

500人余りのスリランカ人が暮らす山武市。スリランカ出身の西島サジーさん(46)は、ホストタウンとして登録を受けた5年前に山武市に採用され、大会に向けた準備を担当。母国のホストタウンでの仕事に、特別な思いを持って取り組んできました。

「両国の懸け橋になりたい」

いちばん左がサジーさん(当時中学生)

内戦のさなかのスリランカの貧しい家庭で育ったサジーさん。学びを支えたのは、日本のボランティアからの鉛筆やノートなどの支援でした。自分が両国の懸け橋になりたいと強く思うようになりました。
 

山武市非常勤職員 西島サジーさん
「日本からの支援がなかったら、いま日本にいることができなかったかもしれません。日本とスリランカの交流のサポートができる立場になれればと思っています」

サジーさんによって両国に接点

山武市は、ホストタウンになって以降、スリランカの伝統的な舞踏や食べ物を紹介するお祭りなどを開催。サジーさんによって両国の市民の接点がうまれました。しかし、そこに新型コロナの影響が直撃します。

コロナで合宿受け入れ中止 苦渋の決断

ことし5月、スリランカで変異ウイルスによる感染者数が急増する中、都内で開かれたボートの予選で、スリランカチームのスタッフが感染。市は事前合宿の受け入れ中止の苦渋の決断をしました。

合宿中止を乗り越え 友好関係を未来に

それでも、サジーさんは、これまでの交流はむだにはならないと考えています。築いてきた友好関係を未来につなげたい。サジーさんは市内の中学校でスリランカについての授業を行いました。スリランカのことばや食べ物などについて生徒たちの発表を聞いたあと、こう呼びかけました。
 

山武市非常勤職員 西島サジーさん
「みなさんの力がこれからとても大事です。外国人とぜひ交流してほしいです。スリランカの子どもたちが、市内のいろんな学校に通っています。ぜひ友達になってみてくださいね」

「スリランカの子どもたちと、仲を深めていきたいと思ってます」

「日本とスリランカで、金メダルを半分こする感じで応援したいです」

サジーさんは、合宿はなくなっても選手たちとのオンライン交流会を開こうと準備を進めています。

山武市非常勤職員 西島サジーさん
「友好関係がもっといい方向にいければと思います。東京大会では、友達の国と思ってスリランカを応援していただけばと思います」

動画はこちら

取材後記

山武市は、千葉県内でも3番目に多いスリランカの人たちが暮らしていて、その数は500人余りにのぼります。サジーさんは市役所での業務に加え、市内で開かれるスリランカカレーの教室や、現地で使われるシンハラ語を学ぶ教室で講師を務めるなど、両国の市民の距離を近づけられるようこれまで取り組みを続けてきています。私はそんな彼女の姿を2年余りにわたって取材してきました。東京オリンピックは、ほとんどの会場で観客を入れずに開催されることが決まるなど、新型コロナの感染拡大で大会をめぐる状況が変わりました。開催の意義が改めて問われている今だからこそ、「友達の国として応援してほしい」と話すサジーさんの思いを、ぜひ多くの人に知ってもらいたいと考えています。そして私も、街のこれからの姿を注目し続けたいと思います。(千葉放送局成田支局 記者/山下哲平)

  • 山下哲平

    千葉放送局成田支局 記者

    山下哲平

    平成25年入局。北九州局を経て、現在は成田支局で成田空港や周辺地域を取材

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