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東京ブギウギ秘話~発見!幻のブギ~

  • 2024年02月09日
服部良一さんと笠置シヅ子さん(写真提供:笠置シヅ子資料室)

笠置シヅ子さんが歌った「東京ブギウギ」。ほかに「大阪ブギウギ」「買い物ブギー」など数多くの“ブギ”があるのをご存じでしょうか。レコード会社も名前しか確認できていなかった「幻のブギ」がいま次々と“発見”されています。

2月9日(金)「首都圏ネットワーク」で放送
(配信終了)

2月15日(木) ラジオ「Nらじ」で放送
(配信終了)

「東京ブギウギ」だけではなかった

「東京ブギウギ、リズムウキウキ、心ズキズキ、ワクワク~♪」

「東京ブギウギ」は、終戦直後の日本で、焼け跡で暮らす多くの人たちに希望を与えた曲です。

笠置シヅ子さんと服部良一さんが手がけた”ブギ”はこの曲だけではありません。

「大阪ブギ」「名古屋ブギ」「買い物ブギー」「ジャングル・ブギー」など、〇〇ブギとつくものだけで10曲以上のオリジナルソングを作っています。中にはレコード会社も名前だけしか確認しておらず、レコードを保持していない曲もあります。

この2人が手がけた幻のブギを探し続ける人がいます。

多くのレコードの復刻版を作ってきた郡修彦さん

レコードの技術者で音楽史を研究する郡修彦さん。郡さんは2年前、朝ドラ「ブギウギ」の製作が発表された時に笠置シヅ子の全集を調べ、レコード会社にも今は残っていないブギの曲があることを知りました。

笠置さんのCDをまとめた資料に、「解説書にレコードが集まらなくて登録できなかったものがある」と書いていたんです。朝ドラの製作発表を知って、これは新たにレコードを見つけられるんじゃないかと思ったんです。

右:レコード会社のプロデューサー 衛藤邦夫さん

レコード会社のプロデューサー、衛藤邦夫さんもこう振り返ります。

最近の音源はマスタテープがあって保管しているんですけど、SPレコードの時代のものは完璧に残っているわけじゃないんです。そこで、こちらもご相談させていただいた

これまでにも古いレコードの復刻盤CDを多く企画してきた郡さんは、全国のレコードコレクターのネットワークに呼びかけました。すると去年3月、曲が見つかり、復刻盤を作る事ができました。

「北海ブギウギ」です。

郡さんは、さらにレコード会社の資料庫に通い続け、レコード会社の総目録から見慣れない曲を見つけ、またしても、全国のネットワークに所有者がいないか投げかけます。

そして見つかったのが「大島ブギ―」。当時の伊豆大島を歌い込んだ、ご当地ソングのブギでした。

先生が大島を作るとこういうイメージなのかな~と、当時どれほど売れたかもよくわかりませんから達成感ですね。

「服部良一にかかると伊豆大島はこうなるのか!」と感動したそう

この発見で、レコードまで確認されたブギは実に17曲になりました。

終戦直後 ブギに込められた思いは

笠置・服部コンビは、ブギという音楽にどんな思いを込めていたのでしょうか。

大衆音楽の歴史に詳しい大阪大学の輪島裕介教授は、2人がブギのリズムを日本に広める過程を調べています。

大阪大学の輪島裕介准教授

輪島さんが去年見つけた未発表の「神戸ブギ」の楽譜からは、服部良一が戦後、ブギの活気のあるリズムに見いだした希望が読み取れるといいます。

服部家の資料庫に眠っていた「神戸ブギ」の楽譜の一部

実際に、様々な資料から服部良一さんは戦争中から少しずつ”ブギのリズム”の表現を磨いていたことがわかっています。“人々を元気にしたい”とブギのリズムの工夫を重ね、温めてきたブギのリズムを戦後に笠置シヅ子と組んで初めて世に問うた曲こそが、「東京ブギウギ」だったのです。

基本的には、陽気なもの、楽しいもの、人々を勇気づけるものをという。当時の闇市の時代のある部分を体現するような曲だったのは間違いないと思います。“自分を解放していいんだ、さらけだしていいんだ”、あるいは“それくらいしないと生きられないんだ”そんな感覚を見事にとらえたんだと思います。

歌は占領下で暮らす人たちの心をつかんで見事に大ヒット。世の中の求めに応じて、2人はそれから6年以上も新たなブギを作って歌い続けました。

服部良一さんと笠置シヅ子さん(写真提供:笠置シヅ子資料室)

存在が埋もれたブギの曲は、実はほかにもあるといいます。

録音台帳に書かれた「芸者ブギ」の記述

レコード会社の録音台帳に、「芸者ブギ」を笠置シヅ子が吹き込んだ記録があるのだそうです。さらに「信州ブギウギ」という曲もあるのではと見られています。

戦後の人々を大きく活気づけた2人のブギ。時代を超えて生き続けています。

「ブギウギ」 NHK連続テレビ小説で放送中

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