ページトップへ
2019年6月11日 避難のタイミングを決める!ココロの“スイッチ”
シュト子「これから本格的な雨の季節ね。この時期に心配なのは大雨だけど、たくさんの情報があって、いつ避難をすればいいのか、タイミングが分からないわ。災害から身を守るためには、どうしたら安全に避難することができるのかしら?」
シュト子
「これから本格的な雨の季節ね。この時期に心配なのは大雨だけど、たくさんの情報があって、いつ避難をすればいいのか、タイミングが分からないわ。災害から身を守るためには、どうしたら安全に避難することができるのかしら?」

 

 

京都府綾部市の施福寺地区。2018年7月の西日本豪雨で土砂崩れが発生し、3人が死亡しました。

土砂崩れ当日、日付けが変わった頃から雨が急激に強まり、午前1時45分には避難指示が出されましたが、住民のほとんどは避難しませんでした。

 

 

■大雨避難の考え方「避難スイッチ」とは?

(2019年5月9日OA おうみ発630「しが!防災応援団」大津局より)

 

【京都大学防災研究所 矢守克也教授】

 

2018年の西日本豪雨では、避難を促す情報はたくさんありました。しかし、その情報がうまく活用されずに多くの方が犠牲になってしまいました。

情報をどう活用すればいいのか。それが最大の課題だと思います。

 

多くの情報があったにもかかわらず避難できなかった、遅れたという課題を解決するために、一人ひとりが、

  • ・自分はこういうことが起こったら避難しよう
  • ・こういう情報を手に入れたら絶対逃げ出そう

という“避難のタイミング”を独自に決めておく、自分自身の避難のきっかけを 避難スイッチ と呼んでいます。

 

 

■「避難スイッチ」作成のポイント

 

 

避難スイッチには、2つの材料があります。

 

 自分で体感できること 

  • 地域の方が自分たちでチェックでき、自分たちの身の回りで起こっていること(雨の強さ、川の流れ方、ため池の水位など)をスイッチとして活用しましょう。

 

 いわゆる災害情報 

  • 災害情報(近くを流れる川の水位情報など)はたくさんあって混乱すると思われるかもしれません。けれど、逃げるために自分たちがスイッチとして利用できる情報は何か、そういう目で災害情報を見ましょう。

 

 

サイ坊「避難を始める スイッチ をどのように作ればいいのか。各地の取り組みを見てみよう」
サイ坊
「避難を始める スイッチ をどのように作ればいいのか。各地の取り組みを見てみよう」

 

 

 

 1  避難の“スイッチ”を決める!

(2019年3月26日OA 「ニュース630京いちにち」京都局より)

 

災害に巻き込まれる前に避難を決断するにはどうすれば良いか。施福寺地区では2018年12月から、専門家のアドバイスも受けながら住民自身で検討を始めました。

 

 

 土壌雨量指数

 

京都府綾部市施福寺地区では、具体的に何をスイッチ にするか、住民たちは2018年西日本豪雨の時を振り返りました。住民の中には、土砂崩れの直前、異変に気づいた人もいました。

 

地区で決めた スイッチ の1つは 「土壌雨量指数」 。地面にしみこんだ雨量をもとに、土砂崩れの危険性を数値で示すもので、京都府のホームページで確認できます。

 

 

 

 

 

2018年西日本豪雨の時の現場近くの 土壌雨量指数 の推移です。

前日夜の段階では 120前後 ですが、雨の強まった午前1時ごろには 150 、土砂崩れが起きた午前4時すぎには 245 へと、 急激に上昇 しています。

 

地区ではこの経験をもとに、 土壌雨量指数  140  になったら 避難 する ことを決めました。

 

 

 

サイ坊「この地域は、大雨のときに住民の代表が 土壌雨量指数 を確認して、周囲の住民に 避難を呼びかける ことになったんだ。住民は “一律の明確な基準ができることで動きやすくなる” と話していた」  ケン「ほかの地域は、どのような避難開始の目安があるかな」
サイ坊
「この地域は、大雨のときに住民の代表が 土壌雨量指数 を確認して、周囲の住民に 避難を呼びかける ことになったんだ。住民は “一律の明確な基準ができることで動きやすくなる” と話していた」

ケン
「ほかの地域は、どのような避難開始の目安があるかな」

 

 

 

 ため池・川の水位

 

兵庫県宝塚市川面地区内の地域それぞれで、 スイッチを決めました。

 

 ため池の水位 

ため池の水があふれると避難が難しくなったり、近くの住宅が浸水したりするおそれが高まります。あと50センチであふれそうな時には、避難を呼びかける。

 

 

 近くの川の水位 

川があふれる水位の3分の2を超え、今後も雨が降り続く見通しの時には、避難を呼びかける。

 

 

 

メット「ほかにもスイッチとして活用できる情報が新たに発表されることになったよ」
メット
「ほかにもスイッチとして活用できる情報が新たに発表されることになったよ」

 

 

 

 2  大雨情報 5段階の警戒レベルに

(2019年5月29日OA 「首都圏ネットワーク」より)

 

 

大雨の際に発表される、気象警報や避難勧告などの情報が、5段階の警戒レベルに分けられました。

災害への危機感を住民に効果的に伝え、迅速な避難行動につなげてもらうために、国は、雨や河川の情報、自治体が出す避難の情報などの防災情報をわかりやすく整理して、5段階に分け、取るべき行動を示しました。

気象庁は、2019年5月29日から運用を始め、自治体も準備が整ったところから順次、運用を始めています。

 

 

 

サイ坊「避難のタイミングで注目は 警戒レベル3 と 警戒レベル4 なんだ。逃げ遅れないためにも詳細を一緒に覚えよう」
サイ坊
「避難のタイミングで注目は 警戒レベル3 と 警戒レベル4 なんだ。逃げ遅れないためにも詳細を一緒に覚えよう」

 

 

■ 警戒レベル1「最新情報に注意」

 

■ 警戒レベル2「避難方法を確認」

 

■ 警戒レベル3「高齢者など避難」

  • 高齢者や体の不自由な人が避難を始め、そのほかの人も避難の準備を始める。

 

■ 警戒レベル4「全員避難」

  • このレベル4の段階で全員避難することが重要。避難場所に移動すると危険な場合は、近くの安全な場所や、建物内のより高い場所などで身の安全を確保

 

■ 警戒レベル5「災害発生」

  • すでに災害が発生、または発生している可能性が極めて高い状況。避難場所への移動は手遅れになっているおそれがある。少しでも命が助かるような行動を。

 

 

シュト子「命を守るためにカギを握る早めの避難。自分が住んでいる地域で いつ 避難するのか。体感できることや気象庁、自治体などが発表している災害情報を利用して、いざという時にすぐ スイッチ を押せるよう備えましょう!」
シュト子
「命を守るためにカギを握る早めの避難。自分が住んでいる地域で いつ 避難するのか。体感できることや気象庁、自治体などが発表している災害情報を利用して、いざという時にすぐ スイッチ を押せるよう備えましょう!」