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  • 2024年6月5日

鉄道の運賃 値上げの動き相次ぐ JR東日本や埼玉の秩父鉄道 茨城の鹿島臨海鉄道で

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鉄道の運賃値上げの動きが相次いでいます。JR東日本は、コロナ禍での利用者の減少や物価高などで経営環境が厳しさを増すなか、ことし(2024年)秋にも値上げを国に申請する方針を示しました。首都圏では埼玉県の北部を走る秩父鉄道や茨城県の鹿島臨海鉄道も、ことし10月から値上げすることを明らかにしています。

運賃は国の認可を得る必要

鉄道の運賃は運行に必要な費用をあわせた原価に、一定の利潤を加える方法で算出し、国の認可を得る必要があります。コロナ禍での利用者の減少などで経営環境が厳しさを増す中、
国土交通省はことし(2024年)4月、原価における設備投資や人件費などの算定方法を27年ぶりに見直して運賃の値上げがしやすい環境を整備していて、来月(7月)をメドに算定のもととなるコストの基準額が公表される見通しです。

JR東日本“2025年度末にも値上げしたい”

こうした動きを踏まえ、JR東日本の喜勢陽一社長は4日、定例の記者会見で、ことし秋にも運賃の値上げを国に申請する方針を示しました。申請が認められれば、自動改札機などのシステムの改修を行い、早ければ来年度(2025年度)末にも値上げをしたい考えで、本格的な値上げは、消費税が10%に引き上げられた2019年以来となります。

JR東日本 喜勢陽一社長
「安全を確保しながら鉄道事業を持続可能なものにしていくために必要な運賃の値上げを行っていきたい」

埼玉の秩父鉄道や茨城の鹿島臨海鉄道でも値上げの動き

首都圏の鉄道会社でも運賃値上げの動きが相次いでいて、埼玉県北部を走る秩父鉄道と茨城県の鹿島臨海鉄道はことし10月1日からの運賃値上げを国に申請しました。
秩父鉄道
普通運賃の改定率は平均で12.8%で通勤定期も引き上げられますが、通学定期は、家計への負担を考慮して据え置かれます。秩父鉄道の値上げは、消費税増税を除くと平成8年(1996)以来28年ぶりとなります。

主な区間の値上げ
▼初乗り運賃(隣駅までの距離が1キロ~4キロ) 170円→200円
▼熊谷~長瀞 780円→850円

会社では、新型コロナの影響で旅客収入が大きく減り、回復が限定的なことや、電気料金などエネルギー価格が上昇していること、今後、設備更新のための投資が必要なことなどをあげ、鉄道事業の継続が厳しい状態が続くとしています。

秩父鉄道
「安全輸送の確保や旅客サービスの向上に引き続き務めてまいります」

鹿島臨海鉄道
水戸市と茨城県鹿嶋市を結ぶ大洗鹿島線の運賃について、全体の値上げ幅は平均で17.7%で、値上げが認められれば、消費税率の引き上げを除いて平成7年(1995年)11月以来、29年ぶりです。
このうち、▼普通運賃は平均21%余り、▼通勤定期は平均25%余り、▼通学定期は平均9%程度の値上げとなります。

主な区間の値上げ
▼水戸~大洗        330円→   420円
▼水戸~新鉾田       820円→   960円
▼水戸~鹿島神宮 1,590円→1,750円(※JR区間を含む)

理由について、燃料価格や物価が上昇し、今後、老朽化した車両や施設の更新が必要なことから、判断したとしています。鹿島臨海鉄道は沿線人口の減少などの影響で利用者数は1992年度の358万人をピークに2022年度には172万人と半減していて、利便性を維持しながら地域の足として欠かせない鉄道路線をどう存続させていくか課題となっています。

値下げで利用者増えた北総鉄道

一方、運賃を値下げして、利用者が増えた鉄道会社もあります。
東京・葛飾区と千葉県印西市を結ぶ北総鉄道の北総線は、「財布落としても定期を落とすな」とも言われるほどJRや大手私鉄と比べて運賃が割高でしたが、おととし(2022年)10月に値下げを行いました。北総鉄道によりますと、値下げ後、去年(2023年)9月までの1年間の利用者数は、およそ3769万人で、その前の1年間と比べて15%、およそ490万人増えました。
新型コロナの5類移行による利用者の回復があったのに加え値下げの効果も見られるということで、特に平均で64.7%の大幅な値下げをした通学定期の利用者は3割ほど増加していて、会社では「自転車や保護者の車での送迎による通学から北総線の利用に切り替えた学生が多かったのではないか」とみています。

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