ICT活用し人手不足にも対応 養殖マサバが初出荷 茨城県

茨城県がICT=情報通信技術を活用して養殖してきたマサバが県内の飲食店に初めて出荷されました。

マサバの養殖は地球温暖化の影響などによる漁獲量の減少に備え、茨城県が去年から養殖技術の実証事業としてひたちなか市の那珂湊漁港にいけすを設けて行っています。
マサバが出荷に適した350グラム以上に成長してきたため15日、県の職員や協力している地元の高校生が500匹ほどをすくい上げました。
実証事業ではいけすに自動でえさを与える装置や海水温がわかる装置のほかカメラを設置し、遠隔で現場を確認できるICTシステムが導入され人手不足にも対応した管理ができるようになっています。
今後はAI=人工知能も活用して成長をさらに促進するえさの与え方なども研究することにしています。
今回、出荷されたマサバは県内26の飲食店に無償で提供され、来月末からは小売り店にも無償提供される予定です。
茨城県は来年度向けにすでにおよそ2万5000匹のマサバの養殖を始めていて、民間事業者による事業化も支援することにしています。
県水産振興課の瀬谷尚男副参事は「アニサキスといった寄生虫がいる可能性がとても低く、お刺身でも食べられる。マサバの養殖で茨城の水産業が盛り上がってほしい」と話していました。